ラビリアンに戻った日から翌日、神竜隊はラビリアンの朝を迎えた。王宮の一室でベットが三つ横に並びそこで眠っているマサシ、コンタ、ユウタの三人。
「ふぁ〜、久しぶりによく寝たぜ」
朝の日差しが差し込みマサシはあくびをしながらベットから起き上がった。
「ん?・・・・・・ああ、そういえば昨日ラビリアンに戻ったんだっけな」 「う、う〜ん」
マサシの隣でコンタ、その隣でユウタが眠っている。
「おい、二人とも、起きろよ」 「う〜ん・・・・あ、マサシ、おはよう・・・・」 「よう・・・」 「お前等、まだ寝ぼけてるな?」 「う〜ん?」
マサシの声がまるで聞こえていないのか、ダルそうな声を出すコンタ。
「おい、早く着替えろよ。」
実はマサシ達は上下とも下着姿でベットに入ったため服を着ていないのだ。もしこんな姿をしているときに女性が入ってきたら騒ぎが起きる。
「おい、早く着替えろ!もしこんな時に女の人が入ってきてみろ、朝から大騒ぎに・・・・」 「おはよう、マサシ!」
突然マサシ達の部屋に入ってきたの一人の少女、それはなんとジゼルだった。
「今日は陛下たちと一緒・・・・・・・」 「あ、ジゼル・・・・・」 「・・・・・・・」 「・・・・・・・」
ジゼルの目に飛び込んできたんはシャツとトランクスだけのマサシだった。
「い・・・」 「あ、あのな・・・・これは・・・」 「いやぁーーーー!!」
ジゼルは悲鳴を上げながらドアをバタンと大きな音を立てて閉めた。
「な、なんて格好してるのよ!」 「今起きたばっかりなんだよ!」 「ん、どうしたんだ?」 「今のジゼル?」
ようやく目が覚めたユウタとコンタ。しかも状況が理解できていないようだ。
「うう〜・・・・」 「ジゼル、いい加減に機嫌直せよ」
着替え終わり、朝食を取るために食堂へ向かうマサシ達。彼らは廊下を歩きながら会話をしていた。
「機嫌もなにも、あたし怒ってないもん」
そう言いながらも、ジゼルは頬を膨らませている。しかも少し顔が赤い。
「どうしたんだろう?」 「さぁな」
二人の後ろを歩き首を傾げるコンタとユウタ。その時、前からシオンとレイナがやってきた。
「みんな、おはよ〜♪」 「おはよう・・・」 「おはよう、シオン姉さん。おはよう、レイナ」 「よう、二人とも」
シオンとレイナに挨拶をしながら二人に近付くコンタとユウタ、そんな二人の後ろで顔を赤くしているマサシとジゼルにシオンが気付いた。
「あら、どうしたの二人とも、朝から顔を赤くして?」 「いや・・・・・」 「ちょっとね・・・・・」 「「??」」
二人の態度を見て頭から?マークを出すシオンとレイナ。
「そんなことよりも、早く食堂に行こう」 「そうね、行きましょう」
神竜隊が全員集合し、食堂へ向かった。しばらく歩き、マサシ達は大食堂へついた。幸い食堂の前に王宮の人間がいたので迷う事はなかった。
「おはようございます、よくお休みになれましたか?」 「はい」 「そうです、では中へどうぞ」 「ありがとう」
王宮のメイドの質問に答えるマサシ。食堂に入り、メイドに空いてる席に案内される六人。
「どうぞ、こちらです」
テーブルを見ると、そこには豪華な朝食が並べられていた。
「うわぁ、おいしそう!」 「会社でもこんな豪華の朝食はないぜ」 「さすが王宮の食事ね」 「見てないで早く座れ、三人とも」
レイナに注意され早々と席に座るコンタ達。六人はそれぞれ空いてる席に座り朝食を口へ運ぶ。そんな中、マサシはジゼルに話しかけた。
「昨日はよく眠れたから?」 「う、うん・・・・帰ったらベルおばさんに怒られちゃった」 「ハハハ、こっ酷く叱られたろ?」 「ううん、そんなに酷くは怒らなかったよ、ただ、帰ってきたら『お帰り』って最後に優しく言ってくれた。 「そうか・・・」
嬉しそうに笑うジゼル。そんな彼女を見たマサシはさっきの事なんてスッカリ忘れていた。
数十分後、朝食を終えた神竜隊は今後の事を決める為に作戦会議室へ向かった。室内に入るとハイドリアの他に護衛隊長のセリーナや将軍や参謀が数名が座っている。
「おお、マサシ。よく休めたか?」 「はい」 「そうか、では早速だが会議を始める」
空いてる席にマサシ達は全員席に座り会議が始まった。
「では会議を始める。まず、異世界のから来たこの者達の組織、ライトシンフォニアが我々に協力してくれる事になった。このラビリアンに到着するまでに少なくとも、二日はかかると聞いている。そうだな?」 「はい」 「そして、敵の組織、ヘルデストロイヤーだったな。その組織はあの大国ゼルキアスを完全に制圧してしまうほどの力を持っている。奴等に対抗するにはこの者達の力が必要不可欠だ」
