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作品名:ラビリアンファンタジー 作者:ディオス

第41回   第四十話 解放作戦開始!!

コルヘルスを解放する為に装甲車を走らせる神竜隊。武術学園の生徒であるガスト達も同行し、イヴルの門へ向った。

「見えたぜ」

再び装甲車を走らせてから3時間、ようやくイヴルの門が見えてきた。マサシ達は門から少し離れたところに装甲車を隠し、装甲車を降りたマサシ達は周りを警戒しながら門へ近付いて行った。

「あれがイブルの門?」
「そうだ・・・・」

茂みから顔を出して門を見るコンタの質問にガストが静かに答える。

「ここから確認できる敵兵の姿は・・・・五人だな」
「俺達が抵抗に使っていた拠点はイヴルの門から少し離れた所にある女子寮なんだ。俺達は奴等の隙をついてイヴルの門を通って逃げたんだ」
「そうか・・・・・・ん?」
「どうしたの?」

マサシが何かに気付き、ジゼルが顔を覗き込み尋ねる。

「アイツ等は・・・・・」
「ん?」

マサシの見ている方に目をやるとそこには赤い髪の女騎士、茶色い髪をして忍者が警備兵と何かを話している。

「マサシ!あの人・・・・」

ジゼルの目に飛び込んできたのは自然の四塔「フォースド・ガイア」のリーズとハヤテだった。

「ああ、なんてこった・・・・・・」
「・・・・・・」

自然の四塔の二人を目にしたマサシとジゼルは驚き、他の神竜隊も驚いている。

「アンタ達、アイツ等を知ってるのか?」
「あんな奴等、私達がコルヘルスを出るときにはいなかったわよ」

ネリーが初めて見るリーズとハヤテをジッと見ていた。

「奴等はヘルデストロイヤーの幹部のうちの二人でリーズとハヤテ。二人ともかなりの実力者だ」

リーズとハヤテを初めて見るガスト達に説明するマサシ。そんな時、ジゼルがマサシにある事を尋ねてきた。

「マサシ、あの二人も契約者なの?」
「ああ、勿論。自然の四塔は全員が契約者なんだ」
「全員?」

驚くジゼル。そんな彼女にユウタがさらに詳しく説明してくれた。

「元々自然の四塔は俺達(神竜隊)を倒すために結成されたんだ、だから全員が契約者なんだ」
「しかも、僕達を倒す為に結成されたって事は、僕達の攻撃パターンや考え方を研究しつくしているんだ」

ユウタの言葉を引き継ぐかのように話すコンタ。

「じゃあ、アイツ等、あなた達より強いの?」
「ああ・・・」

ジゼルがマサシ達より強いのかを訊くと、レイナが静かに頷いた。

「なあ、アンタ達がさっきから言っているヘルデストロイヤーの事、詳しく教えてくれないか?あとさっきから言ってる契約者の事も」
「そうだな、先に話しておいた方がいい・・・・・」

マサシがガスト達にヘルデストロイヤーと契約者の事を説明し始めた。そんな時、イヴルの門のではリーズとハヤテが警備兵と会話していた。

「いいか、奴等は必ずここに来る、気を抜くな!」
「ハッ!」
「しかし、なぜゾーク様は俺達をこんな小さな街に派遣されたんだ?」
「奴等(神竜隊)がやってくることを予想されていたのだろう」
「だからと言って、わざわざ俺達を派遣してまでこの街を守る必要があるか?」
「恐れく『例の計画』のためにこの街の住人を使うつもりだろう」
「なに?では既に・・・・」
「ああ、この街を奪われたら折角の実験体を失う事になるからな」
「恐ろしい御方だな」
「だが、あの御方のやり方なら我々は必ず全てを手に入れることができる」
「心酔しているな」
「そう言うお前こそ」

リーズとハヤテはお互いを見てニヤリと笑い街へと戻って行った。

「・・・・・・」

シオンは狐耳をピクピク動かしリーズとハヤテの言っている事を聞いていた。

「シオン姉さん、どうです、何か言ってましたか?」
「うん、例の計画とか、その計画のためにコルヘルスの人達を使うとか・・・・」

シオンは自分の聞いたことをマサシ達に伝えた。

「う〜ん・・・・・・奴等はこのコルヘルスで何かをやろうとしている」
「何をするつもりなのかしら」
「さぁな、それは直接本人達に聞くしかないな」

マサシ達はもう一度イヴルの門の方を見て警備状態を確信すると、茂みの中で輪になり作戦会議を始めた。

「さてと、陛下の言うとおりイヴルの門は警備が薄いな。まずはどうやって中に侵入するかな〜」
「『かな〜』って言っておきながら本当はもう作戦は決まってるんでしょ?」

考えてるマサシにシオンがニヤリと笑いながら言った。

「ハハハ、バレてた?」
「どんな作戦?」
「勿論・・・・」

マサシが神竜隊のメンバー達を見てニッと笑う、そして・・・・。

「「「正面突破!」」」

神竜隊の五人は声を合わせて言った。

「ええ〜!?」

それの聞いてジゼルは声を上げる。

「シ〜!」

声を上げるジゼルにマサシが人差し指を彼女の口に当てる。その後、彼らは小声で会話し始めた。

(ほ、本気なの?)
(そうだぞ、無謀にも程がある!)
(ああ、俺達は反対だぞ!)

