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作品名:天才医師の殺人事件解決帳@ 作者:Hei George

第1回   坂井美穂警部補
坂井美穂は岐阜県出身である。しかし熊本に単身高校に受験してやってきたのは格闘技の先輩や先生たちの言う剣道3倍段を信じてのことだった。小学生の時から空手、柔道を習っていたが、中学の時から空手の道場のみになった。柔道は実戦的ではなかったからだ。何について実践的かというのは警官にとってである。美穂は物心がついたころから警察官特に刑事になるのが夢だった。悪者の殺人犯を捕まえる女性刑事にあこがれていた。そしてその夢をかなえるために柔道と空手を近所の道場に通って習っていた。小学生の時どちらも2段となり岐阜県下の小学生の女性では負けるものがいなかった。しかし多くの格闘技の先輩たちが、
“柔道や空手は剣を持った剣道にはかなわないよ。実践的には剣道3倍段と言って柔道や空手の3倍に当たる強さだからね。”
と言われて中学の部活は剣道を始めた。考え方が実践の戦うための剣道だったので、中学3年では岐阜県下の女性では群を抜いて1番強く、男子にも岐阜県下上位数人と戦って5分5分くらいで負けないくらいの伸び具合であった。剣道が終わっても空手道場には通い、空手も3段になっていた。中学生の3段は珍しい。美穂は高校では日本一強いくらいではないといけないと思い熊本県にやってきた。熊本は阿蘇高校、尚絅高校など日本一になった剣道部が多い。阿蘇高校を選ぼうと思ったが、阿蘇は田舎だと言われ、できれば岐阜市くらいの都会が学力も刺激も保たれると思い、尚絅高校を選んだ。警察学校の試験に通らなければもともこもないからだ。目的は警官になることで剣道日本一になることではない。学業には自信があった。物覚えはいい方である。しかし警官になるためには特に刑事になって殺人事件を解決するためには体力と強さが1番であると美穂は思っていた。高校2年の時尚絅高校は全国大会で優勝した。しかし3年のキャプテンの時は阿蘇高校が優勝した。個人戦でも全国で2年生の時2位と、3年で3位だった。阿蘇高校の大貫という同級生の最大ライバルがいて大貫には勝てなかった。3年の時は八代の白百合学園の中村が1年生で天才的に強かった。それで3位になった。しかし美穂は剣道はあくまで手段で警察学校に合格することが大事だった。日本一になるのが目的だったらやり方を変えていただろう。美穂は本をよく読んだ。毒物、爆弾、推理小説。推理小説では特に宮部みゆきが好きだった。高校の時は推理小説を読み刑事には推理力が1番大事なのではないかと思い始めていた。そして、無事熊本県警の試験に通り、警察学校に入学した。驚いたことに大貫も警察官(B)の試験に合格していた。そう言えば高校2年で剣道の優勝戦で戦って負けた後、優勝した大貫が、
“あなた卒業してどうするの?”
と聞いた時迷いなく、
“私は警察官になるつもり。”
と言ったことがあった。大貫はしばらく何かを考えていたようだったがまさか彼女も警察の試験に合格して警察学校に入学するとは思ってもみなかった。大貫は、剣道はずば抜けて強いが一般常識が無かった。警察学校に入学した後で聞いた話だが、あれから相当勉強したようだ。しかし警察学校では美穂は優等生。大貫美佐江は最劣等生だった。勿論剣道を除いて。美穂は美佐江が警察学校の勉強のことに関してかなり助けてやった。
“無理して警察官にならなくてもどこかの企業に這入って剣道で身を立てればよかったのに。”
と美穂は思っていたが警察学校はどうにか卒業し1年半後阿蘇の交番に赴任して行った。地元に帰れて大喜びだった。休みの日には阿蘇高校で後輩の指導をしているなど、美佐江からのメールは週に3回以上はあった。美穂は優秀な成績で警察学校を卒業し、熊本県警の捜査第一課に念願どうり入ることができた。それから数々の業績を上げた。暴力団の殺人にもひるみなく飛び込んで行った。巡査から始まった警察業務は昇任試験を受けると上に行ける。美穂は自分が主体的に殺人事件を受け持ちたかった。人に命令されて事件を解決したりするのは美穂の本意ではなかった。大体上の方からの命令でなんとなく解決していく事件を何例もこなしながら美穂は確実に成長していった。巡査長から巡査部長、警部補に昇進した時はさすがにうれしかった。しかし美穂はもう30歳になっていた。美穂ははっきり言って男性に興味が無かった。しかし一般的に美人で筋肉質だがスレンダーな美穂は彼女の性質を知らない部署にはよくもてた。よく知っていたり警察学校の同期の中では男勝りで強くたくましいのでかなり敬遠される。警部補になってはじめて南関町に殺人か自殺か事故かはっきりしないがとにかく坂井美穂にまかしてみようと県警の上からの指令で若い女性22歳の死亡例が捜査一課に舞い込んできた。


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