ハイドリアの言う事を聞き、セリーナ以外の軍人達はコソコソと話し始めた。明らかに動揺している、無理もない、あのラビリアン最大の国家が制圧されたのだ、動揺しないほうがおかしい。
「いずれヘルデストロイヤーはこのユピローズにも宣戦布告するだろう。まず我々がやるべき事は他国と同盟を結び、ヘルデストロイヤーと戦う為のに連合軍を作る事にある。まず他の国家と同盟を結ぶ為に各国の王をこのユピローズへ迎え、同盟会議を行う。お前達は全ての国に通達しろ!」 「「「ハッ!」」」
セリーナと他の軍人達は立ち上がり敬礼をした。
「お主達はこのまま待機していてくれ。今後の事が決まり次第、また連絡しよう」 「はい、御用がありましたらいつでもお呼び下さい」 「ありがとう、感謝するぞ。それではこれで会議を終了とする、解散」
会議か終了しマサシ達は会議室を後にした。その後、シオン達が街を見たいと言い出したのでマサシとジゼルが街へ彼らを案内する事になった。
「まず何処へ行く?」
ジゼルがシオン達に行き先を尋ねる。
「そうね・・・・まずこっちの世界の傭兵は何処に集まるのか、その場所に連れてってよ」 「ああ、俺もこっちのよう兵達に興味があったんだよ」 「わかった、だったら酒場にいきましょう。あそこには沢山の傭兵が集まってるから」
シオンとユウタの希望で傭兵の集まる酒場へ行く事になったマサシ達。数分後、酒場についたマサシ達はドアを開けて中に入っていく、すると多くのよう兵達がマサシ達に釘付けになった。
「へぇ〜、こいつらが傭兵か、いい面構えしてるじゃねぇか」 「ああ、俺も初めてここに入った時そう思ったよ」
ユウタが傭兵の顔つきを見て自分の意見を言うと、隣に立っているマサシが言った。
「あー!」 「ん?」
突然、店内に響き女性の声、その声のした方を向くと。
「マサシ、ジゼル!戻ったのね!」 「あ、シンディ!」
そう、その女性はシンディだったのだ。シンディはマサシ達の顔を見て席を立ち駆け寄ってきた。
「シンディ、元気だった?」 「『元気だった?』じゃないわよ、突然、『マサシとコンタの世界に行ってきます』って書き置きを残していなくなっちゃうんだもん、私もベルおばさんも心配したのよ!」 「ご、ごめん・・・・おばさんには昨日帰ったときに怒られた・・・」 「ふぅ、でもまた会えて嬉しいわ」
シンディが勝手にいなくなったことでジゼルを叱った後、すぐに笑ってジゼルと抱きしめあった。感動の再開と言っては大袈裟かもしれない・・・・。
「マサシもコンタも元気そうじゃない」 「大袈裟ですよ、昨日の事じゃないですか」 「そうだけど、なんだか凄く長いこと離れていたような感じがしてね」 「確かに、そうですね」
コンタとシンディの会話していると、ユウタが割り込んできた。
「お話中のところ悪いんだけど、俺達のこと忘れてねえ?」
マサシ達がユウタ達の方を見て「あっ!」っという顔をした。忘れていたようだ・・・・・。
「はぁ、忘れてたのか・・・・・」 「わ、わわ、忘れてねえよ。な、ジゼル?」 「え?え、ええ!もちろん!ね、コンタ?」 「忘れてました♪」
空気も読まず笑いながら正直に言うコンタ。
「「合わせろよ!(てよ!)」」
マサシとジゼルは声を合わせてコンタにツッコム。
「別にいいよ、そんな慌てて誤魔化さなくても」 「そう、そう、久しぶりに友達の再会したんだもの、周りが見えなくなっても不思議じゃないわよ」 「そうだな、否定はしない・・・・」
ユウタ、シオン、レイナは怒った様子も無く、普通に話を進めた。
「そういえば、そっちの三人は誰?アンタ達の知り合い?」 「ああ、コイツ等は俺と同じ世界から来た傭兵仲間だよ」 「金山 ユウタだ、よろしくな」 「私は狐火 シオンよ、よろしくねシンディ♪」 「レイナ スズキだ、よろしく頼む」 「私はシンディ カルタリオよ、よろしく。まぁ立ち話もなんだし、こっちで座って話しましょう」
連合軍結成の為に他国と同盟を結ぶ事をなったユピロース王国。そしてシンディとの再会。再び始まったラビリアンでの生活、マサシ達にこれからどのような出来事が待っているのだろうか?
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