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作品名:SEASON 作者:けん

第1回   二人のハジマリ
(驚いたな、まさか行き成りあんな事を言われるとは・・・・・。) 
 さくらが舞い散る季節、僕は高校の入学式を終えて家に帰るところだった。春は季節の中で一番好きだ、理由は暑くなく寒くないポカポカしていて昼寝をするにはもってこいの季節だからだ。 
お腹がすいて早く家に帰ろうと少し足取りを早くしていたが、ふと目が公園の桜の木に留まり、  それに伴い僕の足も静かに止まった。
(やっぱり桜はいいなぁ。)
 僕が住んでいる地域の桜は日本で一番綺麗に咲くと有名な名所だ。特に僕の家から車で約二十分ぐらい行った所にあるとても広い公園は、桜の木が上から見ると、調度{回}の形で公園に綺麗に植えられている。そこには毎年多くの人達が集まって大変賑やかになる。人が集まるという事はゴミが多く出ることであり、この地域の人達は桜の木を大切にしようと毎年綺麗に掃除をする。僕の両親も何回か掃除に出かけていたみたいだ。そこまで行かなくても結構桜は見れるわけで僕はこの小さな公園の桜で満足していた。すると今の状態を教えるようにお腹が大きな音で鳴った。
(そうだ、昼ご飯。)
 僕は止めていた足をまた動かし始めた。後少し我慢すれば家に着く。実は僕の家は高校から歩いて二、三分程で着くぐらい近い場所にある。この高校に決めた理由が近所だからだったなんて、家族以外に恐らく中学の担任とあいつぐらいにしか言ってはいけないだろうな。
「ただいま。」
 帰ってくるなり台所に行き鞄を椅子の上に乗せて僕も椅子に腰掛けた。
「お帰り、今日はごめんね、入学式に行けなくて。入学式はどうだった?クラスに可愛い子いた?」
「今日初めてあった子が多いのに、そんな事よく覚えてないよ。それより昼飯はもう作ってるの?」
 と言い、今はそんな高校の話よりこれから僕が食べる昼飯の話の方が大事なんだよと言わんばかりに僕は母さんに訴えかけた。
 「ごめんね、今から作るところなのよ。焼きそばでいいわよね?すぐに作るから部屋に行って着替えてきなさい。」
 なんてこった、まだ僕は昼飯にあり付けないのかと思いながら階段を上がり自分の部屋に入ると鞄を投げ捨てベットに倒れこんだ。
(ホントに可愛い子なんているかどうかわからなかった。けどあの子は自分の頭の中に刻まれる様に忘れられないな。) 
     ごめん、ここから下りてどっちに行けば○○町に行けるのかな?
     そう、ありがとう。でもこんな場所に私と同じぐらいの子がいるなんて思っても見なかった。
     なんだかあなた・・・・・いや、何でもないわ。じゃあ私行くね。あ!そうそう、一応名前ぐ        
     らい言っておくね。私は・・・・・・・
「ご飯できたわよ。早く下りてきなさい。」
 母さんの声に僕は飛び起きた。どうやら寝ていたようだ。
(さっきの夢は何だったんだろう。まぁいいかそんなこと。それより昼飯だな。)
 僕は階段を下りて行った。

(私ったらまたやっちゃったよー。あの子絶対私の事変な人だなと思ってるんだろうなぁ。)
 今日は入学式だった。新しい制服に身を包みこれから3年間通うことになるであろう高校に第一歩を踏み込んだ日だった。そんな素晴らしい日なのに、みんながキラキラ輝く青春を送ろうとしている初日なのに、私はあの子に何て事を言ってしまったのだろう。
(けど終わったことを気にしてもしょうがないよね、途中で先生が来て気が動転して逃げちゃったけど、明日会ったときに理由を言って謝れば大丈夫よ。でもやっぱり私の事変な子だって思ってるかな?いや、ちゃんと話し合えば分かり合えるはずだよね、結構優しそうな子だったし。)        
 と考えながら私は家に向かって自転車を漕いでいた。家までは自転車で二十分ほどかかるけど私にとってはたいした距離ではない。自転車に乗るのが好きだからだ。
 自転車でさまざまな場所を行ったりするのが好きでよく知らない場所にも計画なしで出発して道に迷い夜遅くに帰ってきて親によく叱られたりした。母は
「別にどこにも行くなとは言わないけど、地図とか持参してちゃんと時間通りに帰れるようにしなさい。」
 と言うが、私は
「分かってる道を進んだって全然楽しくないじゃないの!」 
 と言い返し、母に呆れられた事は言うまでもない。父は無事に帰って来たんだからいいじゃないかと寛大な心で迎えてくれるが、その言葉に母は反応し、また言い合いになったりする。まぁ一方的に母が喋って終わりになるんだけどね。けどなんだかんだで一日経たないうちに何事もなかったように落ち着くのがウチのいいところだ。
 そう考えているうちに高校を出発してもう20分ほど経ったのか家が見えてきた。庭に自転車を止めて玄関を開けようとすると
「あれ?閉まってるな。あぁそうか、今日はお母さん近所の人達とご飯食べて帰って来るんだった。」
 なんて無責任な親だと思うところだけど、まぁテレビを見ながらお昼を食べられると思うと、別に嫌でもなかった。母はテレビを見ながら食事するのは行儀が悪いと言っているので食事中はいつもテレビはつけないのだ。
「今日はホットケーキにしようかな。」
 玄関を自分で持っていた合鍵で開け、部屋に行き制服にシワができないように綺麗にハンガーにかけて服を着替えた。高校の制服は結構可愛く今日朝着たときは、胸がドキドキしたものだ。    
(頑張って勉強してこの高校に入学出来てよかった。お父さんもお母さんもまさか合格出来るとは思ってなかったもんね。私だってやったら出来るんだから。)
 服を着替え終えて台所でさっそくお昼ご飯を作り始めた。作りながらふと今日の事を思い出していた。
「えっと、あの子なんて名前だったかな。変わった名前だったような、確か・・・・風!秋谷風!」


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