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作品名:見えない城 作者:ながいみち

第18回   18
平柳が病院へ出かけると、昨晩の余韻がまだ残る寝室に戻った。

ゴミ箱からはみ出したティッシュが無造作に転がっていた。夏がけの羽毛布団をどかしシーツを整えた。しかし・・・愛された証拠が残っている。

「どうしよう・・・、でもこのままじゃ・・・」

愛美は仕方なくシーツを取り外し洗濯機へ入れた。ついでに枕カバーとバスローブも洗った。むろん物干し場は無く、リビングの端にあるハンガーラックにそれらを引っ掛け干した。

ひと段落するとふと気付いた。

「平柳部長は・・・一人で住んでいるのかしら。家族は?まさか独身?そんなはず無いよね。こんなに素敵なんだし・・。奥さんや子供さんが居たっておかしくないよね。」

愛美は自分に言い聞かせた。この愛は決して結ばれることがない愛だって・・こと。でも、それでも不倫と言われるような汚らしい恋愛じゃない。

私は平柳部長を純粋に愛しているし彼も愛してくれている。もし遊ばれたとしても私は後悔なんかしない。なぜなら・・・・愛美は亡くした父親に似た愛情を抱いていたからだ。




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