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作品名:ラビリアンファンタジー 作者:ディオス

第125回   第百二十四話 最強!最凶!最恐!

完全に復活しディアボロスとルシフェル。そして彼らはマサシとジゼルから契約者と聖天使人の力を全て奪ってしまった。そんな二人に驚くユウタ達は自分達の武器を取り戦闘態勢に入るのだった。

「フフフフ、俺達とやる気か?」
「ウフフ、無謀ってやつかしら?」

明らかにユウタを見下しているディアボロスとルシフェル。だがユウタ達はそんな挑発に乗ることも無く冷静に黙って出方を見ていた。そんな中、ユウタはチラッと倒れて気絶しているマサシとジゼルを見た。

(さっきのマサシのジャンプの短さからしてマサシは身体能力も低下している、そしてジゼルの攻撃も簡単に止められた。つまりアイツ等は本当に全ての力を奪われちまったって事になる、これは流石に慎重に行かないとヤバイな・・・・)

心の中でマサシとジゼルの状態を確かめるユウタは再びディアボロスとルシフェルの方を見直した。

「来ないならこっちから行くぞ?」

そう言ってディアボロスは黒龍刀を縦に持ち、黒い何かを黒龍刀に流し込みだした。すると、黒龍刀が黒い霧状の物に変わり、徐々に形を変化させていく。そして霧状の物が消えた時、ディアボロスの手には片刃の騎士剣が握られている。大きさは黒龍刀より一回り大きく、刀身から柄まで真っ黒だった。

「刀が剣に変わった・・・・」
「あれも奴の力なのか・・・・」

ディアボロスの力を見て驚くコンタとレイナ。そしてディアボロスはゆっくりと剣を構えてユウタ達に向かって跳んだ。それを見たコンタとレイナは咄嗟にファイブセブンとSAAをディアボロスに向けて発砲した。だがディアボロスはとんでもない速さで剣を振り全ての弾丸を切り落として行く。そしてコンタとレイナの目の前で大きく剣を振り上げたそれを見た瞬間ユウタ達は急いでその場から離れた、その直後にディアボロスは剣を振り下ろす。そして刀身が床に付いた直後、ユウタ達の立っていた場所が爆発した。

「なっ!?」

刀身が床に付いただけで爆発した、ディアボロスの桁外れの力に驚くユウタ達。ディアボロスを囲む様に立つ神竜隊の隊員達。ディアボロスはゆっくりと立ち上がり刀身を見ている。

「フハハハ、なかなか良いな。少し力を流し込んだだけでこれほど力のある剣になるとはな。折角だ、名前も付けよう。名づけて『魔剣 BX(ブラックエクスカリバー)』」
「凄いわね、それにカッコいい名前よ」

ディアボロスを見ながらルシフェルは頷きながら言う。そしてディアボロスは自分を囲むユウタ達の方を向いてニッと笑った。

「どうだ?俺の力は、マサシの力とは比べ物にならないだろ?」
「「「・・・・・・」」」

マサシと同じ顔をした男の予想以上の力に言葉を失う神竜隊。だが、ディアボロスはお構い無しに攻撃を仕掛けてきた。剣を構えてディアボロスはシオンに迫ってきた。シオンは咄嗟に投げナイフをディアボロスに目掛けて投げる。だが投げナイフは簡単に弾かれてしまった。

