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作品名:ラビリアンファンタジー 作者:ディオス

第164回   第百六十三話 最終決戦!マサシ&ジゼルVSディアボロス&ルシフェル! No2

遂に始まったマサシとディアボロス、そしてジゼルとルシフェルの闘い。二人は自分達の未来を手にする為に闇の創造主達に戦いを挑んだ、二人はこの戦いに勝利しラビリアンを救う事ができるのだろうか。

「このっ!!」

マサシは走りながらシグザウアーの引き金を連続で引く。だがディアボロスはその場を動かずにBX(ブラックエクスカリバー)で全ての弾丸を弾き飛ばした。

「クソッ!やっぱりアイツには普通の銃は通用しないのか」

マサシは弾倉(マガジン)の弾を全て撃ちつくすと、空になった弾倉を銃本体から外し新しいものと変えようとする。しかし、そこへディアボロスの銃撃が襲い掛かった。ディアボロスの持つM500から大口径の弾丸が発射されマサシに向かって飛んで行く。マサシは咄嗟に大きく跳んで銃撃を回避した。

「マズイな、此処は虚無宇宙(ゼロスペース)、壁も障害物も無い場所だ。これじゃあ弾倉を変えられない」

銃撃を必死に回避するマサシ。そんなマサシを離れた所でM500を撃ちながら笑うディアボロス。

「フフフ、何時まで耐えられるかな?そんなもんじゃ体力が尽きて倒れるのも時間の問題だぜ」

喋りながら引き金を引くディアボロス。やがてM500の弾が全て無くなり、ディアボロスはシリンダーから空の薬莢を捨て、シリンダーに意識を飛ばし黒い霧をシリンダーの穴に流し込んだ。そして再びシリンダーに新しい弾が装填されディアボロスはM500をマサシに向けた。その間に掛かった時間は僅か五秒だった。

「ア、アイツもう再装填が終わったのか・・・・ぐわっ!?」

再装填の速さに驚くマサシ、そして衝撃が彼の右手を襲った。右手を見るとアロンダイトが弾かれて宙を舞う光景が視界に飛び込んできた。マサシはすぐにディアボロスの方を向くと、M500の銃口から煙が上がっているのが見えた。

(剣を弾き飛ばした!?装填の時間が早いだけじゃなく、早撃ちも常人離れかよ!)

驚きながら空いていた右手で新しい弾倉を取り出して銃に叩き込んだマサシは警戒しながら落ちているアロンダイトの方へ走った。だがディアボロスはそれを許さなかった。走り出すマサシの足元にM500を撃ちマサシの動きを封じた。

「その剣を拾わせる訳にはいかない。大人しくこのM500の的になれ」
「悪いがそれは、お断りだっ!」

マサシはバックパックから何かを取り出しそれをディアボロスに向かって投げた。ディアボロスは飛んで来たそれをM500で撃ち落そうとしたが、彼は投げた後に視線を投げた物から反らすマサシを見た。

「まさか・・・・」

ディアボロスが気付いた時にはもう遅かった。マサシが投げた物は強烈な光を放ちディアボロスの視界を白くした。

「クッ!閃光弾か」

光が治まり次第に視力が回復しマサシの方を向くディアボロス。だがすでにマサシはそこには居なかった。ふとアロンダイトの落ちている方を見たディアボロスの目にアロンダイトを拾いシグザウアーを左手に構えるマサシが入った。

「これで振り出しに戻った」
「馬鹿め、振り出しに戻ってもお前が不利なのに変わりは無い」

ディアボロスもM500を構えてマサシと睨みあう。マサシは必死でディアボロスへの対処法を考え出した。

(アロンダイトを拾ったが良いがどうする。ディアボロスの言うとおり振り出しに戻っても俺が不利のままだ、まずあの厄介なM500をなんとかしないと・・・・)

頭の中でM500の脅威をどうやって取り除くか考えるマサシにディアボロスの銃撃が襲い掛かる。マサシは大きく跳んで銃撃を回避しながらディアボロスの方を見た。

「考えるだけ無駄だ、お前の銃には弾の制限があるが俺のM500の弾は俺自身の力で作り出されている。言わば俺の銃の弾は無制限。お前に勝機は無い!」

引き金を引きながら言い放つディアボロスに意識を集中し回避しながら考え続けるマサシ。するとマサシは一つの策を思いついた。

(よし、この作戦で行ってみるか。あのM500を排除すればその後のチャンスは幾らでも作れる!)

