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作品名:700年後の恋 作者:兵藤 順一

第39回   美千代の友達
土曜日の夜。佐古田美千代はいつもの喫茶店で銀行員の友達、由美子と鶴屋デパート勤務の里江を待っていた。なんでこんなにおとなしくて真面目で頭のいい由美子が里江と仲がいいか美千代は不思議だったが、熊商時代から3人は仲が良かった。良く喧嘩もするし、喧嘩したら1週間くらい口を聞かないこともお互い良くあった。しかしいつも本音で付き合っているのでそのうち仲直りして又会話を始めた。
“相変わらず里江は遅いわね。”
“又、男と話し込んでいるのではないの?”
里江はデパートの洋服売り場にいるが、美しくてファッションのセンスがあり、昔から良くもてていた。しかし次々といろんな男と浮き名を流し、数カ月で別れていった。由美子も美千代も詳しい経過を良く知っている。テニス部のキャプテン。サッカー部のストライカー。野球部のエースピッチャー。皆ハンサムで、女子高生の憧れの的だったが、数カ月と里江とは続かなかった。里江も中学2年の出水中学の時から、
“出水中学に港里江あり。”
と他校でも有名だった。
美千代は同じ中学だったが、中学時代はそんなに仲良くなかったし、数回話をした程度だったが、東園中学から来た春日由美子。超秀才で、いつも学年トップの才女と出会い、高校1年からとても仲の良い3人組になった。というより由美子にいつも勉強を習っていた。
由美子は私達とは良く話すが、男の前では殆ど沈黙を守っている。高校卒業してからも3人で良く会い、土曜日の夜ごとに飲みに行き、最後は里江はその場で声をかけられた男と一緒に夜の街に消えるのだが、その後由美子は1人でタクシーで帰宅する。2、3年前までは美千代も男の誘いを断って上通りの入り口からタクシーに乗って2人供別々の方向に帰ることが多かったが、美千代はセックスの良さを覚えてからは気にいった男と飲みに行きベッドをともにすることもあった。自宅には
“友達のとこに泊まった。”
といってその日の打ち合わせで、由美子だったり、里江だったりする。
里江はもっぱら美千代の名前を出しているようだ。高校時代からお互いの家で泊まりあっているので、里江の両親も、美千代の両親も別段疑いはもってはいないようだ。いや、美千代の両親は疑いは持っていないが、里江の両親は高校を卒業して、デパートに勤めるようになってからは全く干渉しない方針のようだ。
“こないだ美千代と一緒に飲みにいった大阪から出張できた男の人ね。あの人とはどうなったの?”
“あの関西弁の人達ね。里江と4人で飲んだ後、2人ずつに別れて、大分関西弁で口説かれたけど、私、関西弁て実は嫌いなの。結局タクシーで帰ったわ。”
その話をしていると里江が現れた。
ついでに由美子が聞いた。
“こないだの関西弁の男の人とどうなったの?”
“ああ。ホテルに行ったわよ。”
私は大声なのに吃驚して、
“里江。もっと小さな声で話してよ!”
と注意して、
“でどうだった?”
と小声で話すと由美子も聞き耳を立てている。由美子もこの手の話を嫌いではないようだ。
注意されて里江も小声で話す。注意しないと周りに聞こえるようでもいっこうにかまわないのだ。
“それがね。下手なの。
自分だけいっちゃってさ。”“今度は口でしてって”“
言うもんだから、
“”私。用があるから帰るわね!!”“
って言ってそのまま健児の所へ行ったわよ。“
“健児さんって。あのベンツに乗ってるマンション住まいの人?”
“そう。私が満足できないときいつも利用している彼。”
“じゃあ何時に家に帰ったの?”
“送ってもらって家で寝たのは4時頃かな?やっぱし私は家でないと本格的には寝れないからね。”
里江は私達の事は何にも聞かない。いつも自分中心で、他人の事は興味ないようだ。ファッション以外は。
“あら。美千代。素敵なブラウスだけど。もうすこし黄色目の方が似合うわよ。”
早速突っ込んでくる。
喧嘩にならないように気を使った由美子が、
“じゃあ食事に行こうか?今日はフランス料理の店よ。”
店を選ぶのは由美子の役目だ。たまには美千代も選ぶし、里江も男から聞いた店に行ったりしていたが、由美子の選んだ店がいつも美味しくて由美子にお任せの事が多い。フランス料理店シャンゼリアに行くことにした。


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