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作品名:ラビリアンファンタジー 作者:ディオス

第88回   第八十七話 竜の架け橋作戦 No2

ベンヌの後部へ回り込みレーザー砲を破壊したマサシ達。だがレーザー砲を破壊した直後、大型のミサイルがマサシ達に向けて放たれた。

「何だあの大きなミサイルは?」

ベンヌの中から姿を現し、自分達に迫ってくるミサイルを見たマサシ。

「何であれ、あたし達を狙ってるって事は間違いないはずだよ」
「ああ、じゃあ落とすとしますか!」

マサシが右手をミサイルに向けると、右手に黒い光が集まり出した。

「ダークネスアロー!」

右手から黒い矢が放たれ、ミサイルに向かって放たれた。そしてミサイルに命中、黒煙がミサイルを包み込んだ。

「よし、行くぞ!」

ミサイルを破壊し、再びベンヌに向かおうとした、その時。

「マサシ、前!」
「え?」

自分の後ろにいたジゼルに前をみるように言われて再び前を見るマサシ。すると、撃墜したはずのミサイルが黒煙の中から飛び出して再び自分に向かってきた。

「なにぃ!?」

ミサイルが命中する瞬間にマサシはギリギリで回避した。

「ど、どうなってるんだ?確かにダークネスアローは命中したのに?」

マサシが驚いていると、なんとミサイルはUターンして再びマサシに向かってきた。

「ゲゲッ!戻ってきやがった!!」
「マサシ、下がって!」

ジゼルがマサシとミサイルの間に入り翼を大きく広げた。

「レインフェザー!」

ジゼルの翼から銀色の羽が放たれミサイルを攻撃した。しかし羽が命中する直前にミサイルの前に六角形の黄緑色をした半透明の光の板が現れ攻撃を防いだ。

「あ!アレは!」
「ステルス・ヴァルキリーが使っていた防御兵器!」

マサシとジゼルはロードグラン城で変わり果てたステルス・ヴァルキリーとの戦いで彼女達が使っていた兵器を思い出していた。そして二人はミサイルを回避し少し離れていたユウタとシオンの下へ飛んだ。

「大丈夫か二人とも?」

ユウタが心配して二人に尋ねると、マサシが少し汗を垂らしながら言う。

「ああ、大丈夫。少し驚いてるだけだ・・・・」
「お前が驚くなんて、一体どうしたんだ?それにあの大型ミサイルは・・・・」

ユウタがミサイルの方を見ると、なんとミサイルは再びUターンしてマサシ達に向かってきたのだ。

「おい!また戻ってくるぞ!」
「何だって!?」
「ウソ!」

再び自分達に向かってくるミサイルを見て驚くマサシとジゼル。二人は驚きを隠せないでいた。無理もない、攻撃が効かず、避けても何度も自分達に向かってくるミサイルなど今まで見た事なかったのだから。





ベンヌのブリッジでは大型モニターでミサイルから逃げ回るマサシ達をゾークが笑いながら見ていた。

「フフフフ、我が社が開発した対契約者用の赤外線ホーミングミサイル『グングニル』を見て驚いているようだな?神竜隊」

腕を組みながらモニターを見ているゾークにオペレーターが語りかけた。

「あのグングニルは生物の赤外線、つまり体から出る熱を感知し目標に命中するまで追い続ける高い追尾機能が備わっています。更に敵の攻撃で破壊されないよう、ステルス・ヴァルキリーに装備されている防御兵器と同じ物が装備されています、決して落とされる事はありません」
「うむ、その上あの防御兵器は目標に命中する直前まで常に起動し続ける。つまり命中するまであのバリアが消える事はない、消える時は獲物を仕留めた時だけだ」
「これで奴等もおしまいですね」
「だがまだ3匹残っている、残りの3匹にもグングニルを放て」
「ハッ!」

オペレーラーは機械を操作しグングニルの発射準備を始めた。





その頃マサシ達はグングニルを落とそうと必死で攻撃し続けていた。しかし、やはりグングニルには攻撃は効かなかった。

「クソッ!これだけ攻撃してるのに壊れないなんて、何なんだあのシールドみたいなやつは!?」
「恐らく、ヘルデストロイヤーが開発した新兵器だろう。ロードグランで戦ったステルス・ヴァルキリーも同じ様な兵器を持ってたからな・・・・」