マサシは回避しながらディアボロスの銃撃が止むのを待ち続けた。そして全弾を撃ちつくしたディアボロスはシリンダーから薬莢を捨ててまた黒い霧を流し込んだ。それを見たマサシは回避行動をやめてディアボロスに向かって走り出した。その光景を目にしたディアボロスはニヤリと笑った。

「血迷ったか、弾切れを待ち装填のタイミングを見計らって突っ込む。そんな手は俺には通用しない事など知っているだろうに」

哀れむような目でマサシを見たディアボロスは装填が終わったシリンダーを戻して再び銃口をマサシに向ける。だがマサシは回避行動を取ろうともせず走り続けた。

「解放!レベル・3!」

マサシは走りながらレベル・3を解放させた。彼の体に白い光のラインが浮かび上がりマサシの身体能力を大幅に高める。だがディアボロスにとってはそんな事は脅威にすら感じないのか表情を変えずにM500の引き金を引いた。銃口から吐き出された大口径の弾丸がマサシに迫っていく。すると、マサシはシグザウアーをディアボロスの方に向けて引き金を引いた。マサシはディアボロスを狙っているように見えるが、それは違った。シグザウアーの弾丸はM500の弾丸に当たり弾き飛ばした。

「なに?」

予想外のことに若干驚きの表情を見せるディアボロス。そう、マサシの狙いはシグザウアーの弾丸でM500の弾丸を弾くことだった普段のマサシなら不可能なことだが、今のマサシはレベル・3におかげで身体能力が高くなっているため銃の弾を撃つなど容易い事だったのだ。マサシはそのままディアボロスに向かって走り続け、ディアボロスも向かって来るマサシにM500を撃ち続けるが全て弾かれた。やがて弾が無くなり弾を再装填する為にマサシから離れようとしたがすでにマサシはディアボロスの目の前までやって来ていた。

「ハアッ!」

マサシはディアボロスの左手を蹴りM500を飛ばした。そしてそのM500をアロンダイトで破壊し大きく後ろへ跳んで距離を取った。

「やるな、M500を破壊するとは、驚いたぞ」
「お前の銃は威力が強力だから剣で弾き続けるのは難しい。だが同じ銃でなら弾を簡単に弾ける。だけどさっきまでの俺じゃあ無理だった、だからレベル・3で身体能力を高めるのと同時に射撃能力も高めたんだ」
「フフフフ、流石は俺の主人格。だが気付いているだろう?俺がまだ全力の半分も出していない事を」





その頃、離れた所ではジゼルとルシフェルが空中で死闘を繰り広げていた。

「このっ!」
「ウフフフ、どうしたの?全然当たらないわよ」

笑いながらジゼルを見るルシフェルに対し悔しそうな表情でパンチやキックを連続で放つジゼル。だが彼女の攻撃は全てルシフェルに回避されてしまう。

「そんな我武者羅(がむしゃら)に攻撃しても当たらないわよ。もう少し頭を使ったら?」
「お心遣い、ありがとう!」

叫びながら回転蹴りを放ったジゼル。だがその蹴りもルシフェルに回避されてしまう。でもジゼルは回避された事など気にせずに後ろへ飛んで距離を作った。そして小声で契約魔法の演唱を始めた。

「氷塊よ、全てを切り裂く結晶の刃となれ!ダイヤモンドダスト!!」

演唱を終えたジゼルの周りに沢山の巨大な氷の結晶が現れ、回転ノコの様に回りだしルシフェルに向かって飛んでいく。しかしルシフェルは逃げようともせずに漆黒の天使の翼を大きく広げて笑った。

「レインフェザー!」

ルシフェルの翼から無数の黒い羽が飛ばされジゼルの氷の結晶に向かっていく。再び堕天使魔法を発動させたのだ。その黒い羽はまるで機関銃で木箱を壊すように次々に氷の結晶を細かく砕いていく。全ての氷の結晶が砕かれると今度はジゼルに向かって黒い羽が飛ばされた。ジゼルは上昇し黒い羽を回避し、両手をルシフェルに向けた。

