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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第24回   紀子の訪問
帰宅して夕食後、英語の勉強をしたが、英語の苦手な優喜には5時間も勉強したが全然効果が上がらなかった。優喜の能力が上昇したのは発想の仕方の能力が上がったので記憶力が上昇したわけではなかった。
“あーあ。山口局長ほどの英語力があったらなあ。”
無意識に呟いて、
”まてよ。記憶が消せるんだったら、記憶を移すこともできるんではないだろうか?
もともと脳監査システムは脳の記憶がいくらかはいってくるシステムである。それは記憶が入ってくるのではないか?だから脳監査システムをうまく使ってやれば特定の記憶を移すことができるんではないだろうか?つまり山口新作局長の英語の記憶をすべて自分にもらえれば、脳監査装置をかぶるだけで英語の記憶だけ移動することができるかもしれない。“
脳の英語の記憶のマッピングは最近かなり明らかにされている。優喜はマッピングを大学の卒論にしただけあって脳の記憶のマッピングについては今でも関心を持って研究してきた。特にウェルニケ、ブローカの部位は英語の喋る能力とともに階層的な蛋白の貯留によって細かく分析されてきている。
“優喜はしゃべることはいいんで、読むことだけでもいいから山口の英語能力の記憶を自分に移せないか?”
と思った。
“火曜日仕事に行った時74階の局長室に行き記憶を移す研究をさせてもらえるよう頼んでみよう。”
と思った。記憶の移動もうまくいきそうな気がした。そうすると地道な努力は意味がなく、“明日はもう勉強しなくてもいいや。”
と思った。世界における影響もすごいことが考えられ、記憶のトランスファーがうまくいけば、すぐれた科学者の研究内容も脳監査装置をかけるだけで自分に移すことも可能になる。
”そうなったら、また新しい法律ができるだろうな。“
そう思って時計を見ると夜中の1時半を過ぎていた。慌ててエアーベッドで眠りについた。

朝から、コンピューターが、
“お客様です。起きてください。”
と起こす。時計を見るともう朝の9時だった。
”おかしいなあ。誰にも僕を訪ねてくる人はいないはずなのに。“
優喜は自分の家に来られるのを嫌っている、それでほとんど住所を教えていない。勤務先も以前から自分の住所を教えないような方法を取ってもらっている。
”コンピューター。客の画像を!“
と言うと、紀子が両手に何か入った袋をぶら下げて立っていた。その後ろにはエアータクシーが飛び立っていた。
”どうやってここが分かったんだろう?“
不思議に思いながら、寝る服装をしていたし、髪も乱れていたので、
”コンピューター普段着に着替えて、髪を整えて!。“
と言うと、一瞬にして普段着に変わり、髪のセットがなされた。駐車場側の壁に立ち、
”コンピューター入り口を開けて。“
と言うと、駐車場のドアがあき、紀子が入ってきた。
”どうやってここの住所を知ったんだい。君には教えていなかったはずだが。“
“くすっ。”
と笑って、
”あなたの股間を触ったでしょう。あの時発信機を付けたの。“
”すべての機械や毒物はコンピューターがチェックしてくれるはずだが。そんなものを検知してくれなかったぞ。“
“宇宙開発局の人にもらったのでそんなのに引っ掛からないわよ。”
“うーん。”
優喜はうなった。
”米粒大のものだし、また使うからちょっとこないだ着て帰った服出してよ。“
優喜もどんなものか見てみたかったので、
“コンピューター。おととい着た服を出してくれ。”
そう言うと、金曜日に来ていた服が出てきた。紀子は両手の袋を床に置くと、その服の股間部からごみみたいなものを取り出した。
“ちょっと見せてくれ。”
“にー。”
と笑って近ずいてきたので、
”そのまま手だけを出してくれ。“
体を後ろに残し、手だけを出してその装置を見た。米粒大の小さな機械だった。服に接着して離れないような工夫をしてる。また手をのばして紀子に返して、
“あんまりこんなの使うなよ。”
と言うと、
“ふん。やり逃げされたくないからね。”
と言うのであまりその話題には触れたくなかったので、
”ところで何をしに来たんだ。“
と強い口調で言うと、
“おいしい食材がたくさん入ったのでお昼にすき焼きをご馳走してあげようと思って。”
袋の中をのぞくと、本物の野菜、肉、糸こんにゃくなどが入っている。
”こんな食材。普通では手に入れられないはずだけど。“
”そうね。普通にはね。でもあるとこにはあるのよ。私いろんな人知ってるから。“
”恐ろしい女だ。“
と思った。
“それじゃあ。料理をするからガステーブルと調理台、それからすき焼きなべ、包丁、はし、を出してもらってよ。”
”コンピューターすき焼きを作る道具一式を出して。“
換気のいい端の部位に調理台ガステーブルなど一式が出てきた。
”朝御飯食べたの?“
“いや、まだだ。”
“じゃ朝昼兼用でいいわね。”
”僕はまだしていいって言ってないから。“
”あらそんなことを言うと裸になっちゃうわよ。“
あっという間に服を脱ぎ始めた。ブラジャーとスキャンティーだけになった。
ブラジャーの間から豊かな乳房がのぞいている。中3にしては発達がすごく良い。
びっくりした優喜は、
”コンピューター女性用洋服を着せて。“
あと言うまに服が装着された。
“なーに。この服。ださい。これいくらなの?”
”コンピューターこの服の値段は?“
優喜が聞くと、
”2500円です。インターネット青山商会。お買い上げありがとうございます。“
紀子は、
”ローゼンタル社の、薄暮のシルクにしてよ。“
“コンピューター。ローゼンタル社の薄暮のシルクを。”
”9万8千円ですがよろしいでしょうか?“
優喜は落胆して、
“いいよ。”
と言った。それだけの金があればカメハメ波ゲームで何回も宇宙まで行ける。
コンピューターが薄暮のシルクを紀子に着せるとまるで別人みたいになった。
女優か歌手がいるようだった。優喜が見ているのを感じて、
”じゃあ料理するね。あなたはテレビでも見ていて。“
と気分よく料理を始める。まるで女房気取りだ。これ以上逆らうと何をするかわからないので優喜はおとなしくサンデーニュースという立体テレビ番組を見ていた。


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