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作品名:畦道 作者:rogu

第1回   二月の雨
暦では立春、春である。
しかし、街も寒く、まして北に行けば白銀の世界。
すべてが雪に飲み込まれ、見渡す限り雪に被われ白一色になっている。
そんな二月に降る雨、冷たい氷雨、
街が暖かいせいか、雪雲が飛来してもなかなか雪にはならない。
この雲から降る雨?意外と冷たい。
寒椿の終盤に、訪れるように降る氷雨、
春とはいえ二月の雨は冬の表情をもっている。
(二月の雨)

空は一枚の曇り硝子
街はモノトーンに包まれて死んでいる

解れない雲
重くて押し潰されそうな空
落ちてくる氷雨
周りの墓標に纏わり付いて
滴の蕾を付けている

冴えない表情
浮かない空
止む気配のない氷雨
歩く度に纏わり付いて
冷たい体で抱擁をしてくれる

寒い
氷雨の冷気が
私を抱きしめ温もりを奪う
雪になれない街の雨
山では雪になっている。


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