「サンライトフォース!!」

ジゼルの両手から眩い光が放たれルシフェルを照らすように攻撃した。だがルシフェルも両手をジゼルの方へ向けながら小さく笑った。

「エンジェリックシールド!」

ルシフェルを囲むように赤い光の結界が張られルシフェルを光から守った。

「そんなっ!アイツのエンジェリックシールドは光の攻撃すら防ぐっていうの!?」

ジゼルのサンライトフォースは闇の存在に対し聖なる光を照らして攻撃する技。その光が届く者全てに攻撃することができる、しかしルシフェルの結界は光で照らされているにも関わらずルシフェルに傷を負わせる事無く守ったのだ。

「フフフ、貴方の攻撃なんて闇の力が加わった天使魔法の前では子供の無邪気な抵抗に等しいわ」
「言ってくれるわね。そうやって相手を見下してばかりいると、いずれ足元をすくわれるわよ?」
「それはあり得ないわ。だって、貴方はあたしより弱いんだ者♪」

そう告げた直後にルシフェルはジゼルに向かって突っ込んでいく。ジゼルもルシフェルに向かって飛んで行き、二人の拳が空中でぶつかり、周りに光と衝撃波を放った。

「そうやって相手を弱いって決め付けるのも見下すって言うんじゃないのかしら!?」
「あたしは事実を言っただけよ」

拳をぶつけた直後に二人は離れて体勢を直した。ジゼルはルシフェルが次はどんな風に攻めて来るのかを考えながらルシフェルを睨んでいた。すると、突然ルシフェルがクスクスと笑い出した。

「フフ、ジゼル、あなた気付いてるかしら?」
「何の事?」
「あたしがまだ全力を出していないって事を」
「・・・・・・」

ディアボロスと同じことを言い出すルシフェル。この瞬間ジゼルはピンと来た、この後ルシフェルは何かしてくると。

(何かしてくる、このまま戦うのは危険ね。ここは一度マサシと合流した方がいいわね)

ジゼルはマサシと合流するためにマサシの居る方へ向かって急降下した。

「あっ!待ちなさい」

ルシフェルは逃げ出した飼い犬を追いかけるような声を出しジゼルの後を追った。

「マサシ!」

マサシの隣まで降下してゆっくりと着地したジゼルは背中から生えている竜翼を戻した。

「ジゼル、どうしたんだ?」
「ルシフェルが何かを始めるつもりみたい、念の為に貴方に知らせに来たの」
「そうか、実は俺もジゼルを呼ぼうと思っていたんだ。こっちもそろそろ全力で戦うつもりみたいだしな」

ジゼルから話を聞いたマサシはディアボロスの方を向いて状況を説明する。すると、ディアボロスの隣にルシフェルがゆっくりと着地した。

「ルシフェル、どうした?」
「うん、そろそろ本気を出そうと思ってね。一応貴方に話しておこうと思って」
「奇遇だな、俺もそろそろ全力でやろうと思っていたところだ」
「あら、それはグッドタイミングね♪それじゃあ・・・・」
「ああ、もう少し楽しむつもりだったが飽きた。次で終わらせる」
「「!!」」

ディアボロスの言葉を聞いたマサシとジゼルはディアボロスとルシフェルの方を向いて構えた。そしてディアボロスとルシフェルは不適な笑みを浮かべて口を開いた。

「最後だ、特別のエミリアとゾークでも見切れなかった俺達の本当の速さ、マッハ4の速さでお前達を始末してやる」
「安心して、苦しむ暇も無いくらいに速さだから。気付いた時には貴方達は、もう死んでるわ」
「クッ・・・・!」
「ううっ・・・・!」
「それじゃあお二人さん、長い間世話になったな」
「さようなら」

その瞬間二人はマサシとジゼルの視界から音も立てずに消えた。だがまだ攻撃は受けていない、二人の周りで空気が避けるような感覚と摩擦音のような音が虚無宇宙に響いている。

「マ、マサシ、どうしよう?」
「クッ!アイツ等に意識を集中しろ、レベル・3も発動させるんだ」
「う、うん!」

マサシに言われたとおりレベル・3を発動させたジゼルの体には薄い黄色の光のラインが浮かび上がった。これでジゼルの身体能力も更に強化された。だがディアボロスとルシフェルの居場所や気配は全く分からない。二人はお互いに背中を向け合い警戒し続けた。

(クソッ!レベル・3を発動しても全く気配を感じられない。この状態でもあの二人の速さについていけないのか!?)
(このままじゃ何もできずに負けちゃう。そうなったら皆やこの世界は消されちゃう!)
((一体どうすれば・・・・!?))

