ウサギが金魚に恋をしました。
金魚鉢で太陽の光を浴びて泳ぐ金魚。キラキラとまるで宝石のよう。 ガラス細工のような大きな瞳。 やさしい笑顔。
晴天のさわやかな朝に、ウサギは金魚に言いました。 「僕は君が好きだ。君はどうやったら僕を好きになってくれるのかな?」 「あなたはダメよ。だってあなたは、私のように赤くないわ。」 金魚はすまして答えました。 それを聞いたウサギは、「よし、わかった」と言って、走り去りました。 行き先はどこなのでしょうか?
ウサギは東に向かって、何日も何日も走り続けました。 走り続けたせいでウサギの左前足のつめが、すべてはがれてしまいます。 痛みなど感じません。ウサギは一心に走り続けます。 「赤くなりたい! そうすればきっと、僕を好きになってくれる。」
着いた先は山の神様のもとでした。 ウサギがわけを話すと、たくさんの赤い実をくれました。 「これを3日間体にすりこめば、お前の体は赤くなるだろう」 と教えてくれました。 ウサギは3日間、この実を体にすりこみました。 するとウサギの体は、見事に赤くなりました。
山の神様に何度もお礼を言ってから、ウサギはまた、走り始めました。 西に向かって何日も何日も走り続けました。 走り続けたせいでウサギの左後ろ足のつめが、すべてはがれてしまいます。 痛みなど感じません。ウサギは一心に走り続けます。 「嬉しい、赤くなれた! これできっと、僕を好きになってくれる」
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