破壊できずに悔しがるユウタに説明するマサシ。

「新兵器・・・・奴等(ヘルデストロイヤー)の技術はそこまで進んでいるのか・・・・」

ヘルデストロイヤーの技術力に驚きながらグングニルを睨むユウタ。すると、少し離れた所を飛んでいたジゼルが大声でマサシとユウタに語りかけてきた。

「二人とも!ベンヌからまた何か出てきたよ!」
「「何だって?」」

声を揃えるマサシとユウタは同時にベンヌの方を見た。そしてグングニルが放たれた場所の装甲が再び開き、中から何かが放たれた。それはなんと、新たなグングニルだった、それも三つ。その三つのグングニルはそれぞれジゼル、ユウタ、シオンに向かって来た。

「こ、今度は私達に向かってきたわよ!」

自分達にも同じミサイルが迫ってきた事に驚くシオン。

「避けて!」

ジゼルはそう叫んで大きく回避した。それに続いてユウタとシオンも回避行動を行った。だが最初のグングニルと同じように新たに放たれた三つのグングニルもUターンして三人を追尾しだした。

「チッ!一つだけでも厄介なのに、それが四つになっちまった!」
「どうしようマサシ?」

マサシの隣まで飛んで来たジゼルは今後の事を訊く。しかし、今の彼等にはのんびり会話をしている余裕すらない、二つのグングニルがマサシとジゼルに迫ってきた。

「ひとまず逃げるぞ!今後の事は逃げながら考える!」
「う、うん!」

二人は同じ方向に逃げ、グングニルも二人の後を同じ速度で同じ軌道を追っていく。ユウタとシオンも同じように逃げ回っていた。

「全く!本当にしつこいな!」

ユウタが逃げながら追って来るグングニルを見た。

「一体いつまで・・・・ん?」

グングニルを見ていたユウタは二つのグングニルが徐々に幅を狭めていく事に気付く。そして次の瞬間、二つのグングニルはお互いに接触した。だが防御兵器のバリアによって二つのグングニルはまるでビリヤードの球の様に弾き合い、大きく軌道がずれた。

「!!」
「どうしたのユウタ?」
「あのミサイル、常にシールドを張っているのか?」
「え?」
「じゃあどうやって俺達を仕留めるんだ?」
「ど、どうしたの突然?」

突然ブツブツ独り言を言い出すユウタを見て少し驚くシオン。そしてしばらく考え込んだユウタはハッと顔を上げた。

「もしかして!」
「え?ええ?」
「シオン、マサシとジゼルの所に行くぞ!」
「い、一体どうしたの?説明は後でする、行くぞ!」

そう言ったユウタは一気に速度を上げた。

「ちょ、ちょっと待って!」

慌ててユウタと後を追うシオン。グングニルも軌道を直し再びユウタとシオンの後を追った。そして二人はマサシとジゼルの二人と合流した。

「おい、マサシ!」
「ユウタ、どうしたんだ?」
「もしかしたら、あのミサイルを落とせるかもしれない!」
「何だって!本当か!?」
「ああ、多分な」
「それで、どうするんだ?」
「まず、あのミサイルなんだが、さっき二つのミサイルがお互いに接触した時にあのシールドでお互いを弾き合ったんだ」
「?」
「つまり常にシールドを張り続けているって事だ」
「それじゃあ、どうやってあたし達を攻撃するの?」

ジゼルも話しに加わってユウタに尋ねた。ユウタはジゼルの方を見て答える。

「シールドを張った状態じゃ無理だ。だから必ず俺達に命中する前に必ずシールドを解くはずだ!」
「なるほど・・・・それで、どうやってあのミサイルを落とすんだ?」
「いいか、作戦はこうだ」

ユウタはそう言って三人の作戦の内容を話し出した。

「なるほど、それなら落とせるかもしれないな」
「だろ?」
「でも、その作戦はちょっと危険じゃない?」

作戦の内容を聞いて、危険だと思い少し納得できないシオン。

「でも、今はそれしか作戦が思いつかいなんだから、やるしかないよ」

ジゼルに言われてシオンも少し考えて頷いた。

「そうね、今は時間がないんだもの、危険だの安全だの言ってられないわ!」
「よし、じゃあユウタの作戦で行くぞ!」


マサシの方を見て同時に三人は頷いた。対契約者用の追尾ミサイル「グングニル」。マサシ達はどのような作戦でグングニルを落とすのだろうか!?


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