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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第56回   プロダクションの秘密の寮
翌朝、時間局での仕事を済まし映画の撮影に行くと入口のとこで男二人が待っていて、
“戸田優喜さんですね。私は下村プロダクションの社長の下村秀人と言います。こちらは副社長の真田成広です。”
優喜は、芸能界で1番大きいと思われるプロダクションの社長が玄関先で待っていたので驚いた。
“監督に了解をとっていますのでちょっと付き合ってもらえませんか?北川小百合に関する非常に重大な話があるのです。”
そして映画撮影所とは思えない豪華な部屋に通された。そこには小百合がいた。目の周りが真っ赤になっていて昨日1日中泣き腫らしているのがわかった。
優喜は心が痛んだ。
“実はみんなは知らないんですが、昨日朝から
”“戸田さんがいないと私は生きられない。気が狂ってしまいそうだ。”“
と言うんです。私どもは昨日は緊急に小百合を休ませて様子を見たんですが、ずっと泣きっぱなしでどうしようもなく。優喜さんはご存じだと思いますが父親のこともあり、精神病を引き起こしてはいけないと思い、戸田さんにお願いがあるのです。小百合はこのようなことは1度もなくどんなことがあってもちゃんと演技をする強い子だと思っていたんですが、このようなことになると私どものお願いは、戸田さんと小百合を結婚させて私どもの会社の新婚用の寮で過ごしていただきたいと思い、副社長とともにお願いに上がったわけです。いや絶対に聞いてもらわないと困ります。幸い我々の会社は芸能人のため絶対に秘密のばれない寮があります。一度部屋を見に来てください。今日は3時まで小百合とともに居ていいように亀鳥監督には許可をもらってますから。まあ許可なんてもらえなくてもどんな映画監督も私の言うことは聞かざるを得ないんですが、亀鳥君は快く引き受けてくれたんです。“
優喜は下村社長の権力の大きさにたじろいた。しかし小百合と結婚できるのは優喜にとってもありがたい。願ったりかなったりのことである。しかし優喜には時間局と記憶科学研究所の仕事がある。
“実は私は非常に大事な国際的な仕事をしてまして、ある程度自由に行動できないと困るんです。”
と言うと、
“私はあなたのことを調べて十分知っています。副社長にも知らせていません。私クラスになると国家機密もかなりの割合で知っているのです。あなたの時間局での仕事も、もう一つあなたが社長をしている会社も存じています。あなたの脳監査のレベルもわかってますのでそれを承知でお願いしているのです。あなただけには自由に寮を抜け出る権利を与えますし、本当に1日にちょっとの間でもいいんです。小百合と暮らす毎日を送ってください。私が言うのもなんですが小百合は最高の女性です。わが社でもこんなにいい女優はあまり見かけたことがありません。”
“分かりました。自由に行動できるのなら私も小百合さんは大好きですし、何にも異存はありません。”
“良かった!じゃあ後は頼むよ。私は忙しいんだ。アメリカに行きその後イタリアに今日中に行かねばならないからね。副社長頼んだよ。”
と言ってさっさと出て行った。小百合がうれしそうに優喜の横にやってきた。
副社長の真田は、
“じゃあ早速、わが社の寮に案内します。このことは私と社長だけの秘密ですからそのつもりでお願いしますよ。マネージャーにも全く知らせていませんから。実際に秘密の寮があるのは当人達と、社長と私しか知らないことです。こういう仕事をしていると裏社会とも交渉があり、秘密をばらすとそのような人のお世話になることもあるので、心に留めておいてください。戸田さんのような方は秘密厳守なさると知っていますが、もしものことがあるとそのようなこともありますので秘密厳守をお願いしますよ。”
そう言って自動運転のベンツ社の豪華なエアーカーに乗り込むと下村プロダクションのビルに着いた。優喜は高価なベンツ社のエアーカーに乗るの初めてで、内部を観察していた。そこであっという間に着いたような気がした。映画の撮影所より立派なビルであった。エアーカーの駐車場から表玄関に入ると人物登録装置があった。
“ここには4種の人物登録装置があります。最重要人物が金色、重要人物が銀色、普通の人が銅色、さらに掃除や作業員などの人たちが青色です。私と小百合は金色ですが戸田さんは特別な色を用意します。金色の装置に入りカードを当てるとその部屋が開いて奥に新たな部屋が出てきた。そこは金色と黒が混じった場所だった。このカードは社長のを借りてきたものです。私は入れませんが戸田さんはいってください。その装置で認識されると、下村プロダクションのあらゆる部屋に入ることができます。社長室にも入れます。”
金と黒の部屋に入ると赤、青、黄、オレンジの光線が自分の体を照射した。金色の部屋から声がして、
“もう出てください。登録の準備は終わりました。”
金色の部屋には真田が待っていて、
“小百合さんも以前より金色の部屋に入って登録してあります。でも今から行くとこは小百合さんも初めてのとこです。ついてきてください。”
と二人を連れて地下3階でエレベータを降りた。行き止まりの壁をまっすぐ進むと自然に廊下が現れた。地下通路だ。
“この道は金色以上でないと通れません。小百合さんは金色ですがこの廊下は存在自体知らなかったでしょう。”
“はい。知りませんでした。”
そしてまた壁があり。
“ここは小百合さんには1回登録してもらいます。戸田さんは自由に行けます。壁の左の登録装置に小百合が入るとミドリの光線が照射された。そして小百合が出てきた後、3人が壁に立つと自動的に壁が開きまた数十メーターの地下通路があった。
“ここから先に共同の娯楽室があります。結婚した人達が自由に暮らす遊び場です。いろんな設備がそろっているので楽しいですよ。”
さらに、
“それからくどいようですがこの中のことは一切秘密厳守です。小百合さんもいいですね。”
ともう一度念を押した。
そう言って通路の先に立つと扉が開き大きなホールがあった。そこで談話している女性3人と男性2人を見て優喜は驚いた。


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