イギリスではSISがタイムパトロールをしているそうだ。実はタイムマシンは政府としては、世界で3国しか使われていない。日本とイギリスと南アフリカだ。日本では25世紀後半に天才物理学者白浜陽一が光より速く動く概念を確立しそれは日本語で発表されたため、日本語だけで秘密に研究され時間局ができ、時間の管理をするようになった。そして時間局のタイムマシン部門は完全秘密主義で、時間を移動することは日本以外ではほとんど知られていなかった。26世紀になってイギリスのSISのスパイが時間局をスパイし、イギリスと日本の交渉により時間を移動する方法を秘密裏にイギリスに伝えられた。南アフリカでは26世紀に天才数学者が時間を飛び越える方法を見つけ、機械工学の大学教授と共同でタイムマシンを作成したが、イギリスのSISと日本のタイムパトロールの働きかけで日本からの技術を伝えることで秘密を守ってもらっている。優喜もTMになって大分経つので、秘密厳守には忠実である。今回も必要以上に日本の技術をイギリスに教えないようにとくぎを刺されている。イギリスでは時間の位相は1.1レベルしか伝えていない。 “そこの位相で行動するように” と山口所長からもこそっと言われた。 イギリスのSIS本部は日本に比べると古めかしい感じだ。この世紀は日本、イギリス、南アフリカが最も先進的に発展した。アメリカは21世紀になって民主党のオバマ大統領で持ち直したが、次の共和党の黒人大統領のピリカ大統領が暗殺され、人種間の対立と、共和党と民主党の対立が激化し、武力をもって争いがおこり、4つの州に分裂し今も抗争が続いている。ロシアも中国も民族間の争いが激化しいくつかの国に分裂し、やはり安定せず抗争が続いていずれも国力が落ちてしまった。その中でめまぐるしく発達したのは日本である。憲法9条の不戦の平和憲法が日本を争いから遠ざけ、科学と文化が飛躍的に発展したのだ。ただ国際語は英語のままだ。国際人として生きるには英語は必須である。 ”僕の研究がうまくいけば英語の能力を移すことができるから、英語も簡単に身をつけることができるぞ。そうしたらイギリスにも旅行してまたロンドンにも来てみよう。“ テムズ川を眺めてそう思った優喜であった。 11階のエアーカー駐車位置で車を降り、優喜に “ちょっと待っていてください。” と言うと、スチュワートは光線にスキャンされて中にはいりやがて胸につけるバッジを持ってきた。 ”これは特別招待者用のバッジです。これをつけるとすべての部屋に入れます。私の後についてきてください。“ バッジを付けた優喜はスチュワートの後に続く、スチュワートは部門ごとにスキャンをかけられていたが、バッジのおかげなのか優喜は何もなくて移動できる。 “CHIEF ROOM” と看板が掛けてある部屋で、 “Stewart arrived.” と言うと、中から “Come.“ と言われて、 中に入っていくと白髪の目の真っ青な背の高い男が、 “Nice to meet you Mr.Toda. My name is Jannis.” あまりにも早口なので、優喜がきょとんとしていると、 スチュワートが、 “ジャニス所長です。ようこそいらっしゃいました。戸田さん。私はジャニスと言いますとおっしゃったのです。” “こんにちは。初めまして。戸田優喜と言います。早速ですが、御用はフランスの大統領の記憶を消すことですか?” スチュワートが訳す。 “Nice to meet you. My name is Yuki Toda. It is immediately, and, Do your purpose erase the memory of President of France.” ジャニスはちょっとびっくりしたように見えたが、周りを伺って、 “This is secret, but………………………………………………….” それらのすべてをスチュワートが訳してくれた。概要は、 “フランスの大統領がイギリスにとっても不利益な秘密をつかんだこと、大統領を傷つけないようにその記憶だけを消す必要があること。