奈津は午前3時頃目を覚ました。 携帯を見るとメールが来ていた。となりでは涼が安らかな寝息を立てていた。 涼を起こさないようにベッドから少し離れた場所の椅子に座ってメールを読んだ。
ナイーダ姫 シャルムです。 この間はあんなことになって700年の時間があっという間に過ぎていきました。貴方に会ってこの数週間ずっと迷っていました。私には美千代と言う恋人がいます。彼女をとるか貴方を選ぶか本当に苦しい選択でした。美千代との間に子供ができたのです。それでもまだ迷っていました。しかし、決心しなければなりません。以前の私は生活の心配のいらない王子でした。しかしこの世界では生活していくのが大変です。子供を育てるのも容易ではありません。そこでこの絆を大事にすることにしました。貴方とはお別れします。長い間お互い待っていてとても残念ですが、これも運命です。これから先の未来で又夫婦になれる時もあるかも知れません。もう会うこともないと思います。さようなら。
奈津いやナイーダはメールを読み終わると、ホテルから空を見た。 星空の中に1つの流れ星がスーッと尾を引いて流れた。 何故だか奈津の目にひとすじの涙も流れた。 奈津はすぐに返事を打った。
シャルム王子 ナイーダです。 お別れしましょう。 私も好きな人がいて悩んでました。 一旦は別れましたがどうしても別れることができませんでした。 これが運命なのです。 私ももう二度と会うことはないと思います。 それではお元気で! さようなら。
もう涙は乾いていた。もう一回見直してメールを送信した。 全く悔いはなかった。 そして涼の横のベッドに潜り込んだ。 涼の体温は暖かくて冷房の効いた室温に心地よい温度だった。 “私はこの人と供に生きるのだ。” 奈津は改めてそう思いながら涼の横で眠りについた。
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