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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第34回   桜川監督との契約
とりあえずエアーカーを下りた。優喜のエアーカーが後ろから続く。
桜川は、
”戸田さん。とりあえずこの部屋で電話を聞いてください。その後電話をかけなさるでしょうから、どうぞこの部屋をお使いください。他の方はこちらにどうぞ。“
優喜は12畳くらいの部屋で広いテーブルがあり、椅子が8つ置いてある部屋で椅子に座って電話の録音を聞いた。
“戸田君。山口だ。私は今所長室にいるので記憶科学研究所の件はもう直接タッチしてないが、明日は朝からその仕事をしてもらっていいから。TMの仕事は明後日何人か帰ってくるものがいるからそれを君に頼む。TMは私ども時間局ではもう君しかいないから。代理では係長がしていたんだが、彼はもうやめちゃって記憶科学研究所の副社長に専任してるから……………。 尚、君は記憶科学研究所とTMの兼任届を出して私が了承したから何も問題ないからね。TMは辞めないでくれ給え。”
“TMは辞めませんよ。だって気に入っているんですもの。”
優喜はふっと呟いた。
さらに電話の録音を聞く。
“戸田さん。山田です。もう6時過ぎたので、アルバイトの人達を帰さなければならないんですけど、どんどん申し込みがあり、時給2万円で、時間外勤務を20人にしてもらっています。皆帰らずに頑張ってくれています。しかし切りがないので一応夕方8時までの勤務として後は明日の9時から受付と言うことで今日は終わりにします。明日7時に私はこのビルに来ていろんな作業をやっていますので早めにこのビルに来てもらいますか?山口所長は明日は戸田さんはこの会社にかかりきりでいいとのことですから。”
優喜は時間を見ると7時10分だった。
”とにかくあと3件電話を聞いて山田さんに電話をしなくては。“
と思った。
”戸田君。山口だ。大変な連絡が入った。とにかく私に電話をくれ。秘密のことなので電話では言えない。明日1日は朝から私のとこに来てから説明するから明日は1日空けておくことにしてくれ。“
“戸田さん。山田です。明日は山口所長のとこに朝から行ってください。すごく大事な仕事が入ったそうです。私にも秘密だそうなのでこっちの会社のことは明日1日私と塩見及び紀子さんに任せてください。できたらあと10人雇いたいんですけど?”
“戸田さん。塩見です。明日こちらに来れないそうなので、電話ですいませんが僕の同僚が2人ほどこの会社に雇ってほしいそうですけどよかったら明日からお願いします。”
17件全部聞き終わり山口に電話をかけた。
“もしもし。戸田ですが。”
“おう。戸田君か。待ちかねたよ。電話では言えないからとにかく明日私のところに来てくれ。最優先に頼みたいことが起こったのだ。”
“解りました。明日でいいんですね。”
“うん。明日でいい。”
次に山田に電話をした。
“山田さん。お疲れ様です。10人雇って結構ですし、山田さんに何でもお任せしますのでよろしくお願いします。”
“ああ。戸田さん。明日の10人は仕事を見てから決めるが、この20人はすごく優秀なので正社員にしていいだろうか?”
“よろしいです。塩見さんにも2人とも課長待遇で同僚の人を雇っていいとお伝えください。給料面は山田さんにお任せします。実はこっちもいろいろとりこんでいるので大変なんです。”
“解った。とにかくこの会社は私にまかせてもらっていいんだね。”
“いいですよ。いやむしろお願いします。山田さんの給料は私と同じくらいでもいいですから。”
“ありがとう。でも、社長が1番高くないとけじめがつかないので、出来ましたら月500万頂けたら充分です。”
“それでは、800万取って下さい。ただし、紀子さんは副社長だそうですが、実は私の婚約者でも何でもないんで、給料だけは今まででお願いします。山口所長が気に入っているようなので副社長としては雇っていていいですから。”
“解りました。それでは私にまかせてもらいます。給料は月800万頂きます。”
“どうぞよろしくお願いします。”
電話を終えてホッとして個室から出ると、亀鳥が待っていて、
”こちらにどうぞ。“
と連れて行ってもらった部屋ではかおるが歌を歌っていた。
あまりうまいとも思えなかった。はやりの歌を歌った後。
“では次に、戸田さんお願いします。得意な曲を3曲歌ってください。録音しますから。そして歌は、その声をもとにして新たにうまく合成した声を使いますから心配なさらないでください。”
かおるが3曲歌い終わった後だったので、優喜も歌った。2人の録音が済み、
“ミドリさんも一曲だけ聞かせてください。あなたはテレビにも出てもらうから録音する必要はないんですが、場合によっては声を合成した方がいい場合もありますので”
と頼まれた。
優喜は、
”もし下手だった場合にやはり合成するんだろうな。“
と思って聞いていた。
“私の本名は香山美香です。得意曲を歌います。”
と言って歌ったのが素晴らしくうまかった。その辺の歌手顔負けの声だった。
桜川は、
“素晴らしい。これは人気が出るぞ。ちょっと3人の合成音で{海へ}を歌わせてくれ。”
と言うと、後ろで録音していたスタッフが、
“それではちょっと待ってください。”
と言ってあらかじめ用意していた曲を合成音で歌わせた。
{私たちは 海から 生まれた}
{太陽と 空気と 水のおかげで 生きている}
{土の上で たくさんの 命 とともに}
{草や木 山や川 緑の草原}
{夜には 月と星が 光を放つ}
{私達は 生きてきた}
{いまこそ 海へ 海へ 海へ}
{海が呼んでいる}
{私たちは 海から やってきた}
{……………………………………..}
{…………………………………….}

歌が終わると、皆うっとりしていた。
“それでは契約書にサインしてください。美香さんは別の契約書です。”
契約が終わった後、桜川が優喜にこう言った。
“戸田さん。いい公認会計士と弁護士を紹介しましょうか?会社が儲かるようになると様々なトラブルが出てきますよ。”
“ありがとうございます。2,3日してからお答えいたします。所長とか副社長と相談してから決めますので。”
“戸田さんと西条さんとの口座に1億3000万振り込んでおきますので今日はこれにてお別れしましょう。香山さんは悟空とチチの映像とともに今から世界初めて{海}に行った人としてテレビに出てもらいます。よろしいですか?”
“よろこんで。”
美香が答える。
“香山さんは、今日は眠れないかもしれませんよ。この亀鳥がずっと付き合いますから。私は今日のゲームを編集して映画を作ります。熱のある時にやりたいので、今から仕事にかかります。約束どうり、海での戦いは亀鳥お前に任せるから、今日、明日のテレビ出演や悟空とチチの合成画面は任せたからな。では戸田さん。西条さん失礼しますよ。”
と言って桜川は映画の編集にかかった。
優喜はエアーカーにかおるを乗せて九州へと帰って行った。
“明日の緊急の仕事ってなんだろう?”
と、優喜は不安だった。


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