マサシ達の無謀すぎる作戦に反対するガスト達。でもジゼルは・・・・。

(大丈夫なの?)
(俺達を誰だと思ってる?)

心配そうに言うジゼルの顔を見てマサシは再びニッと笑って親指を立てた。

(じゃあ、その作戦で行こうか)
(お、おいアンタ達、本気なのか!?)

ジゼルも最初は突然聞いたので驚いたのだろう、だがマサシ達はきっと成功させると信じ作戦に賛成した。

(本当に大丈夫なのか?)
(彼らなら大丈夫よ、彼らは『無茶苦茶』な作戦を何度も成功させてきたんだから)
(ハハハハハ・・・・・・)

ジゼルの無茶苦茶という言葉を聞き、苦笑いを浮かべるマサシ。そんなマサシにユウタが作戦の内容を聞いてきた。

(それで、まずはどうする?)
(まずは・・・・・・)

そう言ってマサシ達は茂みの中でゴニョゴニョ話し始める。それから、しばらく立ち、門の前に立っている五人の警備兵が人影を見つけた。マサシ、ジゼル、コンタ、レイナの四人が近付いてきた。

「止まれ、ここは女専用の門だ、男が通るには通行許可書が必要だ」
「・・・・・・」

警備兵の2m前で止まったマサシ達。そして目線だけを動かし警備兵の装備や伏兵が居ないか周りを確認し始めた。

(・・・・・・腰に剣、鎧に盾。ヘルデストロイヤーに寝返ったゼルキアスの兵士か)

マサシが周りを確認していると警備兵の一人がマサシに近寄ってきた。

「お前達、見たことのない服を着ているな、何処から来た?」
「そうだな・・・・『別の世界』とでも言っておこうかな?」
「なんだと?」

警備兵が首を傾げた瞬間、マサシは目の前にいる警備兵に掌打を打ち込み警備兵は4m程突き飛ばされた。他の四人の警備兵が驚いき、慌てて腰に納めてある剣を抜いて構える。すると剣が突然弾かれた、マサシの後ろでコンタとレイナが愛銃で剣を弾いていたのだ。その直後、ジゼルが近くに居る警備兵にミカエルで鎧の上から打撃を打ち込んだ。アストラル超合金で作られているトンファーの前にラビリアンの鎧が簡単に罅割れた。その衝撃で警備兵が吹き飛び気を失った。それに驚いた残りの三人は慌てて弾かれた剣を拾おうとした時、コンタとレイナが走ってきた。

「ハッ!」
「たあっ!」

警備兵に蹴りと放ち、二人の警備兵はなにも出来ずに気を失った。残りの一人が増援を呼ぼうと門へ向かおうとしたが、マサシがそれを許さなかった。マサシは地面を蹴って跳ぶと、一気に警備兵の前に着地し、警備兵の首に手刀を当て、警備兵は驚く間もなく気絶した。

「フゥ、終わったね」

警備を片付けて小さく息を吐くジゼル。そして茂みの方を見てコンタが手を振る。

「いいよ〜!」

コンタの声を合図にし茂みに隠れてたユウタとシオンが茂みから出てきた。そしてガスト、ハリュス、ネリーが顔を出す。

「やっぱり四人だけで片付いたな」
「ええ、私達(伏兵)の出番は無かったわね」

笑いながら出てくる二人。だが警戒は解いてはいない。

「こんなに早く片付くなんて・・・・」
「凄い・・・・」

マサシ達の強さを見て驚くガスト達。

「よし、銃声を聞いて奴等がやって来る、まず学園の人達に会って、この街をどうやって解放する作戦を考えるんだ」
「OK!」
「ガスト、案内してくれ」
「わかった、こっちだ」

マサシ達はガスト達について行っ、コルヘルスをヘルデストロイヤーの手から解放する為に。





「ハヤテ准将!イヴルの門の警備兵達がやられています。何者かが侵入したようです」
「なに?」

学園長室にいたハヤテが直属の忍者から警備兵がやられている事を知らされた。やはり銃声でマサシ達の事はバレていたようだ。しかし、ハヤテはあまり驚いていなかった。

「警備の奴等は・・・・?」
「全員のびています」
「役立たずめ、全員始末しておけ・・・・」
「御意・・・・」

忍者はハヤテの命を聞きその場から消えた。

「おい、なぜ殺す必要がある?誰にだって失敗はある、だから・・・」

始末、それはつまり殺すという事、そのハヤテの考えに納得がいかず反論するネリネ。しかしハヤテは・・・・。

「警備すらできないような奴等は必要ない」
「死んで当然か・・・・」

椅子に座っているリーズが静かに口を開いた。

「クッ・・・・」

反抗できずにただ悔しがる事しか出来ないネリネ。

「侵入した奴等だが、神竜隊だと思うか?」
「恐らくな・・・・」
「どうする?」
「まずゼルキアスの兵士達に偵察させろ、見つけたら我等(ヘルデストロイヤー)の傭兵隊で仕留める」
「分かった、すぐ指示を出す」

そう言ってリーズは立ち上がり学園長室を出て行った。果たしてマサシ達はハヤテとリーズにどうやって戦うのか?そして、再会したジゼルとネリネはどうなってしまうのか?


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