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見えない城
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第17回
17
その日、愛美は平柳に会うことなく一日が過ぎた。
会話をすることが出来なかったが、予定通り平柳のマンションへ向かった。
病院からJRに乗り1駅で桜木町に着いた。マンションはそこからランドマークタワーに向かう数分のところにあった。際立って高級といえる程ではないが、7階建の落ち着いたマンションだった。
愛美はエレベーターで7階まで上がりブザーを押した。しかし返事はない。
「やっぱりまだ帰ってないのかなぁ・・・」愛美はしばらくそこで待ったが、周りの住人から怪しく見られても平柳に迷惑がかかると思い、教えられた暗証番号でロックを解除し室内に入った。
誰もいない部屋なのに「こんばんは〜・・・失礼しますぅ・・・」と言って玄関に入った。
玄関は小奇麗にされており、男性用のサンダルが1足と靴箱の上には靴ベラが1本無造作に置かれてあった。
スリッパは今朝、平柳が部屋を出る時脱いだまま玄関を向いて脱ぎ捨てられていた。
愛美は、平柳の生活観を感じた。 そして自分のサンダルを揃えて脱ぎ、来客用のスリッパを履いた。 玄関はオートライトになっている為、部屋の様子が照らし出されていた。
「半分ドアが空いている正面がリビングかしら・・・」
愛美は何となく感で正面のドアを開けた。 窓の外から薄っすら漏れる街灯りで部屋の様子が分かった。
愛美は部屋のスイッチを探した。 左手の壁にそれはあった。
10〜16畳ほどのリビングにはソファーセットがあり、テーブルの上には各機器のリモコンと今朝の新聞が置かれていた。キッチンとの境にはカウンターがあり、今朝飲んだと思われるコーヒーの残りも置かれてあった。
8月の暑さで部屋も息苦しく感じた。
愛美は大きなガラス窓に近づき少し開け外を眺めた。
心地よい風が顔を横切り眼下には、コスモワールドや赤レンガパークの明かりが映し出されていた。大阪でのホテルとは環境も場所も違うが、心の高鳴りは同じだった。
「どうしよう・・・まだ帰って来ないのかしら・・・」 時計の針が10時を指した。
と、その時玄関のドアが開く音がした。
「ごめん、ごめん、遅くなっちゃったね・・」 と言って、平柳が入ってきた。
「いえ!今着いたばかりです!」 と、愛美は緊張のあまりお辞儀をしながら「こんばんは!」と挨拶した。
「いいよ、いいよ、緊張しなくて。ゆったりくつろいで。」 そう言いながらエアコンのスイッチを入れ、手前の部屋に入った。 きっとそこが寝室か書斎になっているのであろう。
愛美はソファに腰掛け、平柳が戻るのを待った。
「愛美ちゃん・・シャワー・・・」 平柳が何か話している声が聞こえた。
「えっ??」
「愛美ちゃん、シャワー浴びる?」 平柳が部屋着に着替えて戻ってきた。
「あっ・・えっ・・・そのぉ・・」 愛美は何て答えてよいか分からず戸惑った。
「着替えは私のしかないけど、バスローブがあるから着替えていいよ」 平柳は大阪の時と同じように優しく愛美をリードしてくれた。
愛美はリビングを出ては右手の浴室に案内された。 そこは広々した洗面台と脱衣場があり、乾燥機兼用の洗濯機も備えられていた。 そして愛美用に洗濯済みのバスローブを手渡された。
「ゆっくりどうぞ」 平柳の言葉に甘えてシャワーを浴びた。
愛美は思った・・。今夜で2度目・・・。 愛され方の上達ってあるのかしら・・・でも・・・どうしたら・・・ 愛美は乳房に当たるシャワーの刺激がこれからの出来事と重ね合わさり心地よいアドレナリンの刺激に酔った。
シャワーを終えた愛美にとって一つの問題が発生した。バスローブを着るのだが・・・下着はどうしたらよいのか・・・。着た方がいいのか・・着ない方がいいのか・・・。悩んだ・・悩んだ末に・・・・・。
リビングに戻ると平柳はビールを片手にソファに座ってショパンのノクターンを聴いていた。軽やかで愛らしさが奏でるそのピアノの音はまるで愛美らしさそのものであり平柳の心を落ち着かせるそのもであった。
「あっ・・愛美ちゃんも・・・どうぞ。」
愛美にもビールを勧めたが愛美は「アルコールが弱いので・・」と断り、ウーロン茶に変えてもらった。しかし少しならと平柳は勧め・・・自分の口から愛美の口へ口移しで少し飲ませた。 愛美は弱いアルコールに平柳の突然の口移しで酔いが数倍に押し寄せた。