その秘密の記憶部位はスチュワートがマッピングで詳しく調べているのでスチュワートのマッピングに従ってもらいたいこと、実はフランスは19世紀から大泥棒がいてその連中はどこからか盗んできたタイムマシンを利用して泥棒をしているが、28世紀までのフランス政府はまだその実情は把握してなくて、今でもタイムマシンが存在することは分かってないこと、その泥棒たちに出くわした時のために0017及び0051の殺人許可を持ったボディーガードにもついていってもらうことにしている。” と言うことだった。 0017と0051の二人を紹介された。190 cm の大きさでがっちりとしていかにも強そうな二人だった。非常に頼りがいがあったが、 “よろしくお願いします。” と優喜が言っても無表情だった。スチュワートが話しかけても無表情である。スチュワートは、 “彼等は仕事柄、無愛想ですが、仕事はきっちりしてくれるので安心してください。” と言った。大型のタイムマシンを積んだエアーバスに乗り込んで4人と運転手でフランスへと向かった。フランスの首都はいろいろな出来事があって、今ではツールーズになっている。ツールーズまでエアーバスに乗り、フランス大統領の屋敷の近くでタイムマシンを作動した。優喜、スチュワート、0017、0051の4人はタイムマシン用の服に着替えてタイムマシンに乗り込んだ。日本のタイムマシンと比較すると非常に機械臭かった。むっとする機械臭に包まれて昨日の夜に到着した。大統領は眠っている。位相が1.1なので非常警報や侵入者の警報装置からも逃れられる。フランスの泥棒たちもどうやって手に入れたか分からないが位相のずれたタイムマシンを利用して泥棒するために怪盗ルパンの伝説も生まれたようだ。大統領の寝室に入って行ったが幸い泥棒たちには出くわさなかった。大統領のそばに行き、軽い催眠光線で深く眠らせた跡、低周波装置をセッティングした。スチュワートがマッピングをした部位に低周波を当てる。2人が作業中、0017と0051は警戒をしている。 優喜の作業が終わった。その時突然その場所に2人の泥棒が現れた。 0017が気がついて、すぐにレーザー光線を打つ。2人とも気絶してしまった。 “死んだんですか?” 優喜がそっと聞くと、 “死んではいません。1時間くらい気絶しているだけです。SIS本部に連れて行って取調べをします。日本のタイムパトロールにも報告します。2人もとらえることができるなんて今日はすごい収穫ですよ。戸田さんといるとすごく運がいいようです。エアーバスもフランスの警察に1回も止められなかったからですね。” とうれしそうに小さな声で話した。0017と0051は軽々と泥棒たちを運んでエアーバスの位置まで連れて行った。運転手が操作してタイムマシンで4人が来た当時の時系に6人が戻り、エアーバスでイギリスのロンドンまで帰って行った。2人の泥棒を捕まえて帰ったことにジャニスは大喜びだった。 スチュワートの訳で、 “泥棒たちを調べて、どうして19世紀にタイムマシンが持ち込まれたか?脳監査装置で調べたら今までの19世紀にタイムマシンが持ち込まれフランスに泥棒が暗躍したかと言う不思議な謎が解ける。” ということだった。わずか3時間で役目が終わりスチュワートに小型のエアーカーで送ってもらった。これで日本の様々な用事ができると優喜は張り切って送ってもらった。 SISを出発するとき、Janisは “今度はぜひ遊びに来てください。この二人も大手柄を上げたので優喜さんのおかげの大手柄なので0ナンバーが上がることが確定し喜んでいるようです。0ナンバーは少ないほど身分が高いのですから。遊びの時もきっちりボデーガードするようですよ。” と笑って言い。無表情の2人も無表情で握手をした。 帰りのエアーカーで、 “あの二人があんなにうれしそうだったのは珍しいですよ。” とスチュワートに言われても優喜は無表情のままとしか思えなかった。 やがて時間局の駐車場にエアーカーは到着し、スチュワートはそのまま、 “山口所長によろしく。” そう言ってイギリスへと飛び立っていった。 “スチュワートも忙しそうだな。” と思って、とりあえず報告に所長室を訪ねた。
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