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作品名:タイムマシン稼働マネージャー 作者:Hei George

第10回  
午後は、矢作亨14歳を選んだ。亨は、過去に送られる前は、非常に陽気な性格で人を笑わせることが大好きな中学2年生だ。しかし、その後、すごいうつ状態が続いていた。いわゆる躁うつ病の症状である。モノアミン、ジアミン、トリアミンの比率が標準値より大きく外れ、自殺の危険性が高いということで昨年ここから過去に送られ、帰ってきた。
以下、優喜のレポートである。

矢作亨、14歳、男、彼は小4ころから、人を笑わせるのが大好きになり。教室でも面白いことを言ってみなを笑わせていた。小6頃に、1か月に1日くらいひどく落ち込み、
”なんでこんなに人を笑わして喜んでいるんだ。人を笑わせてもいいことは何にもない。人生は空しいもんだ。もう死にたい。“
などと思うことがあり、すぐ回復して、人を笑わすことを考えていたが、中学1年になるとその周期がだんだん短くなり、2週間に1度は2,3日落ち込み、また回復して陽気になり、非常にハイテンションとなって、人を笑わせていた。しかしハイテンションになればなるほど、うつ状態がひどくなり、中学2年になると1週間おきに躁と鬱がやってきて、鬱のときは、学校を休みがちになり、死ぬことばかりを考えるようになっていた。3000年前に送り込まれたとき、丁度通りかかった行商人と会った。行商人は落ち着いた人で、亨の言うことをいちいち聞いてくれたし、面白い事を云うのにも反応してよく笑ってくれた。死にたい話も黙って聞いてくれている。ところが、商品を売る時には、がらっと人柄が変わり、相手をほめあげ、できるだけ安く買い、できるだけ高く売る。時には、手品をしてお客の気を引き、お客に気に入られては自分の商品を高く売る。どの村でもその商人は、人気のある村長もしくは人気のある世話役の人にしばらく宿を借りてその周りの人たちに商品を売る。人気のない村長の家は避ける。そして売れるものが売れなくなった頃に、宿を借りた人や、その村の特産品などをたくさん買い込んで引き揚げる。多い時は全部で馬車3台ほどになったこともあった。その商品は、4段階あるようで、よく売れるもの、これが第1段階ですぐにみんなに出す。第2段階は少しもったいぶって出し、かなりの高値で売る。第3段階はもうほとんど売る気がないようにして目がある人だけに売る。これは場合によっては出さないこともある。第4段階は本当に売る気がないようで、大事になおし込んでいるが、本当に目のある人には譲ってあげることもある。しかし値段はあまり高くはとらない。大事にしてその価値のわかる人に、それなりの値段で売っている。この前は、素晴らしい弥生式土器を買ってそれからめったに出さない。つまり第4段階になったのだ。そうやっていろいろな村を回り、色々な商品を売って旅をしているうちに、亨もだんだんと自分のテンションをコントロールすることができるようになった。そしていつのまにか行商人に代わって売っている自分がいた。行商人は黙ってみている。持ち前の面白さでお客を笑わせ、気持ちをつかみ高く売り、安く買うコツをつかんだ。ところが11か月ごろ夜盗に襲われて行商人は殺され、金品や商品は奪われてしまった。亨は抵抗しなかったのと、小柄なため子供と思われ殺されなかった。又、亨の身につけていたわずかなお金には目もくれなかった。亨は一人ぼっちになったが、行商人に教わった商売で、身につけていたお金で商品を買い、ほかの村で売って、1か月をしのぎ、28世紀戻った。かねてから自信がなかったために行けなかった吉川お笑い養成タレント学校に入学して、お笑い芸人になるつもりになっていた。

優喜はレポートを書くと、残りの2人をちらっと見た。あまり先入観を持つといけないのであまり見ないように言われているが、2人とも女性のようだった。
“タイムパトロールの相沢に会うまでは全部終わってしまおう。”
と思った。


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