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作品名:ラビリアンファンタジー 作者:ディオス

第18回   第十七話 新しい仲間 新たな任務

スターライト・ランドから出たマサシ達は夕食のために近くのレストランに行く事にした。

「さて、晩飯に行こうぜ」
「OK、それで、どこに行く?」
「そうだな、じゃあ・・・・」

夕食の場所を選ぼうとするとマサシの携帯が着メロを鳴らした。

「誰だ?」

マサシは携帯の画面を見るとそこには「エミリア 携帯」と出ていた。

「エミリア様からだ」
「どうしたのかしら?」
「さあな、とにかく出てみる」

マサシは携帯のスイッチを押し耳に当てた。

「はい」
「マサシ?私よ」
「どうしたんですか?」
「ヘルデストロイヤーの新しい情報が入ったの」
「・・・・・・!」

マサシの目が鋭くなり、そしてそれを見ていたジゼル達も何かあったと気付いた。

「急いで戻ってきて」
「分かりました!」

携帯を切り、ポケットに叩き込んだマサシはジゼル達を見た。

「支部に戻るぞ」
「奴等(ヘルデストロイヤー)の事でなにか分かったんだね?」

コンタの質問にマサシは黙ってうなずいた。

「急いで戻りましょう!」
「ああ!みんな行くぞ!」

マサシ達は遊園地の明かりを背にして夜の街を走り出し支部に向かった。そして支部に着いたマサシ達は支部長室へ走って行き、マサシはドアをノックをした。

「マサシです、ただいま戻りました」
「入って」

エミリアの返事を聞き、マサシ達は支部長室へ入っていく。そして支部長の机の前のソファーに腰を降ろしているエミリアがいた。

「エミリア様、ヘルデストロイヤーの情報が入ったというのは本当ですか?」
「ええ、間違いないわ」

マサシの質問にエミリアは真剣な顔で答えた。マサシの後ろにいるジゼル達も真剣な顔をしている。

「明日の朝にラビリアンへ向かうという情報が入ったの、彼らは東京の本社にある装置を使ってラビリアンへ向かうって。ヘルデストロイヤーを見張っていた偵察員から報告があったわ」
「明日の朝・・・・」

ジゼルはうつむいて小声で喋った。そんなジゼルをマサシは見ていた。

「そこで、あなた達に特別任務を与えます」
「特別任務?」

エミリアの言葉にユウタは聞き返した。

「ええ、神竜隊にヘルデストロイヤーの東京本社に潜入して次元移動装置を破壊してきてほしいの」
「装置の破壊ですか?」
「ええ、敵の支部に設置されている装置は他の人達に破壊するように指示しておいたわ。残りの本社はあなた達に襲撃してほしいの」
「どうして俺達に?」
「本社、つまり敵の本拠地。警備は万全のはず、やはり私達ライトシンフォニアの中で最も戦力の高いあなた達にやってもらいたいの」
「はい、了解しました」
「あの・・・・」

マサシが了解したすぐ後にジゼルが話に加わってきた。

「どうしたの、ジゼルさん?」
「その任務にあたしも加わってもいいですか?」
「え?」

ジゼルの答えにエミリアは少し驚いていた。もちろんマサシ達も驚きの顔をしていた。

「ジゼル、本気か?」

マサシはジゼルに聞き返した。

「うん、だって、あたし達の世界が大変なんだもの。それにあたしがこっちの世界に来たのはマサシ達の一緒に戦う為だから」
「だけどジゼルちゃん、こっちの世界の敵はあなた達の世界にいた敵とは違うのよ。使っている武器も、兵器だって」

シオンが彼女の心配していく事を止めようとしたがジゼルは下がらなかった。

「わかってる、ヘルデストロイヤーの力はラビリアンでマサシと一緒に戦って理解したから。でも、あたしはもう決めたの、相手がどんなに強くても、どんな武器を使ってきても絶対に引き下がらないって、マサシと一緒に戦うって」
「ジゼルちゃん・・・・そう、わかったわ、一緒に行きましょう」

ジゼルの強い意志を聞いてシオンは「彼女は本気だ」と思ったのだろう。そしてマサシも彼女の肩に手を置いて言った。

「ああ、これはもう俺達だけの問題じゃない、一緒に来てくれジゼル」
「うん」

話を聞いていたコンタ、ユウタ、レイナの三人の自分達の考えを口にしてた。

「よし、決まりだな!」
「皆で行きましょう!」
「新しい仲間だな・・・」
「新しい?・・・それだ!」
「どうしたんだマサシ?」

マサシは何かを思いついたのかエミリアの方を向いて意外な言葉を口にした。

「エミリア様、ジゼルを神竜隊に入隊させてくれませんか?」
「え?」
「ええっ!?」

エミリアの声に続き、ジゼルが驚きの声を上げた。

「そのほうが彼女もこっちの世界にいる間、支部内を自由に歩けますし、常に俺達を一緒に行動できます」
「そうだな、そっちの方が何かと便利だし」
「だろ?」
「僕は賛成だよ」
「俺もだ」
「私もOKよ♪」
「私も構わん・・・」
「・・・・・・わかったわ、でも、それは彼女の意思次第よ。ジゼル、あなたの考えを聞かせてくれる?」

