部屋に戻って、残していた一人のことを思い出した。三島紀子だ。優喜は淫乱な女性は苦手だったので、あまり紀子に関しては関知したくなかった。しかし仕事なのでコンピュータに以後の生活を聞こうと思っていた。 そこに係長がやってきた。 “ちょっといいかい?” ”はい。まだ仕事始める前ですのでいいですよ。コーヒーでも飲みますか?“ “いいねえ。” ”何がお望みですか?“ ”ブルマンにしてくれ。“ “コンピューター、ブルーマウンテン2つ。テーブルと椅子も出してくれ。” 部屋の真ん中にテーブルが出て、コーヒーカップが2個テーブルの両端に出てきた。透明のテーブルで椅子も透明で座り心地のよさそうな椅子だ。カップにはコーヒーがなみなみと注がれていた。 ”戸田さん有難う。セカンドネームを私にしてくれて、私はほとんど実績がなかったんだけど、Nature Brainなんて1流紙に乗せてもらえるなんて、本当にうれしいよ。“ ”局長がそう言われたもので、そして山田さんが僕を公務員に推薦してくれたとかで、僕はほんとに何もしていないんですよ。“ ”局長なんて雲の上の人で、私なんてあったこともないくらいです。テレビ電話では何回も命令はされますが、ほとんど一方通行か録画ですから。“ ”でも時間局のことはほとんど把握しているみたいですね。“ ”そこが局長の恐ろしいところだよ。国際会議にもよく出かけよく議長をしているんだ。そして論文も画期的な論文を毎年、何通も発表するからなあ。“ “時間局の職員の人達も大変なんですねえ。” “いや、君もすごいよ。カメハメ波ゲームで230万点で日本一になるし、特定の記憶を消す方法も見つけ出すし、もしかしたらノーベル賞候補にもなるかもしれないよ。君は天才なんだね。” “いや最近、脳監査装置をするたびに頭がさえてくる気がするんです。” ”じゃあ脳監査装置と相性がいいんだ。私なんかは嫌で嫌でしょうがないよ。“ “そうかもしれないですね。最初は人の脳をのぞく時すごく苦しかったのですが、最近は面白くてしょうがありません。しかし、今から帰ってきた後の世界での行動をチェックしようと思っているが、三島紀子だけは苦手ですね。” “ああ、三島紀子ね、帰ってきてから何回も警察沙汰を起こしているから、今日か、明日でも一回会ってもらえないかなあ?” “解りました。今日以後の行動をチェックした後、伺ってみます。” “そうかい。それは助かる。じゃあ私が連絡しておくから、11時ころ向こうに着くようにしていていいかい。” ”10時半ごろでもいいですよ。すぐチェックは終わると思いますから。“ ”やっぱりチェックはそんなに早く終わらないから11時にしておくから。とにかくコンピューターに聞いてごらん。大変なことに気づくから。“ ニッコリ笑って、 ”コーヒーごくろうさま。これからもよろしくね。それからこの前のサインありがとう。息子の宝物になっているよ。“ “いいえ、どういたしまして。” 優喜は恐る恐る、 ”コンピューター、三島紀子の今世紀に帰ってきてからの行動を述べよ。“ と言うと、驚くべき内容が返ってきた。
“三島紀子、15歳。普通なら1年遅れで中学2年生のクラスに編入のはずであるが、本人の強い希望で中3のクラスに編入される。それから同級生の男子生徒と、どんどんセックスをして泊まり歩くので、クラス担任が注意するために接触するとその担任も紀子と関係をもって中学校を辞職していった。そのうち学校に来なくなり、年齢を偽ってキャバクラに勤めるようになり、この短い期間のうちに3回も逮捕される。説教している警察官にも誘惑をしてくるので手に負えない。” 簡単にまとめるとこのような事例だが、中3の男子生徒数人との交友の具体的経過や、辞職した担任の名前、その詳しい経過、男性はだめだというので女性の先生が行っても、その先生に対してセックス指導したりして、どうしても手に負えない。そういう経過を見ているともう10時50分になった。係長の言うように時間がかかった。大慌てで、優喜はエアーカーに乗って三島紀子宅に行った。
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