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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第38回   WPC(World Peace Community)
記憶科学研究所に着くと山田副社長が飛んできた。
“社長!WPC(World Peace Community)の方たちが来られています。”
WPCは世界の平和を目指して作られた国際機関で、真の国際平和と全世界生命体の安全を考えた組織で、世界の核廃絶、平和に貢献している。28世紀は、核兵器は完全に廃絶されていた。核の原子力発電での平和利用以外は使われなくなっている。原子力発電も最小限にしようという考えが進んでいる。その中心的な役割はWPCが進めてきた。アメリカ、中国、ロシアは分裂していくつかの国に分かれた。その時WPCの働きで核は廃絶された。ドイツとフランスは経済問題から戦争をはじめその時WPCの圧力でフランスは核を廃絶した。戦後、両国とも疲弊し没落してしまった。他の国はそれを教訓に戦争の愚かさを知り国際間の戦争はなくなった。朝鮮も21世紀の中ごろに北朝鮮から李朝民と言う民主主義を唱える人が出て、南北を統一し朝鮮連合が成立した。そして李朝民により核は廃絶された。その他の核保有国もWPCの呼びかけで核の廃絶が実行された。23世紀には、名ばかりになっていた国際連合が完全に世界平和機構(WPC)置き換わってしまった。24世紀以降の世界主要国は日本、イギリス、南アフリカ、スペイン、イタリア、ブラジル、スウェーデンの7カ国であり、お互いの国のWPCには、それぞれの3カ国の代表が管理者として各主要国に配置され、勤務している。その人たちは脳監査で公共の利益を常に考える人であり、それはSA(Super A class)という評価の人ばかりである。日本にはスウェーデン、南アフリカ、イタリアの代表が務めているが、その3人が、ここに来ていた。3人は近づいてきて、
“こんにちは戸田さんラルソンと言います。スウェーデンから派遣されています。”
”ヤックです。南アフリカ出身です。“
“イタリアのカルロです。よろしく。”
と流暢な日本語で話しかけてきた。
3人と握手をしていたら山田が、
“社長。狭いですが社長室がありますのでそちらにどうぞ。”
4人を案内して、さらに
”コーヒーをお入れしますね。“
と言うと、我々は忙しいので用件が済むとすぐ帰ります。今するべきことがたくさんありますが、この要件が最重要なのでここに来ました。“
山田が出ていこうとすると、
”山田さんもいてください。この会社は実質的には山田さんが動かしているし、これからもそうなると思いますので一緒に聞いてください。皆さんよろしいでしょう。“
”失礼ながら山田さんも脳監査のデーターを見せてもらいました。我々は、誰でもレベル5まで調べる資格があるのです。山田さんはA class の公共利益性を持っています。もちろん時間局にはA 以下はいないはずですが、時には公共利益性が失われることになる時があるので時間局の人は1か月に1回脳監査を受けることが義務づけられているのですよ。戸田さんはまだ入って1カ月ないので就職時の脳監査しかしていませんが、super Aに近いA でした。もしかしたら、この仕事についているのでもう、super A になっているかも知れませんね。そうするとWPCの代表メンバーにも入れますよ。A 以上の公共利益性のある人物なら我々の話を聞いても大丈夫です。“
ヤックが言った。
“では私から話しましょう。まずイギリスのSISから記憶科学研究所に30万ポンド振り込みがありましたね。”
山田が、
“すみません。それは、社長はまだ知らないんです。社長に話す時間がなかったものですから。実は社長イギリスのジャニスと言う人から30万ポンド振り込みがありまして社長の仕事に対する報酬と言うのです。ジャニスと言う人はSISの人なんですか?今初めて知りました。詳しいことは社長に聞くといいよと言う連絡があったっきりで、何も分からないまま30万ポンドが降りこまれて、途方に暮れていたとこだったんです。山口局長に連絡してもそれは受け取っていいといわれるばかりで………………………”
”受け取って下さい。ちょっと話はできないですが……………………………”
山田は戸惑った顔をしたが、ヤックは、
”実は、そのことなんですよ。今、WPCはイギリスのSISに先走って頼んだことを、注意をしているんです。この仕事はWPCと記憶科学研究所の両方で検討したのちするような仕事にしたいということです。“
山田は何のことか分からずきょとんとしていた。ラルソンが詳しく話した。
“まず、戸田さんはイギリスのSISに行き、ある要人の記憶を消してくれるように頼まれたんです。イギリスの政府からの頼みだったので日本も断りきれなくて首相の独断で、時間局所長から戸田さんに依頼がきて、ある要人のある記憶を消すことに成功したのです。しかし我々はこの仕事が一般的に行われると大変なことになると思いますが、世界中の政府が各々のスパイ組織を使って、このことを知ってしまったので日本の首相に依頼が来て日本の政府は、今パニックに陥っているところです。そこで我々WPCは協議をして、本当に必要のある記憶だけを消すことを認めることにしたのです。そこで提案なんですが、その仕事をこの記憶科学研究所にやってもらえないかと言うことです。”
