ひどい話だね。 考えさせられるよ。 どういうことがあるのかは知らないけどさ。・・・ 世の中が悪いのかな。 なんとも言えない暗い気分だよ、こっちまで。
やっぱり当たっちまった、バチが。 日時が符合するから。 本のタイトルを考えながらすき家の丼を味わっていた時のこと、妙な音がしたんだよ。
「ぴし」
小さな音。人には聞こえない。樸にだけ聞こえる。 ぴしまで行かないかもしれない。 ぴぐらいだったかも。 でも樸には聞こえた。 聞こえた時に「もしかしたら」と思った。前にも聞いたことがある音。十五年ほど前に。 それは枝豆を食べている時に聞いて、しばらくすると物が食べられないぐらいに痛くなって、奥歯を一本抜くことになった。 歯医者が言うには、歯が割れて、スキマからバイキンが入った。ハグキの中にウミがたまっている。だからハレて痛いのだと。こうなれば、あとは抜くしかない。 証拠のレントゲン写真まで見せてもらった。 言うとおり、歯は二つに割れていた。ちゃんとハグキに植わってることは植わってるんだが、根っこから真っ二つに割れたのが、写真に写ってる。金属をかぶせた右の奥歯だ。 そして医者が言うのに、君の歯は私の技術をもってしては治しようがない、治しようがないけれども、ひとつの方法として、今抜いてしまうのももったいない話だから、割れたまま使ったらどうか。使えるうちは使えるだけ使う。ただし、そうするとちょっと痛いかもしれないよ。特に疲れた時なんか、歯が浮いたようになって、とても痛いかもしれない。そういう時は痛み止めの薬を飲んで、我慢することだ。まあ、いずれ我慢できなくなって、抜くことにはなるのだろうけれど。と。 樸は痛みに対して弱い。その時も、確か一週間ぐらいで我慢できなくなって、抜いてもらいにいった。 同じパターンをたどっている。 牛丼に入っていたスジニクの小片をかんだ瞬間、
「ぴ」
と耳の奥で聞こえた。 しかも、今回は金属をかぶせた歯ではなくて、以前かぶせてあった金属が去年とれて、歯医者に行くだけの金がなかったのか、それともただ行きたくなかっただけなのか、忘れてしまったけれども、そのままホウチして、現在に至った一本なのだ。かなり深く掘ってある。 今朝は大変にハレていた。 ちょっと人相が違うほどに。 痛いのは昨日の夕方ごろ始まって、自転車をこいでいる時は忘れるけれども、休んでいるとズッキンズッキンくる。 昨夜は痛みを忘れようと、ヨフカシしてキーボードでパチパチやった。ほかの事に集中している間は、痛みが少しだけやわらぐ。 今は痛い。非常に痛い。ハレは今朝ほどでないけれど。でも、また明日の朝になったら物すごくハレるのかもしれない。 わざわざ買った痛み止めの薬も効果がないのらしい。 明日は医者に行くようだ。 ゆいいつ救いと言えば、まだ保険証の有効期限が切れてないこと。 保険料をおさめてないのだから、没収されてしかるべきものなのだけれど、たぶん使えると思う。 今日、歯医者の看板が出ているところを見て回った。どこも休診だ、予期したとおり。 樸は悪いことはできない。 なぜだろう、昔から、何か悪いことをするとすぐにバチがあたるのだ。そうでないやつだって大勢いるのに。 神様にうらまれているのかね。 本当に損だ。 おまけに明日は午後から雨。 なんか、とても憂鬱だ。 いやな、いやな気分だ。
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