ロズウェルは額に冷たいものを感じつつ、ベッドに横になった。 しかし眠れなかった。 寝返りを打つこともできなかった。
「もう11時だわ。もうすぐ真夜中になる。ああ、神さま! どうかあなたさまのお力で私をお守りください……一晩、一晩ってなんて長いんだろう……」
突然、彼女は自分のベッドの下で何者かが身動きする音を聞いた。 同時に、ベッドのわらマットを通して串に突き刺されたような恐怖を感じた。 勇気を出して、のどから込み上げてくる叫び声を必死にこらえる。 異様な威圧感とともに、一人の男が床の上に這い出してきた。 男は立ち上がり、暗闇の中で彼女のほうに身をかがめた。 ロズウェルは石のように動かなかった。 もしさけんだり、暴れまわったりすれば、確実に殺されてしまうに違いない。 彼女の叫びを聞きつける耳など、ここにはないし、助けに駆けつける腕もどこにもありはしないのだ。 男は火のそばに行き、つけ木に火を移してから小さなランプに灯をともした。 それから寝ている娘の側に行って、まつ毛がこげそうになるほど明かりを近づけた。
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