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作品名:ラビリアンファンタジー 作者:ディオス

第84回   第八十三話 開戦!ユピローズ大戦!

遂にヘルデストロイヤーの大軍団が姿を現した。ライトシンフォニアはヘルデストロイヤーを迎え撃つ為に戦闘態勢にはいる、いよいよライトシンフォニアとヘルデストロイヤーの決戦が始まろうとしていた。

「まさかフルプ迷彩で姿を隠していたとは・・・・」

フルプ迷彩で姿を消しているベンヌを見て低い声を出すマサシ。ジェット輸送機のフロントガラスには戦闘機部隊しか映っていないが、モニターを見ると光学カメラで捉えた場所にはベンヌがハッキリと映っていた。

「姿を隠しているんじゃこちらの攻撃は効かないよ、どうするの?」

ジゼルがマサシにどのように攻撃するかを訊くと、マサシは低い声から元の声に戻してジゼルの方を見て言った。

「それなら大丈夫だ、奴は必ず攻撃する時フルプ迷彩を解く」
「どうして分かるに?」
「いいか、フルプ迷彩は周囲の光の屈曲率を変えて姿を隠す最新型のステルス装置なんだ」
「く、くっきょくりつ?」
「あ〜、何て言やあいいかな?つまりだ、自分の周りの光を曲げて敵の視界に入らないようにするんだ。それは敵だけじゃなく、味方も同じだ、つまりそのまま姿を隠していれば戦闘が始まった時に味方にも姿が見えないから自分を確認できない仲間とぶつかっちまう可能性もあるんだ。だから必ず戦闘が始まる時には同士討ちとかが内容に必ず姿を見せる」
「・・・・・・」
「分かったか?」
「う〜ん、なんとなく・・・・」

苦笑いしながら答えるジゼル。その時二人の後ろにいたコンタが笑いながら言った。

「マサシの説明は分かり難いからしかたないよ」
「悪かったな」
「フフフフフ」

二人の会話を笑いながら見るシオン。その時エミリアが真剣な顔でマサシ達の方を見た。

「皆、いよいよヘルデストロイヤーとの決戦が始まるわ。これから第6師団の戦闘機隊が私達を敵要塞機ベンヌまで導いてくれる。そして第7師団がベンヌの装甲に穴を開けます。穴が開いた後、ユウタとシオンがレベル・5を発動させて私達を乗せてベンヌ内に突入、そしてブリッジを制圧します。地上部隊はユピローズ王国の傭兵と王宮騎士団と供に地上のたちを迎え撃ってくれるわ。私達は自分達の役目に集中する事。いいですね?」
「「「ハイ!」」」

神竜隊とついて来た特殊部隊は声を揃えて返事をした。そしてエミリアはコックピットの通信機を取り、全ての部隊に通信を流した。

「これより、我等ライトシンフォニアとヘルデストロイヤーとの最終決戦が始まります。これは私達ライトシンフォニアだけでなくこのラビリアンに住む全ての人々の運命が掛かってます、決して負けるわけにはいきません!私達の持てる全ての力で彼等を迎え撃ち、この世界を守りましょう!」

戦闘機に取っているパイロット、地上部隊のライトシンフォニアの傭兵達は一斉に叫び、勝利を誓った。





その頃、ベンヌのブリッジではゾークが椅子に座りながら大型のモニターに映るライトシンフォニアの軍団を見ていた。そして自然の四塔(フォースド・ガイア)が全員がゾークの後ろに付いていた。

「遂に始まるのか」
「ウフフフ、楽しみぃ♪」
「楽しみ、か・・・・お前らしいな」
「この戦いで奴等との因縁も終わるんだ、楽しみなのも分かる」

戦いが始まる事で気合を入れるゴードン、戦いを楽しみにするサヤカ、そんなサヤカを見て呆れるリーズ、サヤカの考えに同意するハヤテ、それそれの考えを口に出しながらモニターを見ている。そしてゾークも自分の思っている事を口にした。

「この戦いが片付けば我々ヘルデストロイヤーはこの世界の支配者となり、全ての人間が我々に跪く(ひざまずく)のだ」

ピピピピッ。突然何かの発信音が聞こえ、ゾークは椅子についているスイッチを押す。すると大型モニターの画面が変わりUrs(ウルス)の顔が映った。

「どうしたUrs?」
「社長、各部隊が配置に付きました。後は社長の合図をだけです」
「そうか、分かった」
「ところで、本当によろしいのですか?」
「何がだ?」
「俺と自然の四塔がこのベンヌに残って?いくら90000もの戦力があるとはいえ、ライトシンフォニアはこの国の全ての人間を味方をしています。地上部隊や外の護衛の戦闘機部隊だけでは奴等を止めるのは難しいかと」
「うむ・・・・」
「それに神竜隊という厄介な奴等もいます。もし奴等が地上部隊や外の戦闘機部隊を相手にしていたら、すぐにこちらが不利になるのでは?」
「その心配は無い、奴等は必ずこのベンヌを落とす為にやってくる、その時に奴等を仕留めればいい。奴等が死ねば敵(ライトシンフォニア)は崩れる。それまで外の連中は生物兵器や他の契約者に任せればいい」