二人が心の中でどうやってディアボロスとルシフェルのマッハ4の速さについていけばいいのか考えていると。何処からか声が聞こえてきた。

(やれやれ、やっぱりオイラ達の力を必要とするときが来たか)
(まったく、これならアタイ達の力も必要ないと思ったんだけどね)
(え?)
(今の声って、もしかして)
(ああそうだ、オイラ達だよ)

聞いた事のある二つの声、それを聞いたマサシとジゼルはその声の主の名を心の中で叫んだ。

(ユグドラ!)
(シルドラ!)

嘗て覚醒空間で自分達を支えてくれた二匹の子竜。その子竜達の声が聞こえた事にマサシとジゼルは驚きと喜びを感じていた。

(でもどうして?)
(言っただろう?いつかまた会えるって。今がその時なんだよ)
(あの時の・・・・・・だけど、どうして今お前達が?大体何でジゼルの声が聞こえるんだ?)
(そう言えば、あたしにもマサシの声が聞こえる・・・・)
(今お前達の心は一つになっている、だから心の中でもそうやってお互いの声が聞こえるんだよ)
(そ、そうなのか・・・・)
(ああ、それよりも、随分苦戦しているようだな?)
(あ、ああ・・・・)

ユグドラに痛いところを付けれたマサシはゆっくりと頷いた。

(さっきのお前の質問だけど、どうしてオイラとシルドラがこうやってお前達の心に話しかけてきたのか、一つは覚醒空間でお前達と一つになったから)
(二つ目はアタイ達の力をアンタ達に与えるためさ)
(俺達に力を?)
(ああ、これでお前達はディアボロスとルシフェルと互角に戦えるようになる)
(え?本当なの?)
(ああ、だけど説明している時間は無い。後は直接戦って確認しておくれ)
(それじゃあ、頑張れよ)

一方的に話をして聞こえなくなってしまったユグドラとシルドラの声。その直ぐ後にマサシとジゼルの体が光りだし、二人の意識は虚無宇宙へ戻った。

「いよいよお別れの時が来た」
「これでこの世界とこの体はあたし達だけの物となるのよ」

ディアボロスとルシフェルが言い放った瞬間、二人はマサシとジゼルの真横に突然現れ、マサシとジゼルを側面から挟む形になった。そして常人では見切ることのできない速さで二人に攻撃を仕掛ける。勝利を確信し笑みを浮かべるディアボロスとルシフェル。だがその直後にディアボロスとルシフェルが想像もしていなかった出来事が起きた。マサシとジゼルがそれぞれディアボロスとルシフェルの攻撃を防いだのだ。

「なにっ!?」
「なんですって!?」

これにはディアボロスとルシフェルも驚きを隠せなかった。マッハ4、超音速で動いている自分達の攻撃をマサシとジゼルが防いだのだから。

「・・・・・・」
「・・・・ウソ、見切れた」

驚いていたのはマサシとジゼルも同じのようだ。マッハ4で動いている敵の動きに自分達がついていけたのだ。二人は信じられないようだがこれは間違いなく現実だ。現にマサシはアロンダイトでディアボロスのBXを、ジゼルはルシフェルの蹴りを片手で止めていた。

「これか、ユグドラとシルドラが俺達の与えた力、なのか?」
「分からない。でも、これなら・・・・」
「ああ、この力があるな・・・・」
「「戦える!!」」

ユグドラとシルドラとの再会により新たな力を得たマサシとジゼル。これで二人はディアボロスとルシフェルに互角の力で挑むことができる。僅かながら彼等に勝機が生まれた。


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