「じゃぁ、私もシャワー浴びてくるからね」と、優しく愛美に言うと部屋を出て行った。
夏の汗ばんだ身体にエアコンの冷気が当たり愛美は平柳が出てくるのを待った。
平柳は愛美の借りているバスローブより少しゆったりした物を着、肩に掛けられたブルーのバスタオルで頭を拭きながら出てきた。
紐は胸が少し見える程度にゆったりと結ばれている。愛美はその姿を見ると再び胸の高鳴りを覚えた。
平柳は愛美の横に座りそっと肩を抱き寄せた。クラッシックの流れに愛美の身体も平柳にゆだねられた。
「愛美ちゃん・・向こうへ・・・行こうぉ?」
そう言うと、そっと愛美を引き寄せリビングから別の部屋へ移動した。
そこは、10畳ほどの寝室兼書斎になっており、クローゼットと本棚が壁に備え付けられていた。机の上には雑然と置かれた書類のファイルと、その横のラックにはディスクトップのパソコンとプリンターが置かれてデータ入力されたCDもケースに収められ丁寧に置かれていた。愛美は、平柳の私的な内面を目にした瞬間だった。
ベッドは朝起きたままの状態で、平柳の生活観が溢れていた。 愛美と平柳はそのベッドの上に倒れるように横になった。 「2ヶ月ぶりだね・・」と平柳が言った。 「うん、本当・・もうこうして会えないのかな・・って思ってた・・。」
「そんなことはないよ、ただ忙しく時間が取れなくて・・」 「うん、分かってる・・無理しなくていいですから・・」
愛美は少し寂しそうに答えた。 「愛美ちゃん・・私とこうなったこと・・後悔してない?」
「えっ!どうしてですか?!私・・後悔なんて・・だって部長のこと、看護師になったときから尊敬していたし、信頼もしていました。だから・・・だから・・最初はびっくりしたけど・・だけど後悔なんてしてないし・・これからもしないです。」
「そうかぁ・・ありがとう・・こんなおじさんだけど私も愛美ちゃんが大好きで愛しい・・愛してる・・」
そう言うと平柳は愛美を強く抱きしめ身体全体を愛撫し始めた。
そして愛美のバスローブの紐を外した。その時・・そこにはブラがあった。
平柳は優しい微笑で「愛美ちゃん・・可愛いね・・」愛美はどうしてよいか分からなかったので下着を着けていた。何も着けないでいるとふしだらに思われそうだったからである。
「愛美ちゃん、私の前ではもっと大胆な女でいていいからね。でも可愛いよ」平柳はそんな真面目というかウブな愛美が愛おしくてならなかった。
ヒンヤリとエアコンの効いた部屋なのに二人にとっては灼熱に似た恋の炎と化していった。
デジタルの数字が12:15分を示した。 「もう、翌日になっちゃった・・・ね」 平柳の右手で腕枕をされている愛美は平柳の首筋に自分の右手でそっとなぞって言った。
「そうだね。今夜は泊っていいから・・。」 「うん・・。」 愛美は幸せに浸った。 絶頂を終えた二人にエアコンの冷気はすこし涼しく感じ、夏掛け羽毛に覆われていた。
「私も久しぶりだょ・・・こんなに女性を愛したのは・・・」
平柳はポツリと言った。50を過ぎた男にとって女性を抱くことは若い男と違いリスク高い。ましてや平柳のように数年・・いやもっと・・・性交渉が無いでいると行為自体に不安が募るのである。
女性を満足できるか・・。愛美は平柳にも抱える不安があるのでは・・と察した。しかしそれを聞いてはいけない・・彼から話してくれるまで待とう・・そう思った。そう思った瞬間、平柳がまるで子供のように母性を感じた。
そう感じた瞬間愛美は、再度平柳を求めようと横たわる平柳にキスした。目を閉じるているその表情は穏やかだった。そして首筋・肩・・胸・・とキスした。その度に愛美の乳房が平柳に触れ徐々に平柳の鼓動も波打っていった。
愛美が平柳のヘソにキスしたとき、そっと愛美の頭を平柳の手がもっと下へと招いた。
「・・・」
愛美はそれを感じた。もちろん初めての行為だ。できるだろうか・・。
心配だった。どうやったらよいのか・・。初めて目の前にするモノを手で触った。柔らかだった。聖地に入り込む時とは全く違い小さくふにゃふにゃだ。これがあんなに・・・。
しかしぐったりしたモノを愛美の手が上下する度に血管に勢いよく流れる流血を感じた。平柳は両手で愛美の髪を撫で「愛美・・口で・・・」と、囁くように言った。
愛美は顔を下げ一握りできるくらいのモノをそっと口に含んだ。
その瞬間平柳の口から吐息が漏れた・・。
愛美も愛してる実感だった。私の愛撫で感じてくれてる・・・愛美は無我夢中でモノを舌で絡めながら吸い付いたり上下に動かしまるでキャンディでも嘗め回すように愛撫した。