どうやらゾークはエミリアの考えをよんで既に対策を立てていたようだ。ヘルデストロイヤーの最高戦力と言えるUrsと自然の四塔をベンヌで待機させているようだ。

「分かりました、では我々はこのままベンヌにて待機します」

そう言ってUrsはモニターを消し、モニターは再びライトシンフォニアの部隊を映す画面に戻った。

「さて、始めるか」

ゾークは立ち上がりモニターに映るライトシンフォニアを指差した。

「これより我々はライトシンフォニアの軍団に総攻撃を仕掛け、ユピローズの首都サンドリアを制圧する。全軍前進!!」

ゾークの合図と供にベンヌのフルプ迷彩を解除し、戦闘機部隊、地上部隊は前進し始める。





「エミリア様!ベンヌが姿を見せました、護衛の戦闘機部隊も前進を始めました!」
「遂に動いたわね・・・・」

エミリアは再び通信機を取り全ての部隊に通信を流した。

「全軍!前進開始!!」

エミリアの命でライトシンフォニアの部隊も前進を始めた。第6師団の戦闘機部隊がベンヌに向かって前進する。へルデストロイヤーの戦闘機部隊も向かってきた。ライトシンフォニアのイーグルがヘルデストロイヤーのハリアーUを次々に撃墜していく。だがハリアーUも負けずとイーグルを撃墜していった。

「戦闘機撃墜率13%、敵戦闘機撃墜率15%!」
「ここまでは五分五分だな・・・・」

マサシは自分の席に戻って撃墜率を聞き目を鋭くする。第6師団の戦っている場所から離れた所を飛んでいるジェット輸送機の外では主力部隊の戦闘機部隊が護衛につき、第7師団の戦闘機部隊は主力部隊の前をゆっくりと飛んでいた。





その頃、地上ではライトシンフォニアの地上部隊がヘルデストロイヤーの地上部隊を迎え撃っていた。地上部隊を指揮していたのはパラメドラ方面の司令官をしていた市松大佐だった。

「第4中隊から第6中隊は10時の方向の部隊を迎え撃て!」

市松は戦場から少し離れたところにある丘の上の装甲指揮車からレーダーを見ながら各部隊に指示を出していた。

「大佐、第2中隊の損傷率が60%を超えました」
「第3中隊を援護に向かわせろ」
「了解!」

装甲指揮車に乗っている女性オペレーターが市松に状況を報告し市松が的確な指示を出す。すると、女性オペレーターの隣に座っている男性オペレーターが市松に話しかける。

「大佐、ユピローズの王国騎士団が到着しました。指揮官のセリーナ隊長がおこしです」
「分かった」

市松は装甲指揮車のハッチを開けて外に出た。目の前にはセリーナと馬に乗った数十人の騎士がいた。

「ライトシンフォニア地上部隊第2師団指揮官の市松カズオ大佐です」
「ユピローズ王国王家護衛隊長のセリーナ・カリセリナスです」

市松がセリーナを見て敬礼すると、セリーナも一礼をして挨拶をする。

「これより我々ユピローズ王国第3王国騎士団は貴方の指揮下に入り共にヘルデストロイヤーを迎え撃ちます」
「助かります!他の師団のほうはどうなっていますか?」
「我々と同じように他の騎士団が救援に向かいました、心配ありません」
「そうですか、では貴方達は12時の方向から向かってくる敵部隊をライトシンフォニアの第8中隊と共に迎え撃ってください」
「承知した!行くぞ!」

市松から指示を受けてセリーナは部下を連れて戦場へ馬を走られた。





市松が指揮をしている部隊から少し離れた場所では坂木大尉の指揮している部隊が別のヘルデストロイヤーの部隊を迎え撃っていた。

「戦車隊、てぇーー!!」

坂木の命令で3台の90式戦車が一斉に主砲を発射した。主砲は敵のM1戦車に命中し爆発した。

「よし!皆、このまま敵の進軍を食い止めろ、一人もここから先に進ませるな!」
「「「ハイ!!」」

90式戦車
90式戦車は74式戦車の後継として開発された、陸上自衛隊において国産3代目となる主力戦車である。陸上自衛隊の戦車。61式戦車のすべてと74式戦車の一部を更新するため、2007年までに約300輌が調達された。製造は三菱重工業が担当し、価格は1輌辺り約8億円と言われている。44口径120mm滑腔砲と高度な電子機器などによって構成された国産の射撃管制装置により、高い射撃能力を持つ。ベルト式弾倉を持ち、西側諸国の第3世代戦車では初となる自動装填装置を採用したため、乗員は装填手が削減され三名となっている。

坂木の声を聞き力強く返事をする傭兵達。

「大尉!」
「どうした?」

坂木の後ろから一人の傭兵が慌てた様子で走ってきた。

「報告します!こちらにヘルデストロイヤーの3個中隊が接近中との事です!」
「3個中隊!?こちらはわずか1個中隊、2個も多いんじゃ勝ち目はない・・・・どうする・・・・」

坂木が腕を組んで悩んでいると、何処からか陽気な声が聞こえてきた。

「ちょっとちょっと、そこのアンタ達ー!」
「「!?」」

坂木と傭兵が声の聞こえた方を向くと、町の方から馬に乗った集団がこちらに向かってくる。よく見ると、それは沢山の傭兵を連れたシンディだった。

「アンタが坂木大尉?」
「そ、そうだが、君は?」
「私はサンドリア傭兵協会のシンディよ、アンタ達に力を貸すわ」
「と言う事は、君達が我々の協力してくれるサンドリアの・・・・?」
「そういう事♪」
「助かる!では我々と共にヘルデストロイヤーの部隊を迎え撃ってほしい」
「まっかせて!」

シンディは親指を立ててグーを作りニッと笑った。遂に始まったヘルデストロイヤーとの戦争。果たしてライトシンフォニアはラビリアンを守れるのか!?


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