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作品名:続・不可思議情報の私的考察 作者:ツジセイゴウ

第3回   宇宙人はまだ地球に来ていない
しつこいようだがまたまたこのテーマを取り上げてみたい。前編第1回「エリア51の宇宙人」でも述べた通り、筆者の見解は、宇宙人はまだ地球に来ていないという、UFOファンには申し訳ない結論である。それを論理的に説明してゆこう。
まず、全宇宙を完全自由に旅する宇宙人はいない。なぜなら、そんな宇宙人がいたら既に地球に到来しているからである。同様のロジックで、全天の川銀河を完全自由に旅する宇宙人はいない。もし、そんな宇宙人がいたらとっくに地球に到来しているはずである。
ここで「完全自由」という言葉が重要である。完全自由とは、今地球にいるわれわれ人類が地球上のどこにでもほぼ自由に行けるというような意味である。人類は、技術の進歩により今ではよほど特殊な場所でない限り、地球全体のどこにでも比較的容易に行くことができる。同様に超・超高度な宇宙人がいたとすれば、ワープ航法もワームホールもすべて開発済みで全宇宙を完全自由に行き来しているはずである。
これに対しては、そんな宇宙人はたまたま発見されていないだけで、地球に来ていないことだけをもって、その存在を否定することはできないという反論がありそうだ。これは、筆者もそう思う。だから、存在しないとは言わない、まだ地球に到来していないと言っているのである。ただ、われわれの目に届くところに宇宙人がいないということは、超・超高度な技術力をもってしても「完全自由」な宇宙旅行は相当に難しいということだけは確かである。
それでも、いや宇宙人は既に地球に来ている、理由があってその姿を隠している、あるいは地球人になりすましている、という反論がありそうだ。SF映画でもしばしば用いられる設定である。では、なぜ宇宙人は地球人から身を隠さなければならないのか。
理由は、
@地球を侵略するために、地球人になりすまし、密かに繁殖している。
A地球人よりはるかに高度な宇宙人は、地球人を単なる一つの「種」とみなして密かに保護観察しているにすぎない。
B宇宙人がごく少数であるか、あるいは地球環境に適合できないため、地球人の目につかない場所(例えば深海とか地下とか月面など)に隠れて生きている。
のいずれかになろう。
まず、@が正しいとすると、もうかなりの数のなりすまし宇宙人がいる可能性が高い。そんな中、毎日のように大勢の人が事故や事件に巻き込まれて、手術や解剖を受けていることを考えると、そんな異常な事例が発見されたというニュースは聞かないので、@はかなり怪しげである。それに、何よりもそれだけ高度な技術を持つ宇宙人が、わざわざ暑苦しい人間の着ぐるみを身に付けて地球人の格好をしていなければならない理由がよくわからない。SF映画でよくあるような高度な兵器を使って一気に侵略した方が手っ取り早い。
次いで、Aの保護観察ケースであるが、これはわれわれが渡り鳥の足に発信器を付けてその生態を調査するのに似ている。高度な宇宙人にとっては、人類はほとんど虫けら同然の雑種に過ぎず、誘拐されて密かに発信器を埋め込まれて…、というUFO誘拐事件をよく耳にする。これは正直、筆者にも確たる反証はない。ただ、もし宇宙人がはるかに高度であるのならば、わざわざ隠れてやるようなことでもないような気がする。見つかっても反抗されたり攻撃されたりするような懸念がないからである。
最後に、Bについては肯定も否定もしない。可能性としては全くゼロではないからである。映画「ET」の事例がこれに当たるが、結局最後は見つかってしまう。前編第2回「宇宙人は敵対的か友好的か」でも記したとおり、いずれの場合にしても、宇宙人がすでに地球に到来していれば、敵対的か友好的かにかかわらず、何がしかの接触は絶対あるはずで、それがないのはやはりまだ到来していないと考える方が自然である。


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