山田は突然の申し出に呆然としている。今でさえ忙しいのにこれ以上忙しくなったら大変だ。カルロが続ける。
“人員は日本のタイムパトロールや時間を取り扱える部門の警察、イギリスSISの特殊任務機関、南アフリカの政府特別秘密機関のメンバーから選びます。他の国ではタイムマシンの存在さえ知らないので記憶を消す情報は入っているが詳しいことは何にも知らないと思います。デマ情報かもしれないと思いながらも、依頼が世界中から日本国の政府に来ています。もし記憶が消せれば都合のいいことや、全世界の平和にとってもしくは全世界の生命にとって大事なことがWPCのメンバーに諮って認められれば実行をこの記憶科学研究所にしてもらいたいと思うのです。人員をWPCからさっき言った人員の中で優秀な人を選んで派遣しますから、記憶科学研究所の職員として雇ってもらいここで実行してもらいたいのです。報酬は1件30万ポンド、日本円にして4500万円に決めましょう。”
山田はそれを聞いて、
“社長ぜひやりましょう。記憶を消す方法は法律で決まれば実行するのが難しくなり、売れなくなる可能性が高いと思っていたのです。しかし記憶を消す方法をWPC公認で、わが社で独占できるのならかなり長い期間会社が存続できると思います。今雇っている人たちは全員事務で使い、実行部隊の人を支えてもらうようにしていけると思います。今のところはかなり乱雑に売っていますが、そのうちきちっとなるでしょう。今の人達の公共倫理性はすべて脳監査でA以上の人ばかりとっていますから。内部からも売り方にいろいろ提案があっているようです。”
優喜は、
“解りました。ではその仕事も引き受けさせてください。”
”実行部隊の隊長は、戸田さんの知っている相沢さんに頼んでいます。彼はあの戸田さんと記憶を消しに行った後、大忙しで30人以上の記憶を消しに動いていますから。高給で雇ってください。“
ラルソンが言った。
“彼も副社長にして月800万の給料ではいかがでしょうか?”
“それは戸田さんにお任せします。しかし800万なら我々の10倍の給料ですね。WPCの代表は金銭とは関係なく名誉なことですが、記憶科学研究所がうらやましいですよ。”
”カルロ!イタリア人はお金には正直すぎる発言が多くて困るよ。我々の仕事は金銭より公共性だからね。“
ラルソンが言った。ヤックは笑っている。3人ともとても仲がよさそうに思えた。
山田が、
“WPCの方が人いらっしゃるので、丁度いいと思いますが、我々のビルを建てようと計画してます。戸田さんの許可さえ出れば、3洋工建設に依頼しようと思っているのですが、土地はここから300メーター離れた旧財務局跡地ですが、約1000坪あります。高価すぎて売れなかったんですが、我々の利益がもう1兆円を超えているので、300億の土地代と500億の建設費は出せると思うんです…………………...。”
“税金は大丈夫ですか?”
“記憶科学研究所は公益法人なので税金は安く済むのです。山口局長の計らいです。”
”金銭的に余裕があるのならいいでしょう。WPCの方もよろしいですか?“
“私たちは内部の事情には干渉しません。実行部隊の部屋やWPC代表以外は3カ国以外の国へ伝わるのが秘密になっているので、大きな声ではいえませんが、タイムマシンの最高レベルを置く部屋を確保していただくことを希望します。”
ヤックが言うと、
”我々の国にもタイムマシンを置いてタイムパトロールを設置したいのですが3カ国が了承しないので交渉中なんですよ。“
ラルソンが言うと、
”そうです。日本は高度に時間制御が進化しているのに秘密が多すぎますよ。もっと技術を公に、少なくとも主要7カ国に広めてもらいたいですね。“
山田が、
“タイムマシンの秘密保持は、それは上からの命令なのでしょうがないんですよ。20、21世紀にアメリカにいいように利用されていた日本の教訓ですよ。いずれにしても公共の利益性、生命の重要性は守り続けていますから、決して歴史も変えないようにしていますから。”
時間局に長く勤務している山田らしい答えだった。
”まあそれを信用してここで文句を言っても仕方がないので帰りましょう。まだ仕事がいっぱい、待っていますよ。“
タイムマシンを使用できる国であるヤックが促して帰って行った。
優喜はその後山田副社長と詳しい打ち合わせをした。
“研究施設のスペースも考えてください。”
と言うと
“当然考えてあります。山口所長から嬉しそうに、”“3人雇っていいと戸田君が言っていたそうだから頼むね。”“と電話がありました。山口所長でさえ、戸田社長にかなり気を使っているようですよ。山口所長が気を使う人物を始めて見ました。”
その時相沢から電話があり、
”戸田さん。高給で副社長に雇ってもらってありがとう。ちょっと時間ができたので電話したけど、今から3人ほど記憶を消しに行かねばならないから又ね!“
“あー、相沢さん。これからよろしくお願いします。”
“いやー、こちらこそ。では又!”
今日中に3人の記憶を消しに行くのかと、1手に記憶を消す仕事をすることになる記憶科学研究所の将来の忙しさを予測して優喜は身震いを起こした。


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