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作品名:見えない城 作者:ながいみち

第13回   13
ホテルに着きフロントで鍵を受け取りレベーターで5階に上がった」

「部長の部屋は603だから・・この上かぁ・・」

愛美たちの部屋は5階だった。

愛美は502号室なので隣がきっと先輩看護師らの部屋なのであろう。

平柳医師たちは常に学会の情報を入手できるように大阪に泊まる時は6階のLAN回線が無料で使える部屋に宿泊する。いつもそうだった。

愛美は鍵を開け部屋に入り、明かりを付け荷物を置いた。

「はーっ・・・」

ベッドに倒れ込んだ愛美はカーテンの空いた窓の外を眺めた。

新幹線の行き交う音がかすかに聞こえたが、ビジネスホテルとは言え、学会で利用するだけにランクは高かく、ベッドの寝心地もなかなか良かった。

愛美は立ち上がり窓のカーテンを閉めた。

時計を見ると9時半を過ぎていた。

「やだ!もうこんな時間!シャワー浴びなくっちゃ!」

愛美は持ってきた荷物から勝負下着ではないものの、新品のブラパンを取り出し、慌てて浴室に入った。

シャワーに打たれながら、心のどこかで平柳の愛情を感じ取り、女として受け入れてもいい・・と、決心していた。

丁度10時に愛美は自分の部屋を出た。都合よくまだ皆は帰って来ていないようだった。

愛美はエレベーターのボタンを6階に指定して扉を閉めた。たかが1階上がるだけで長い時間のように感じた。

「603・・・」

扉が開くと部長の泊まる部屋は直ぐ分かった。

ドキドキする心臓を押し込めノックをした。

「コンコン・・」

返事は無く直ぐ扉が開き、白いバスローブを羽織った平柳が笑顔で愛美を部屋に寄せ入れた。


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