暦では立春、春である。 しかし、街も寒く、まして北に行けば白銀の世界。 すべてが雪に飲み込まれ、見渡す限り雪に被われ白一色になっている。 そんな二月に降る雨、冷たい氷雨、 街が暖かいせいか、雪雲が飛来してもなかなか雪にはならない。 この雲から降る雨?意外と冷たい。 寒椿の終盤に、訪れるように降る氷雨、 春とはいえ二月の雨は冬の表情をもっている。 (二月の雨)
空は一枚の曇り硝子 街はモノトーンに包まれて死んでいる
解れない雲 重くて押し潰されそうな空 落ちてくる氷雨 周りの墓標に纏わり付いて 滴の蕾を付けている
冴えない表情 浮かない空 止む気配のない氷雨 歩く度に纏わり付いて 冷たい体で抱擁をしてくれる
寒い 氷雨の冷気が 私を抱きしめ温もりを奪う 雪になれない街の雨 山では雪になっている。
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