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作品名:続・不可思議情報の私的考察 作者:ツジセイゴウ

第14回   火星で生命の痕跡は発見されるか
アメリカの火星探査機キュリオシティーが無事に火星に着陸した。探査機の最大の目的は火星に生命の痕跡があるかどうかを探ることである。筆者は多分発見されるだろうと思っている。
生命が地球以外にも存在する、あるいは存在した(過去形でもよい)ということが発見される意義は極めて大きい。それは生命が普遍的なもので、地球以外の全宇宙のどこにおいても比較的容易に誕生することの証左となるからである。前編第21回「なぜ生き物を殺してはいけないか」で書いた通り、生命は宇宙のエントロピー(秩序の乱れ)の増大を防ぐために創造された。そうであるならばその誕生は普遍的であるはずであり、地球に限ったことではないということになる。
生命誕生の確率を表すのによく用いられるのが「ドレイクの方程式」である。これは、1960年代にアメリカの天文学者ドレイクにより考案されたもので、銀河系内に存在する恒星の数に、恒星が惑星を持つ確率、その惑星が生命の存在に適した環境を持つ確率、実際に生命が誕生する確率、その生命が存在する時間、そしてその生命が知的生命体まで成長する確率など、いくつかのパラメーターを掛け合わせることで、わが銀河系内に現在存在する知的生命体の数を推計するものである。
このパラメーターの見積もり方によって答えが大きく違ってくるため、あまり当てにならないと言う人もいるが、その答えは概ね我々の期待に好意的なものである。つまり、宇宙は知的生命体に溢れているという結論である。
知的生命体かどうかはともかく、筆者は生命の誕生は普遍的なものと考えているので、この宇宙に生命が満ち溢れているという考えには大賛同である。とすれば、火星に生命がいる(あるいは「いた」)可能性は極めて高い。
蛇足ながら、生命に必要な条件として、水や酸素の存在と適度な温度を上げる科学者もいるが、これは地球、それも人類を基準とした考え方であり、この広い宇宙には我々の想像を絶する環境下で生きている生命体がいるかもしれないということを忘れている。先入観にとらわれず、広い視野で探索を続ければ、きっと火星から朗報が届く日も近い。


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