すると次第にモノが硬くなり口に入れるのがやっとなほどになっていった。
愛美の勢いが少し落ち着くと平柳は愛美をそっと抱き上げ自分の上に押し上げた。 愛美は平柳を跨ぐような姿勢に馬乗りになった。
平柳は愛美の腰を少し上げさせ硬くなったモノをそっと聖地に入れさせようとした。愛美の聖地は平柳のモノを愛している間に十分過ぎるほど濡れ、一度達したとは思えないほど溢れんばかりになっていた。
平柳は聖地の入り口でモノを優しく擦り合わせた。愛美は欲望が止め処なく押し寄せ平柳のモノを自ら招き入れていた。再び二人は重なり合った。しかし先ほどの絶頂とは違った。平柳の動かす腰の動きに愛美も自分の腰を揺らした。その度に露になった愛美の乳房が小刻みに揺れ、それが平柳の興奮を重複させた。平柳は愛美の乳房を下から両手で揉み上げた。その度に愛美も喘いだ。聖域に入り込むモノも奥深く突かれ頭の先から爪先まで激し電流が流れた。 「あぁぁ・・」
平柳も喘いだ。 愛美は言いようもない快感が身体全体を流れた。その瞬間聖域から流れ出る暖かいモノを感じ平柳の上でぐったり倒れた。それは自分自身からのモノだった。平柳は優しく愛美を抱きしめた・・・。
「感じたぁ?」平柳の言葉が遠くに聞こえしばらくして我に返った。
「う・・ん・・」
ぐったりした愛美は恥ずかしそうに平柳の顔を見上げた。
平柳は目を細めながら愛美をみて優しく髪を撫でた。 愛美は自分の聖域がピクピク痙攣しているのを感じた。と、同時に平柳のモノがまだしっかりと自分の聖域に納まり、硬く大きく入り込んでいることに気付いた。 平柳はそのまま愛美を下に向き変えた。二人は重なったままだ。その時
「冷たい・・」と愛美は感じた。
「愛美が感じたしるしだよ・・」
「えっ!うそ・・・」
平柳は女も溢れることを教えてくれた。愛美は恥ずかしかったが自分も平柳を愛しているという証を知った。
平柳は再び愛美の上で愛し合った。この年齢で一晩に二回は考えもしなかったが、愛美への愛がそうさせた。経験の数は多く無いが、愛美を悲しませることはしないように心がけていた。大阪の時もそうだったがティッシュの中で済ませた。今夜もそのつもりでいたが二度目はそれが間に合わず愛美の腹の上に放出してしまった。
「ごめんね・・愛美・・」
愛美は「平気だよ・・どうして誤るの?愛しているし恥ずかしくないよ・・」 と、その液体を手のひらで撫でながら微笑んだ。
さすがに体力を消耗した平柳は愛美の横に倒れこみそのまま眠りについた。 愛美はその寝顔をまるで赤ちゃんを抱き抱えるように両手で抱きしめ、胸に押し寄せて自分も眠りについた。
朝、先に目覚めた愛美はシャワーを浴びた。昨夜の燃えるような快感とは違い満足感に満ち溢れていた。
そして少しずつ平柳の色に染まっていく自分を確信した。
5時34分・・デジタルの数字が時を刻む。
愛美は洋服に着替え生活観の無いキッチンに立った。
きっと毎朝コーヒーで済ませているのだろう。知っていたら何か用意してきたのに・・と思い、冷蔵庫を開けた。中には卵とハム、きゅうりなどがあった。仕方なくそこにある食材で用意した。
アラームが鳴ると、まだ眠たそうな顔で平柳が起きてきた。
「愛美ちゃん、おはよう。」
「おはようございます。」
リビングにはコーヒーの香りが立ち込めていた。
「あなた、シャワー浴びてください。」
愛美は笑顔でおどけながら平柳の背中を浴室へ押した。
「はい、はい、奥様」
平柳も調子を合わせてそう答えた。
シャワーを浴びてすっきりした平柳は「毎朝自分で入れるコーヒーとは違って愛美ちゃんが入れてくれるとブレンドがオリジナルに変わるなぁ〜」そう言って、一口飲んだ。
そして「毎朝この状況が続けばいいのに・・」と、平柳は心で思った、そう・・思うだけだった。
有り合わせの材料で作ったスクランブルエッグと野菜を切ってハムで巻いたベジタブルロールの朝食にも平柳は感動してくれた。二人は他愛も無い会話で朝から盛り上がり、まるで若いカップルのように平柳も愛美からパワーをもらい朝からウキウキしキスした。
とてもこのまま仕事をすることが勿体無く感じたがそれは大人の男性、医科部長という立場を把握している。
「愛美ちゃん、私は先に病院へ行くけど、君は遅番だからゆっくりしてていいよ。鍵はオートだから特別することはないし、ね。」
「うん・・」
愛美は少し寂しそうに応えると、後ろから平柳を抱きしめた。真夏の日射しが二人を包んだ。
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