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作品名:ココロの傷。 作者:maru

第15回   15
ある日、母が私に「お父さんと離婚しようと思うんだ。」と言ってきた。

息子がいなくなって、もう何もかも嫌になってしまったのかもしれない。

今の私だったら「お母さんが思ったとおりにすればいいと思うよ。」なんて言ってあげたかもしれないが

その頃の私は「お兄ちゃんが死んじゃったのと、離婚するのは全然違う話じゃん!」と

怒ることしかできなかったんだ。

両親の離婚は反対したにしても、もう少し話をちゃんと聞いてあげれたらよかった。

でも、その頃の私がしたことは家を出ることだった。

兄がいなくなってしまって、夫婦が向き合わず、私にばかり向いてしまっていたのが

つらかったんだ。

家を出ると言った時、母をまた泣かせてしまった。

けれど、2人きりになれば自然と夫婦で向き合えるんじゃないかと思ったんだ。

そういう一方で、ただ自分が逃げ出したかっただけだったんだと思う。

そして私は兄を失い、

結婚の約束をした彼と別れ、

会社を辞め、

実家から出た。

まったくの一人になったのだった。


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