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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第30回   竜宮城
海藻やサンゴなどが見られる真っ青な海の中を進んでいくと、何と前方に竜宮城が下りてきた。大画面スクリーンに通信が入った。美しい乙姫様が、
”竜宮城へようこそ。皆さんを歓迎します。どうぞ中へお入りください。“
と言って、広い宇宙船のはいり口が扉を開けた。そして空気のある場所に乙姫様や見目麗しい王子様が歓迎に出ていた。
“男性はこちらです。”
乙姫様の後をついていくと若い美しい女性が頭が鯛やヒラメ、スズキなどの魚類の形をしている姿で立っていた。そして女性たちは見たことのない料理の周りに立っていてその真ん中に優喜を座らせた。
“女性はこちらです。”
若い美男の王子が女性の部屋に連れて行くと、美男の顔をして頭が鯛やヒラメ、スズキ、トビウオなどのたくさんの見目麗しい男性達が、見たことも聞いたこともないような料理のまわりに立っていて、席が2つ備えられていた。そして双子の王子がもう一人歓迎してくれていた。美香が、
“私も見たことのない料理ばっかしだ。これはカメハメ波ゲームの製作者たちが考えに考えた料理なんだわね。”
と言った。その言葉が終らぬうちに、
“私たちは(海)に来たあなた達を歓迎いたします。お口に合いますかどうか鯛やヒラメの舞い踊りを見ながら飲み食いを楽しんでください。”
と言ったら、音楽がかかって魚の頭をした美男子の青年たちが見事な踊りを披露してきた。
うっとりと見ながら、美香とかおるが食事を始めると、なんとおいしいことか、美香は、
“これはからすみと明太子とイクラをうまい具合にブレンドした味だ。すごいこれは牛肉のミンチにフォアグラとそうねマツタケも入っているのかしら?すごくおいしいわ。独創的な味がそろっているわ。”
といちいち分析して食べている。かおるはただただ無心に食べた。
隣の部屋でも優喜は最初は、
“毒でも入っているんではないか?”
などと思っていたが、ゲームの主催者が毒殺するわけもなく、
“(海)に来た褒美だな。”
と歴史上流行ったいろんな歌に合わせての流行ったダンスが出てきてそれを見ながらの食事はすごく楽しいものであった。歌も素晴らしくうまかった。
食事が終わり乙姫様が優喜に頼みごとをした。
“孫悟空様。実は私どもの国はシャーク兄弟にいつも脅かされているのです。今日はシャーク兄弟がこの国を明け渡さなければ滅ぼしてしまうと言っている最後の時なのです。どうか私どもの国をお守りください。”
と言った。優喜は、
”そうかこれもゲームの一つなんだな。“
と思い起こして、
“解りました。宇宙船に乗ってチチたちと戦いに行きましょう。”
と言うと、
“いや私たちの潜水艦に乗って戦ってください。これです。”
と言っているうちから2匹の巨大鮫が竜宮城に近ずいてきた。
”早く乗って戦ってください。乗らないと竜宮城自体が壊されてしまいます。“
慌てて大きな乗り物に乗りこむとそれは巨大なタコの乗り物であったが、優喜は気ずかなかった。

桜川や亀鳥及び外の観衆はおいしそうな食事に涎を垂らしていたら、カメハメ波ゲーム会社から、非常に高い弁当の売り出しがあった。7000円の弁当だが飛ぶように売れた。なぜなら中身が悟空やチチ、ミドリが食べていたものと同じであったからだ。
“多分悟空たちのは本物だが、ここに出てきた食べ物は食事合成機で同じ成分で作ったものだろう。7000円は高いぞ。”
と桜川は言いながらも、2つの画面でチチたちの食べる姿、悟空の食べっぷりを見ると2個購入して亀鳥と2人で食べた。
そうすると双子の美男王子がチチ達に、
“巨大タコが私たちを滅ぼしに来るので2台の潜水艦に乗って戦ってください。”
と申し入れた。天に届くような声でこの世のものとは思えない美男子の王子達の頼みなので2人ともうっとりして一人ずつ鮫型潜水艦に乗りこんだ。
桜川や亀鳥、周囲の観衆は2個の画面を同時に見ているため今から何が起ころうとしているかよく分かった。亀鳥はすぐ反応した、
“監督。海からの映画の編集は私にさせてください。監督は〔海へ〕の映画ができればよかったでしょう。私にそれからのチャンスを下さい。長い間お仕えしているのでこのくらいのチャンスをくれてもいいでしょう。”
“よしわかった。お前にそのチャンスをやろう。しかし〔海へ〕の映画の次に出すんだぞ。そしていつものようにわしの仕事は手伝ってくれよな。お前の邪魔になるだろうからそれからの仕事に俺は干渉しないから。”
“はい。ありがとうございます。今からの戦いが楽しみです。仲間同士の戦いって大好きなんですよ。”
”お前変わっているな。今からの映画は任したからな。お前の好きにやれ。“
と桜川は言った。しかし桜川もこの戦いはわくわくして見始めている。


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