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作品名:不可思議情報の私的考察 作者:ツジセイゴウ

第18回   宇宙は本当に膨張しているのか
いきなり大問題をぶち上げてしまった。宇宙物理学者なら、そんなことは当たり前と一笑にふされるところである。宇宙が膨張しているというのは、ハッブル宇宙望遠鏡でも有名なエドウィン・ハッブルが何十年も前に発見した。彼は、いくつかの銀河までの距離を測り、その光のスペクトルを計測することで、遠くにある銀河ほど速く遠ざかっていることを発見した。これは宇宙が膨張していることの決定的証拠となる。それまで宇宙は静的なものと考えられていたので、これは大変な驚きをもって受け入れられた。
その後の精密な計測の結果、ハッブルの計算が間違いではなかったことが証明されており、さらにその膨張速度が加速しているということまで発見されている。
しかし、ここで困ったことが起きた。宇宙が膨張しているということは、宇宙を膨張させるためのエネルギーが必要なのである。風船を膨らませるには、フーフーと息を吹き込み続けなければならないと同じである。
今の宇宙は、ビッグバンという大爆発により発生したというのは常識となっており、その後何十億年もかけて膨張を続けてきている。しかし、宇宙の膨張がビッグバンだけによるものであるとしたら、ちょうど花火の開く速度がゆっくりと減速してゆくように、宇宙の膨張速度も減速してゆかなければならない。それが、逆に加速しているとなると、未だに宇宙には息を吹き込み続けている何かがあるということになる。
その何かが分からないため、物理学者たちはダークエネルギーという都合のいいアイデアを持ち込んできた。つまり、この宇宙は、真空中も含めて正体不明のエネルギーに満ち溢れていて、それが宇宙を膨張させているというのである。このダークエネルギーの正体はまだ分かっておらず、先般有名になったヒッグス粒子をその候補として上げる学者もいる。
ここからは私見になるが、風船を膨らませる方法には2つある。一つは、外からフーフーと息を吹き込み続ける平凡なやり方。もう一つは、風船自体を一回り大きな箱の中に入れ、箱の中の空気を抜いていくやり方である。箱の中の風船は、周囲の空気が希薄になるにつれ圧力が下がるため自然に膨らんでゆく。小学校の理科の実験のレベルの話である。
仮に今我々が住んでいる宇宙の外に、もう一回り大きな入れ物があり、その入れ物の中に負のエネルギーがあれば、我々の宇宙のエネルギーがわずかでも、先程の風船と同じ原理で我々の宇宙は膨張を続けることができる。
残念ながら、我々の宇宙の外がどうなっているか観測できないため、どうあがいてもこれを実証できる方法はない。ゴメンナサイ、筆者の独り言でした


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