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作品名:天才医師の殺人事件解決帳@ 作者:Hei George

第7回   スナック雛菊
“被害者は昼は会社に勤めて夜は水商売をしている。それは普通のOLのような服装と、派手な服装が洋服掛けにかけられていることやマッチやライターに雛菊という名前の入ったのがいくらか見られたことさらに本人は肺はきれいでタバコを吸わないのにタバコの箱がいくらか買い置きがあることなどから想像できる。まず雛菊というバーかスナックが大牟田市内にあるかを探り、そこに聞き込みに行ってくれ。それから犯人はかなり犯罪経験が熟達した人間、いわゆるプロかもしれない。ほとんど証拠を残していなくてかなり難事件になるかもしれないぞ。まず被害者をエーテルで麻酔し、非常に小さな注射針で鼠径部からおそらくカリウムをゆっくりと注射し心臓を停止させて殺し。合鍵を持っていて部屋から出て行ったと推測される。かなり巧妙な殺人事件だ。”
吉野は南関派出所に電話をかけて大牟田の雛菊という飲み屋を調べてもらった。
そして飲み屋街にあることを知ると早速行ってみようと云うことになった。
南は、
“じゃあ僕は病院に帰るからよかったら後で寄って報告してもらえればうれしいんだが?だが聞き込みには十分注意して行ったほうがいいよ。プロならうまく処理しているから本当のことは言わないかもしれないよ。”
“うん。分かった。聞き込みのことは報告するよ。”
と吉野が言うのを妨げて、美穂は、
“今までのご協力ありがとうございました。また解剖の結果は組織ができてから聞きに行きます。これからは私達にお任せください。今日報告には行けないと思います。吉野!あなたは私の捜査に協力してくれ。では早速出発するぞ。”
“南に頼れば寺解決が早いですよ。”
と吉野が言うのも聞かず吉野とともに大牟田へと聞き込みに出かけた。
荒尾市民病院から大牟田へは吉野の案内によって導かれた。市民病院から大牟田方面へは競馬場前を抜け、かなり広い道路を走った。右側にうどんやを見つけ急に美穂は空腹を覚えた。右折してうどん屋の駐車場に横付けした。
“腹が減っては戦ができぬからな。熊本県警の経費で払ってもらうから好きなものを食べろ。”
と言った。吉野は、
“うどん屋ですか?”
と思ったが声には出さずに、
“ごちそうになります。”
と答えた。美穂は、
“肉うどんといなりずしを。”
と頼み、吉野はきつねうどんとおにぎりを頼んだ。昼はとっくに過ぎていたのでお客はまばらであった。
“雛菊というとこで被害者が勤めていたとなると事件は案外簡単にかたずくかもしれないな?”
と美穂が小声で言うと、
“南は”“難事件になるかもしれないな”“と言っていましたよ。”
と答えると美穂は黙り込んだ。
注文したものはすぐに来て二人は黙って食事をした。二人ともすごい早業で食事をすると大牟田の飲み屋街へと向かった。
カーナビで見つけた雛菊の横に横づけしてパトカーを降りると通行人が物珍しそうにこっちを見ているのが分かる。
美穂が先頭に立ち地下にある<雛菊>の扉をノックした。
“まだ準備中です。”
なかから男の大きな声がしてきた。
“警察だ!聞きたいことがある!”
と言うと一瞬沈黙し不穏な様子が漂ったが、しばらくして、
“今開けます!”
という女の声がしてさらに1,2分たってドアが開いた。
なかには40過ぎの女性が一人立っていた。
“今男の声がしたけど?”
と美穂が言うと、
“さあ!聞き違いではありませんか?”
と言ってきた。美穂はすぐに、
“吉野!裏口を見つけて、男を探せ!
という間もなく吉野は裏口に向かって走って行った。
美穂は、
“これは正直には話してくれないな。”
と思った。
そしてゆっくりと、
“桜井美智子さんがお宅に勤めていますよね?”
と聞いた。するとその女性は、
“そんな人知りません。”
と答えた。本当に知らないようだったが、
“実は彼女殺されたんです。”
と言ったが変化はなく、
“そうですか、でもそんな女性は知りません。”
と言ったので、写真を見せた。さっきデジカメで撮った写真である。プリンターも車に乗せてあるのですぐに現像できている。
写真を見るとその女性ははっとしてしばらく考えていたが、
“木下洋子さんです。うちに勤めています。”
と認めた。美穂は、
“被害者の同僚の名をかたっていたのだな。”
と思ったがさらに突っ込もうとすると吉野が帰ってきて、
“男はどこにもいません。”
と言って帰ってきた。
“男はどこに行った。”
と聞いても、
“男なんていませんよ。私ひとりしかいませんでしたから。”
と言っている。
吉野が、
“嘘をつくとためにならんぞ!”
と言ってもほくそえんでいる。女は警官を小馬鹿にしているようだ。


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