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作品名:ココロの傷。 作者:maru

第11回   11
病院に着くとすぐ両親がいるのがわかった。こんな時間にほかに人なんていない。

泣きじゃくる母を見て、何も聞きたくないと思った。

ひょろっとした男が、もう一人の男に支えられてうなだれて私たちのほうにやってきて謝った。

この人が加害者なのか?

何となくそう思った。

それよりも今は、兄のことが気になって私も父も母もただ黙って待ち続けた。

しばらくすると、医師からの状況説明があると看護婦に呼ばれた。

最善を尽くしたが、頭を強く打って意識が無く厳しい状況だというようなことを淡々と語っていたような気がする。

兄は意識がなかった。

さっきのひょろっとした男が飲酒運転をしていて、仕事帰りに駅から歩いて帰ってくる兄を跳ね、逃げたのだそうだ。

ようはひき逃げだ。

でもすぐに警察に捕まったらしい。

でもそんなことはどうでもいい。

兄の頭がい骨は割れてしまったのだそうだ。

最悪の予感がした・・・。

誰も何も言わなかった。

ただただ母が泣きながら祈っていた。


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