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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第54回   記憶科学研究所の引越し
それから1週間が過ぎた。毎日映画撮影の仕事の後、優喜は小百合と会い続けた。やっと普通に会話できるようになってきたが、会える時間は1時間未満である。小百合のマネージャーが小百合の健康管理、仕事の管理などからそれ以上の時間はどうしても許してはくれなかった。
明日は新しい記憶科学研究所の建築物が完成し、優喜はどうしても映画撮影に出ることができないことをあらかじめ亀鳥監督に言っていた。小百合はさびしがっているが仕方がない。いつものようにマネージャーから呼ばれて、行く前に部屋の中で、
“じゃあ。明日会えない代わりにキスをして!”
と言われた。小百合にしてはすごい勇気を振り絞って頼んできた。明後日の約束はやはり仕事が終わってから会えることになっている。優喜はドキドキして打っ倒れそうになったが、
“それでは今日は、おやすみなさい。”
と言って小百合の唇に軽く唇を合わせた。
胸のドキドキがひどくなりふらふらしたが、そのまま先に部屋を出て、カッコよくエアーカーに乗ってワープをして自宅まで帰った。優喜にとってはどうやって帰ってきたかはっきり覚えてない程度であった。優喜にとって天にも昇る気持であったようだ。
明日は記憶科学研究所の引越しだが、朝からはいつものように時間局に出勤しなければならない。優喜はどうしても時間局は辞めたくはなかった。金銭的にはもう大金持ちなので時間局では働く必要はなかったが、タイムマシンマネージャーの仕事をとても好きであった。山口所長からも
“辞めないでくれたまえ!”
と言われ続けているし、タイムトラベルする人の脳監査をするたびに自分の脳が進化していくような気がしていくのだ。そしてなぜ精神異常者が過去に行くことによって正常な人になっていくのかを優喜なりに答えを見つけたかった。
その夜、エアーベッドで死んだように眠った。早朝、引越しの準備でもう全員が忙しく働いている元の記憶科学研究所によってそれからいつものように時間局に向かった。時間局で仕事を終え、係長に報告を済ませて新しい記憶科学研究所行こうとした。係長は珍しく、
“今日は記憶科学研究所の引越しの日だね。映画の撮影も来週で終わるそうだから、一段落つくね。”
とやさしく送り出してくれた。
エアーカーで30階の自分の駐車スペースに車を止める。30階には誰もいない。個人駐車場は社長と副社長だけしか持たない。下のほうはすごくにぎやかに引越しをしている。優喜は誰もいない30階を見てみることにした。駐車場を抜けると映像のライオンが出てきた。
“そういえば山田さんは社長にふさわしいキャラクターを私に付けると言っていたな。”
と思いだした。
“社長。私はこの研究所のすべてを紹介するようにプログラムされた像ですが、何をいたしましょうか?”
優喜は
“この階つまり自分の部屋を詳しく案内してくれるよう。”
に思った。そうすると、思っただけで、
“かしこまりましたこの階の案内ですね。”
と言ってきて、個人用の駐車場を抜けると、そこは広い空間のスペースがあった。
“ここが社長の居間でございます。あらゆるものが、コンピューターで呼び出せます。”
“ここは何坪あるのかね?”
と聞くと、
“30坪でございます。”
と言った。ちょうどトイレに行きたかったので、
“小便がしたい。”
と思うと個室が出てきた。ライオンの像も消えている。きれいな便器が出てきて排尿して、ズボンのチャックを上げるとすべて消えて広い空間になった。
“ちょっとコーヒーを飲んでからほかの部屋を見ようかな?”
と思うと豪華なテーブルにふかふかの椅子の前にコーヒーが置かれていた。優喜の飲みたいブルーマウンテインのコーヒーだった。
“音楽を聞きたいな。チャイコフスキーの悲創がいいな。”
と思うと部屋いっぱい優喜がちょうどいいと思う音量で音楽が流れてきた。
居間は両面を景色が見えるように設計してあった。そしてコーヒーを飲む場所は景色を見る場所両面に対していたので優喜は30階建ての景色を十分に味わった。悲創の曲を1曲聞き終わり、
“次の部屋に行こう。”
と思うとすべての道具が消えてまた広い空間となった。ライオンの像の後についていくと白い壁がすっと開き、
“ここが29階のすべてが映像で見える部屋です。”
と言ってきた。13,14,15階は駐車場であり、各階ともいろんな引越しの荷物を搬入していた。タイムマシンや高度な機械類は物質還元装置では出せないのだ。この部屋から記憶科学研究所のすべての部屋が見ることができた。29階には山田、相沢が各々の部屋で作業をしていた。相沢は技術者2人とタイムマシンの調整をしていた。
“そうか。相沢さんの部屋にはタイムマシンがあるのだ。暇ができたら、副社長室から相沢さんに時間旅行に連れて行ってもらおう。”
と考えてうれしく思った。
隣の部屋は外部の映像が見える部屋だった。時間局の研究室、時間局局長との連絡画像、WPCとの連絡画像など世界中の画像が拾える場所であった。
次の部屋がすごかった。


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