エミリアはマサシ達の提案を承諾し、ジゼルの意見を聞くため彼女に自分の考えを聞いた。ジゼルもしばらく考えて、今自分が思っている事を口に出した。

「・・・・・はい、お願いします」
「決まりね」
「よし!ジゼル、ようこそ神竜隊へ」
「あ、ありがとう・・・」

マサシとジゼルは握手をし、それを見たユウタ達の笑って歓迎した。

「それでは、神竜隊、作戦開始時刻は明日の午前2時。彼らが次元移動装置を使う前に破壊するのよ!作戦内容はおって知らせるわ、以上!各自命令があるまで自分の部屋で装備の点検をし、待機していること」
「「「「はい!!」」」」
「「はい!」」

コンタ、ユウタ、シオン、レイナがエミリアの方を向いて礼をしてマサシとジゼルも返事をし、支部長室を後にした。しかしマサシとジゼルが部屋を出ようとするとエミリアに止められた。

「二人ともちょっと待って」
「なんでしょう?」

エミリアに止められ理由を聞くマサシ。

「マサシ、ジゼルを武器開発室へ案内してあげて」
「武器開発室ですか?」
「ええ、ジゼルも神竜隊の一員になったんだから、彼女に新しい武器を渡そうと思って」
「え、いいんですか?」

ジゼルは新しい武器を貰えるという思いに嬉しさと驚きを合わせて問い返した。

「もちろん、開発室には私が連絡を入れておくわ。お願いね」
「わかりました」

マサシとジゼルは支部長室を出て武器開発室へ向かった。





武器開発室に着いたマサシとジゼル、彼等を出迎えてくれたのは武器開発部の部長「アイシャ・ポール」という女性だった。レイナと同じ金髪に白衣を着た科学者に近い姿をしていた。

「いらっしゃい、神竜隊隊長の秋円マサシ君と新しく入隊したジゼル・アルフォントちゃんね?」
「はい、よろしく」
「はじめまして」
「こちらこそ、エミリア様から聞いているわ。ジゼルちゃんに新しい武器をあげてほしいって」
「は、はい・・・・その・・・」
「どうした、ジゼル?」

なにか言いたそうなジゼルを見てマサシが問い掛けた。

「あ、あたし、こっちの世界の武器の事なにも知らないから・・・・・その・・」
「フフ、大丈夫よ、あなたがラビリアンから来たって事もちゃんと聞いてるわ。あなたに仕えそうな武器をとりあえず集めてみたの」

アイシャはそう言って二人を別の部屋に案内した。二人が案内された部屋の扉の上に「武器保管庫」というプレートがついてある。アイシャは白衣のポケットからIDカードを取り出し、扉の横についてる装置にカードをかかげた。すると装置からピーッという音が鳴りロックが解除され扉が開いた。

「さあ、入って」
「「・・・・・」」

二人は少し緊張したような表情で部屋に入って行った。中は暗くなにも見えない、アイシャが壁に手を付け部屋の明かりのスイッチを押すと部屋が明るくなる。

「・・・・!」
「ええ!?」

マサシとジゼルは驚いている、彼らの目に入ってきたのは沢山の武器だった。突撃銃、拳銃、ロケットランチャー、剣、槍、メイス、警棒、ヌンチャク、ボウガンなどの様々な武器が部屋のいたるところの置いてあったのだ。

「す、すごい・・・」
「本当・・・」
「この部屋には色々な武器が置いてあるわ。日本刀、手裏剣などの江戸時代から使われている武器から大剣、メイスなどの中世から使われている武器まで色々な物が。それであなたはどんな武器がいいかしら?」

アイシャはジゼルにどんな物をいいか聞いてきた。

「あたしはトンファーを使っているんです」
「トンファーね、ちょうどよかったわ。実は数日前に私が独自で開発したトンファー型の武器があるの」
「え?」
「これよ」

彼女が奥にあるアタッシュケースを取りふたを開けるとそこには銀色に輝くトンファーがあった。

「これは?」
「これは『RS02−T ミカエル』という武器よ」

マサシが問い、彼女は武器の名前と開発番号らしき言葉を口にした。

「このトンファーは『G36 バレット』という兵器が内蔵されていて、トンファーの先を相手にあててこの持つところについているスイッチを押すと相手に大ダメージを与える事ができるわ。しかもこれはアストラル超合金でできているからとても頑丈よ」
「アストラル超合金ってあのUrs(ウルス)っていう奴の・・・」
「ああ、同じ金属でできているみたいだな」
「・・・・とにかく、このミカエルはきっとあなたの力になってくれるはずよ。もし気に入らないのなら他の武器を探すけど?」
「いいえ、これにします」
「いいの?」
「はい、ありがとうございます」

ジゼルはアタッシュケースを受け取り頭を下げた。

「マサシ君、あなたはどうするの?」
「俺はいいです。今の武器でも大丈夫ですから」
「そう、それじゃあ二人とも、任務、頑張ってね」
「「はい」」

二人は元気よく返事をし武器保管庫から出て、開発室を後にした。アイシャは保管庫の中でホッとしていた。

「よかったわ、正直いうとトンファー型の武器はあのミカエルしかなかったのよね〜」

神竜隊に入隊し新しい武器を手に入れたジゼル。そして神竜隊に下されたヘルデストロイヤー本部へ潜入し次元移動装置の破壊任務。果たしてマサシ達は無事任務を達成できるのだろうか!?


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