「ヤバイ!」

シオンは大きく横に跳んでディアボロスから離れようとする。だが、次の瞬間シオンの背後に大きな衝撃が走る。

「ぐわっ!!」

驚いて後ろを見ると背中にパンチを放っているルシフェルがいた。

「あたしがいる事を忘れないでね♪」
「うう・・・・」

シオンはパンチの重さに耐えられず床に叩きつけられ、そのまま床を転がていく。

「シオン姉さん!!」
「コイツ!!」

ユウタはルシフェルに向かってチャクラムを投げる。だが、自分の顔に向かって飛んで来るチャクラムをルシフェルは首を傾げるように動かしてをかわした。

「は・ず・れ」
「チッ!ならこれでどうだ!!」

ユウタはルシフェルに向かって走り出した。そして右手で拳を作り、その拳に風が纏いだした。

「くらえ!ウインドグレネード!!」

ユウタは風の纏った拳でルシフェルを攻撃した。だがルシフェルは左手でその風の纏ったパンチを止めた。

「なっ!風の刃を纏ったパンチだぞ!?」
「あたしには効かないわよ」

笑いながら言うルシフェルはユウタの顔にパンチが命中し、ユウタは大きく後ろに飛ばされた。

「ぐわあーーー!!」

ユウタはそのまま壁に叩きつけられてゆっくりとずり落ちて座り込んだ。

「うう・・・・ただのパンチでこの力・・・・」

ユウタがパンチの威力に驚いていると、今度はネリネが剣を抜いてルシフェルに跳びかかった。だが、ルシフェルまであと数mという所まで来た時、自分とルシフェルの間にディアボロスが割り込んできた。割り込んできたディアボロスを睨みながらネリネはディアボロスに剣を振り下ろした。だがディアボロスもBXでその斬撃を軽く止めた。

「このぉ!」

両手で柄を握り、剣に力を込めてBXを弾こうとするネリネ。だがディアボロスもBXもピクリとも動かない、それどころかディアボロスはBXを片手で握っていた。つまりネリネの攻撃を片手で止めていたのだ。

「どうした、これがお前の全力か?」
「クッ!馬鹿にしないで!」

ネリネは後ろに大きく跳んで距離を作り、聖天使人の力を解放させた。体が赤く光りだし髪は銀色に変わり背中からは銀色の翼が現れた。

「やっと全力できたか」
「くらえ!!」

ネリネは剣を両手で握ったまま大きく振り上げ、一気に振り下ろした。

「精霊剣術!ブルーズソニック!!」

ネリネの剣から青い刃が放たれディアボロスに向かっていく。しかしディアボロスは避けようとせずにBXをゆっくりと上げる。そして刃が当たる直前にBXを斜めに振った。すると、BXが刃に触れた直後、まるでガラスが割れた様な青い刃は高い音を立てて砕け散った。

「なっ!」
「なんだ、この程度か・・・・」

少しガッカリした様な声を出すディアボロス。すると、ディアボロスの背後から体に緑の光のラインを浮かべたユウタが跳びかかった。そう、彼はレベル・3を発動させていたのだ。

「隙ありだぜ!ウインドグレネード!!」
「・・・・・・」

振り向こうともせず目を閉じるディアボロス。ユウタのウインドグレネードがディアボロスの後頭部に当たろうとした次の瞬間、ユウタの右半身に突然何かに突き飛ばされたかのような衝撃と重さが襲い壁に叩きつけられた。

「グハァ!!?」
「「「!!?」」」

何が起きたか分からずにその場に倒れるユウタ。周りにいたコンタ達も突然の出来事に驚きを隠せなかった。そんな中でルシフェルだけはクスクスを笑っていた。

「な、何が起きたの・・・・?」

理解できずに混乱するシオン、そして視線をユウタからディアボロスに向けると、そこにはユウタの居た方角を向いて片足を大きく上げるディアボロスが立っていた。

「な、何アレ・・・・?」
「相変わらず早いわね、ディアボロス」
「!?」

突然意味不明な事を言い出すルシフェルの方を向くシオン達。そして自分に注目するシオン達を見てルシフェルは笑いながら言った。

「ウフフ、理解できていないみたいだから教えてあげるわ。今、金山ユウタはディアボロスに蹴り飛ばされたのよ」
「け、蹴り飛ばされた!?」

信じられない事を言い出すルシフェルを見ながらコンタが聞き返した。

「ええ、でも見えなかったんでしょ?」
「どういう事ですか?」
「実はディアボロスのさっきの蹴り、速さはマッハ4だったのよ」
「マ、マッハ4!?」

あまりの速さに驚くコンタ。コンタだけではない、シオン、レイナの二人も驚いている。マッハ4、それはつまり音速、いや超音速で攻撃したという事なのだ。

「ウ、ウソでしょ・・・・」
「ま、まさか、超音速で攻撃できるなんて・・・・」

三人が驚く中、ネリネがディアボロスを警戒しながらコンタの下へ飛んできた。

「ね、ねえコンタ、そのマッハって一体何なの?」
「マッハとは僕達人間の目では決して追いつく事のできない程の速さなんです。拳銃の弾よりも速いんですよ」
「そ、そんなに速いの?」

