20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第21回   紀子とかおる
三島紀子宅に着くと、エアーカーの駐車場に、母親が迎えにきた。母親はマーケット勤務だと聞いていたので、
“お仕事ではなかったのですか?”
と聞くと、
“仕事はやめました。娘がお金を入れてくれているものですから。”
”娘さんは15歳でしょう。“
”ええそうなんですが。“
中に入ると家具や、コンピュータ、テレビなど一見して豪華な調度品や、派手な高そうな服が部屋いっぱいとかかっていた。
”そう、では今晩お会いしましょうね。“
紀子がテレビ電話で話している。
“あの。TMの戸田と申します。時間局係長から連絡が入っていると思いますけど?”
”は入って。“
テレビ電話を切ったのち、
“貴方ちょっと見ないうちにいい男になったわね。“
とても15歳の言葉とは思えない。
“紀子さんこそだいぶ変わったようですね。”
派手な服装と、時代の最先端を行く髪型、目の周りは目を大きく見せるための人工結膜をつけている。紀子は優喜に近寄ってくる。優喜は思わず後すざりをする。いきなり右の太ももに手をおいて、
”ねえ私嫌い?“
と聞いたので、びっくりして両手で手をのけて、
“いや苦手なだけです。”
その反応に紀子は、
”あなた。女、知ってるの?“
と聞いてきた。母親は近くにいるが何にも云わない。
“お母さん!いつもこうなんですか?”
と聞くと、
”でもそのおかげで、私たち2人ともかなり豊かに暮らせてるから。“
優喜は、
“男に貢がせているんだ。”
と思った。そうするとこのぜいたくな生活が理解できる。
実はほんとに優喜は女性経験がなかった。一人息子で早いうちから母をなくし、父と二人きりだったので女性に疎かった。その父も優喜が30の頃他界した。何回か恋愛のようなものは経験したが、ほとんど手を握ることもなく優喜の方から別れを言った。
母親は、
“私は席をはずしましょうか?”
と言ってきたので、
“とんでもありません。お母さんいてください。”
必死になって言った。それを聞いて紀子は、
“かわいい!”
と言った。32歳にもなってからかわれているようで、真っ赤になって、
“それで、TMとして聞くんですが今は何をして生活しているんですか?”
指を折りながら、
”ターさんでしょ、マーくん、メッチ、ミーチャンあと2人くらいいるかなあ。おこずかいくれる人。それもたっぷりね。“
“今電話していた人もその中の一人なの?”
“ああ今の人は初めてなの。秘密クラブの会員で今日初めてテレビ電話したの。今日の夜はたまたま暇なので夕食を一緒にとることにしたのよ。”
“秘密クラブって売春組織ではないだろうね?”
“いやこれは合法的なものらしいわよ。非合法的なものにも入ってるけどね。”
”だって15歳の女性と関係を持つのは法律違反だろう。“
”あら、恋愛は自由よ。でも私あなた気に入っちゃった。もし貴方が結婚してくれるなら全部やめちゃってもいいわよ。“
母親が慌てて、
“紀子それは困るよ。”
”大丈夫。私わかるのこの人大金持ちになるわよ。昔の世界の大泥棒たち以上のオーラがあるもの。こんな人初めてよ。“
と今度は優喜の陰部を触ってきた。これはたまらんと、
“すいません私は帰らせてもらいます。”
と逃げ出した。触られたあとが変に感覚が残っていた。
どうしても体のほてりがとれない、昼時でもあったので大きなレストランにエアーカーを止めた。前にも書いたが、レストランやコーヒーショップは希望すれば出会いの場所となる。
“いらっしゃいませ。お一人でしょうか?御相席は希望なさいますか?”
今はやりのキャラクターの像が話しかける。優喜が時間局でいつも自分についているウサギみたいなものだ。
”僕と性格の合う女性がいたらお願い。“
優喜が女性を求めるのは珍しい。やはり紀子に刺激されたせいだ。
”脳監査をしてよろしいでしょうか?“
“ああいいよ。”
入り口で脳監査装置が作動した。
“今現在は脳監査をなされた女性は3人しかいなくて、3人とも相性は合いませんが、よかったら当レストランに登録なされた方がいますので、お席についてお待ちください。ところであなたは登録はなさいますか?”
“いや今日だけでいい。登録はキャンセルだ。”
”はい。かしこまりました。お席でお待ちください。食事は女性の方がいらっしゃってからでいいですか?10分内に来れる方で脳登録で相性のいい方をお呼びいたします。“
7,8分も経っただろうか、足取りが軽やかに一人の女性が現れた。
キャラクターの像が紹介する。
”こちら、西条かおるさん。27歳。塾教師です。“
”こちら、戸田優喜さん32歳。時間局局員です。“
”あら時間局のかた。すごく優秀なのね。“
“いや今年入ったばっかしで、中途採用なんです。”
チャラクターの像が話しかける。
“お食事は何に致しましょうか?”
”ごめんなさい私食べたばかりなの。コーヒーでいいわ。“
”僕は、オムライスを。その後コーヒーを。“
テーブルにかおる用のコーヒーと優喜にオムライスがすぐ出てくる。ここはすべて物質転換装置で作られる。
“私と相性が合う人なんて珍しくて、うれしくて飛んできたんです。本当に3カ月ぶりかしら。たくさん登録してるんですけど。”
“塾の先生なんですか?何年生を教えているんですか?”
“私は高校受験生を受け持っているの。”
“高校受験なんて珍しいですね。ほとんどが中高一貫教育だと思っていました。”
オムライスを食べながら優喜も話す。話しやすいようにオムライスを選んだのだ。
“それがね中学校で不登校者が多くて、高校だけの学校もできてきたの。高校からはまじめにいく子が結構いるのよ。”
ふと紀子が頭に浮かんだが、
”これはいかん。“
と頭を振った。
”どうなさったの。“
“いや。中3の問題児を思い出しまして。”
”難しい年ごろよね。私もさんざん手を焼かされているわ。“
“塾では何人教えているんですか?”
“それが多いのよ。30人クラスを5クラス教えているの。”
”科目は何を教えているんですか?“
“おもに数学だけど、英語も国語も理科も社会も教えるわ。だって程度は低いのよ。”
”大変ですね。“
“いや教えるのは丁寧に教えればいいけど、大変なのは生活面の指導よ。”
“紀子みたいな子はいるか?”
と聞きたかったが、まだ知りあってわずかなので聞きあぐねていた。
オムライスを食べ終わりコーヒーが出てきた。オムライスを入れていた容器とさじは消えた。かおるは、まだコーヒーが残っている。ゆっくりと飲んでいるのだ。
優喜はこのまま別れるのが惜しかったので、
“今日の塾の仕事は何時からですか?”
と聞いた。
“いつも5時からなんです。”
“では、しばらくドライブしませんか?阿蘇と霧島にいって帰れば、丁度4時過ぎには帰れるでしょうから。空の上から見る阿蘇と霧島はいいもんですよ。”
“いいわよ。じゃあ私のエアーカーは返しとくね。”
“私はその間、携帯電話で午後から休暇を取ります。”
“あら、お仕事の最中だったの。”
“はい。ちょっと外に出る用事があったものですから。”
エアーカーに行って命令をしてきた時、優喜は時間局に電話して午後から休むことを告げた。そして優喜のエアーカーでドライブに出かけた。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 7471