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作品名:見えない城 作者:ながいみち

第10回   初めての恋
朝、愛美のマンションから准一が出て行ってからかれこれ4時間が過ぎようとしていた。

バイト明けの日曜なだけに体がだるい。
しかも今夜もバイトだ。土日だけのバイトだがやはりきつい。
しかし、これを辞めては生活に困る。愛美は出来る限り平日を十分休息に充てた。その為か准一が愛美のマンションへ泊り込むこともしばしばあった。

「そっかぁ、今日は釣りに行くって言ってたっけ・・・。」

愛美は高く上った日差しを眩しそうに細めた。

愛美のベッドは簡易ベッドで普通のサイズより一回り小さい。
しかし彼女にとってそれは十分な広さであり何より低価格なところが気に入って購入したのだった。
しかし准一が愛美の部屋に泊る時はそうはいかない。
二人は抱き合うようにして眠りにつく。ただそこに至るまでの経緯にこの狭い愛の場が好都合なのはいうまでも無かった。


愛美と准一が初めて愛し合ったのは付き合い始めて1ヶ月ほどしてからである。

愛美がバイト先から帰る途中、書店でばったり出会ったあの夜二人は、お互いのバイクを転がし話しながら帰った。

「飲酒運転じゃないの?だめでしょう!」
「僕、飲まないから・・・」

「へぇ〜そうなんだ、私もアルコールはいまいち苦手・・・似てるね。」

二人はバイクを引きながら、他愛も無い会話をして3〜40分かけてそれぞれのアパートへ帰った。




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