追いつけない速さ、それを聞かされたネリネも驚いて声を出す。そしてその直後にディアボロスがコンタ達の視界から消えた。

「き、消えた!?」
「どこに行ったの!?」
「こっちだ」
「「!!」」

突然背後から聞こえてくるディアボロスの声に驚き後ろを振り向こうとするコンタとネリネ。だが振り向こうとした瞬間、コンタと背中に衝撃が走った。ディアボロスのパンチが背中に直撃していたのだ。

「うあっ!!」

次の瞬間、コンタはもの凄い速さでユウタが飛ばされた方向と同じ方向へ飛ばされ壁に叩きつけられた。

「そ、そんな・・・・」

自分の真横で、もの凄い速さで飛ばされたコンタに驚いて動けなくなるネリネ。すると、ディアボロスは今度はネリネの方を向いてBXを振り上げる。

「終わりだ」
「ッ!!」

やられる、そう悟った瞬間、BXから高い金属音が聞こえてきた。それに反応しディアボロスが音の聞こえてきた方を向くと、彼の視界に二丁のSAAを構えるレイナがいた。

「これ以上仲間をやらせはしない」
「フフフ、普段クールなお前にしては珍しく熱くなっているな」
「私も人間だ、感情くらいある」
「フン」

レイナの言葉を軽く流すディアボロスは笑ってレイナを視界から外す。すると、自分からレイナに意識がいっているディアボロスを見たネリネは剣を両手で強く握り横切りを放った。だが、ディアボロスは軽くジャンプをしてネリネの横切りを軽々とかわした。

「クッ!」

攻撃をかわされて悔しがるネリネ。彼女が次の攻撃を仕掛けようとしたした瞬間、ネリネの目の前の高さまでジャンプしていたディアボロスはネリネの顔の側面に蹴りを放った。ネリネは何が起きたか理解する前にコンタとユウタの飛ばされた方角とは反対の方角の壁に叩きつけられた。

「うう・・・・」

ネリネはずり落ち、ゆっくりと倒れた。それを見たシオンはレイナの隣まで跳んで合流した。二人は驚いたがすぐにディアボロスの方を向き警戒心を高めた。だが・・・・。

「あたしも居る事を忘れないでって言ったはずよ」
「「!!」」

背後から聞こえてくる声に驚き振り返るシオンとレイナ。すると突然視界が暗くなった、ルシフェルがシオンの顔を左手でレイナの顔を右手で鷲掴みにしていたのだ。二人はディアボロスに意識を集中していたせいでルシフェルの存在を忘れていたのだ。

「コ、コイツ!放しなさい!」

シオンが大型ナイフでルシフェルに攻撃しようとした。だがルシフェルはシオンを宙に投げた。そして空いた手を宙を舞うシオンに向ける、するとルシフェルの掌に赤黒い光球が現れてシオンに向かって放たれた。そして光球はシオンに直撃した。

「うわあー!!」

シオンは攻撃を受け、体から煙を上げながら落下して床に叩きつけられた。

「シオン!」
「彼女より自分の心配をしなさい」

ルシフェルはレイナの顔を掴んだまま床に彼女の後頭部を叩きつけた。

「グアッ!!」

レイナを叩きつけゆっくりと手を離すルシフェルはゆっくりディアボロスの下へ歩いていく。

「この程度、とはね」
「もう少しできると思ったが、期待外れだな」

ガッカリした様な声を出すディアボロスとルシフェル。すると、二人の攻撃で倒れていた神竜隊がゆっくりと立ち上がった。全員が全身に打撲の痕、そして体中から血が流れ出ている。

「コ、コイツ等強い!」
「自然の四塔(フォースド・ガイア)とはまるで力が違う!」
「これは本気を出さないとマズイわね」
「ああ、このままでは勝てないな・・・・」
「そ、そうね・・・・」

ユウタ、コンタ、シオン、レイナ、ネリネが驚いているとディアボロスとルシフェルは少し喜ぶような声で喋った。

「ほう、アレで全力じゃなかったのか。だったらもう少し遊んでもいいな」
「そうね、もっと楽しめるわ」

ディアボロスとルシフェルを見た神竜隊は自分達の今使える力を全て使い戦う事を決意した。ユウタ以外の三人の隊員もレベル・3を発動させた。ネリネも聖天使人の力を最大限まで発動させる。

「行くぞ皆!!」

ユウタの声に続いて神竜隊全員がディアボロスとルシフェルに向かって行った。しかし、僅か数分後、五人はディアボロスとルシフェルに傷一つ付けられずに倒れてしまった。


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