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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第51回   女優北川小百合
歌と踊りのシーンは人気歌手や人気のあるダンサーは実際には歌や踊りなしである。歌手やダンサーはスケジュールが密に詰まっていて各々別々に収録する。そこで監督が説明して演技に入る。
“グループ楓の踊って歌うシーンだ。4人とも熱心に見ている演技をしてくれ。そして悟空のセリフ。”
もう竜宮城に来て大分経過した後のシーンだ。
“この魚たち5匹の歌と踊りは特別見事だね。すごくうっとりするよ。”
“女の子ばっかりだからでしょ。私は美青年のグループの歌舞伎小僧がよかったわ。”
ジュンコは答える。
“あら!大部仲良くなったかと思っていたらまた仲違い。でも、乙姫様中心に美男美女の魚たちばっかりで私もうっとりしているわ。”
ジュンコの姉役のユウコのセリフだ。
そうやって午前中に歌と踊りのシーンはすべて取り終わって、昼食になった。
ミドリすなわち香山美香が、
“久しぶりに4人で食事しない。私の部屋に来ない。手作りの弁当は持ってきてもらうから。”
紀子は、
“御免!私予定があるの。急に言われても無理よ。少なくとも1日前に言って!もっとも明日も駄目だけど。”
と言って去って行った。
“戸田さんはいいの?”
と聞かれたので、優喜は、
“僕は何にも予定がないから一緒に弁当を食べよう。”
と言い、美香、かおると美香の控室に行った。
美香の控室は花束とぬいぐるみ、いろんな高価な置物、高価そうな皿、ティーセットなどが所狭しと飾ってあった。
“すごいね。これどうしたの?”
と聞くと、
“殆どプレゼントやお礼なの。お礼と言うのは私の料理を食べてもらった人からなの。私こんなにもてたのは生れてはじめてよ。”
かおるが、
“だって美香の料理はおいしいんですもの。無理はないわよ。”
と言うと、美香は、
”でも、かおるは料理もしないのにプレゼントいっぱいあるじゃない。戸田さん!かおるも自分の控室には結構プレゼントがあるのよ。“
“私、女優になるって決心してとてもよかったわ。監督からも”“主役級ではないけど、結構映画やテレビのオファーが来ているよ。”“って言われて今マネージャーを選んでもらってるとこよ。亀鳥監督も桜川監督のプロダクションから独立して弟を社長として新しいプロダクションを立ち上げたばかりなの。この作品が前のプロダクションの最後の作品となるそうよ。私たち3人も亀鳥プロダクションのはじめての女優なのよ。紀子さんはマネージャーも決まって、次のテレビ放送が決まっているのよ。それも主役で相当の契約料が入ってきたそうよ。”
美香の部屋でお茶と弁当を用意している人を指して、
“この娘が、私のマネージャーよ。横田幸さん。今日決まったの。弁当は全部手作りよ。コンピューターが作ったのではないからおいしいわよ。私は料理のドラマの主人公の料理人から料理を習うアシスタント役に選ばれたの。主人公は西沢慶三郎の奥さんの西沢しのぶ。とてもきれいな人よ。”
“僕はしのぶさんに会ったことがあるんだ。本当にきれいな人だね。”
そうするとかおるが、
“優喜さん。気が付いてないの?西沢しのぶさんによく似た人に会ってるはずよ!”
そう言われて優喜は気がついた。
“乙姫様だ。”
“そう乙姫役が北川小百合さん。北川は西沢しのぶさんの旧姓よ。”
“そういえば女優の中でも特別にきれいだと思っていた。”
優喜は心の中でそう思った。かおると美香も、
“北川さんてきれいよね。それで全然奢ったとこがないのが素晴らしいわ。”
“そうよね!”
と言ってお互いに同意した。
そうすると美香のそばにいたマネージャーが、
“お父さんの小説家の西沢慶三郎が、精神的に問題があっていろいろ苦労したから相当立派な人間になったそうよ。”
と答えた。優喜は何にも言わなかった。詳しいことは知られていなくても結構個人情報は漏れているようだ。
食事が終わりコーヒーを飲んでいるころコンピューターが、
“美香様。お客様が来ていますが開けていいですか?”
と言ってきたので、
”誰?“
と聞くと、
“北川様一行です。”
と言うので美香は、
“戸田さん。さっき話していた乙姫様よ。紹介するわね。”
“コンピューター。お通しして!”
と言うと、なんと北川小百合に西沢しのぶが一緒だった。“
“あら!皆さんご一緒ですか?美香さん。うちの母です。ドラマでご一緒する前にちょっと会いたいというので連れてきました。”
“まあ!そんな大女優に来てもらって。当日私から挨拶に行くはずだったのに。”
“いや!母は、実はものすごく人見知りをするんです。監督をはじめ知った人ばかりがドラマのメンバーなんですが、香山美香さんだけにはあったことがないので母が”“事前に会いたい”“と言っていたので、ちょうどよい機会なので連れてきました。”
“香山さんよろしくお願いします。”
“いえ。私こそよろしくお願いします。”
優喜がおそるおそる、
“西沢さん。私を覚えていらっしゃいますか?”
と聞くと、ちょっと首をかしげていたが、
“あら戸田さん。どうしてここにいらっしゃるのですか?”
と聞いてきた。
それには娘が答えた。
“戸田優喜さんは、カメハメ派ゲーム{海での戦い}の主人公よ。監督から秘密厳守と言われているからママも黙っていてね。でもどうしてママは戸田さんを知ってるの?”
優喜は監督が秘密厳守を皆に言ってくれているので安心した。優喜は、
“私の仕事でお会いしたことがあるのです。”
と言った。皆、優喜のことには監督から相当言われているらしくそれ以上は聞かなかった。西沢しのぶも、
“パパのことでお世話になっているの。”
と一言言った。それで小百合の態度が今までとすっかり変わった。目を見ると優喜に対する感謝の目つきが充分伝わってきた。すごい眼力だ。優喜の頭の芯に愛情という爆弾を注入するに足る眼力だった。こんなに目に力のある女性には会ったことがなかった。一瞬にして優喜は北川小百合の虜になった。


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