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作品名:ラビリアンファンタジー 作者:ディオス

第100回   第九十九話 サヤカの猛攻!炎の大決戦

シオンは何かを思いつきサヤカを挑発した。今のサヤカには今までの様な気の抜けるような声をしていたが笑顔が消えていた、殺気をむき出していた。

「またこの前のような目に遭いたい見たいねぇ・・・・?」
「シェルメリン村では油断していただけよ」
「負け犬の遠吠えねぇ・・・・」

気の抜けるような、低い声を出して挑発するサヤカ。だがシオンはその挑発に乗る事はなかった。

「さっさと終わらせるわよ、シオン・・・・」

サヤカはシオンに向かって走り出した。シオンも自分に向かって来るサヤカに向かって走り出す。二人の距離は一気に縮まった、そしてシオンは愛用の大型ナイフで斬りかかった。だがサヤカはジャンプして攻撃を回避し、シオンの後ろの着地し、サヤカはM10の銃口ををシオンの背中に向けて引き金を引いた。シオンは咄嗟に体を反らし銃撃をかわした。

「甘いわよぉ・・・・」
「!?」

銃撃を回避したシオンを見てサヤカは表情を変えずにそう告げる、そんなサヤカの顔を見て驚くシオン。そして彼女は自分に迫ってくるサヤカの右足の蹴りに気付いた。サヤカは空いている左手でサヤカの蹴りを止めた。

「クッ!」
「・・・・・・よく止めたわねぇ?でも、残念」

そう言ってサヤカは右足に力に更に力を加えた。すると、シオンはサヤカの力に押されて蹴り飛ばされた。幻獣種と契約したサヤカの力は他の2種の契約者とは比べ物にならない程高かったのだ、シオンはそのまま壁に叩きつけられた。

「ぐわぁ!!」

壁に叩きつけられた衝撃でナイフを落し、声を上げるシオン。更にサヤカはシオンに向かって跳んで行き、シオンの腹部にパンチを打ち込んだ。

「がはぁ!!」

そこへ更に体勢を立て直したサヤカはシオンの横顔に蹴りをいれた。彼女はそのまま蹴り飛ばされて床を転がっていく。

「うわぁ!!」

そのまま床を転がっていき、やがて止まった。スプリンクラーの水でずぶ濡れになったシオンは倒れたまま自分に向かって歩いてくるサヤカを睨む。

「うう・・・・」
「偉そうな事言ってたくせにだらしないわねぇ・・・・?」
「クッ・・・・」
「今回も油断してたんじゃないのぉ・・・・?」
「・・・・フフフフ」
「何がおかしいの?殴らせすぎてとうとう頭がイカレたぁ?」
「そんな訳無いでしょう?」

シオンは腹部を押さえながらゆっくりと立ち上がり右手を右足にゆっくりと伸ばし、足に納めてある小型ナイフを取り構え直した。そんなシオンを見てサヤカは立ち止まりM10をゆっくりと上げて銃口をシオンに向けた。

「ただ殴られただけじゃないとでも言うのぉ・・・・?」
「当たり前でしょう・・・・」

シオンはそう言って後ろに跳んで距離を作る。それを見たサヤカはM10の引き金を引いた、銃口から吐き出された無数の9mm弾がシオンに迫る。シオンは着地した直後に大きく右に跳び銃撃を回避、だが一発の弾がシオンの左足に命中してしまった。

「グッ!しまった!」
「馬鹿な奴・・・・」

サヤカは再びシオンに向かって勢いよく跳んで彼女に跳び蹴りをいれた。だがシオンは両腕で蹴りをガードしたため直撃は受けなかった。

「うっ!」

蹴られた時の衝撃と重さに耐えられずシオンは再び大きく蹴り飛ばされ壁に激突した。

「ううっ!!」
「まだまだよぉ・・・・」

とび蹴りをかました後に床を軽く蹴り再びシオンに迫って跳んだ。

「これで最後よ・・・・」

そう言いながらサヤカはシオンに迫って行き空いている手で握り拳を作り再びパンチを放とうとした。そしてあと数cmでパンチがシオンに顔に当たるところまで来た。

「フッ・・・・」

パンチがシオンに当たる瞬間、壁に叩きつけられたシオンはゆっくりと顔を上げてサヤカを見て笑った。そして空いている左手でサヤカのパンチを止めた。

「!」
「思ったとおりね」
「・・・・・・?」
「アンタは怒ると相手に反撃の隙を与えないように連続で攻撃をするわ、少なくても三回は連続で攻撃をする。さっきの攻撃と今の攻撃で確信したわ。しかも怒ってるから冷静な判断が出来なくなってるみたいだし」
「・・・・・・さっきの攻撃を三回ともくらったのは今回の攻撃を見極める為?」
「ええ、そうよ・・・・」
「ふ〜ん、まぁ、そういうこと事にしといてあげるわ・・・・」

シオンの言う事を信じようとしないサヤカは軽く流すように頷いた。

「でも、見極めたとしてもアンタの不利に変わりないわよぉ?」

サヤカは左手で持っているM10をゆっくりと上げて銃口をシオンに向ける。

「本当に不利なのはどっちかしら?」

そう言ってシオンが持っていた小型ナイフをM10に突き刺した。ナイフはM10を貫通し、粉々になった。普通の人間ならそんな事は出来ないが、契約者であるシオンならそんなこと簡単だった。サヤカは驚いてM10を放して距離を取ろうとした、だが右手はシオンの左手に掴まれており離れられない。

「逃がさないわよ!」

シオンは空いた右手で拳を作りサヤカの顔面にパンチを打ち込んだ。

「グゥ!!」

シオンのパンチの重さに押され今度はサヤカが飛ばされて床を転がっていった。転がっていくサヤカを見ながらシオンはM10に刺さっている小型ナイフを抜いてサヤカに向かって走り出す。仰向けに倒れたサヤカは走ってくるシオンに気付いて咄嗟に立ち上がり両手を床に付けた。

「インフェルノ!」

サヤカの足元が赤くなり、大きく爆発した。その爆発の衝撃でシオンは再び後ろの飛ばされる。シオンは衝撃に耐えながら空中でクルリと一回転しそのまま床に着地した。

「またあの技ね・・・・」

シェルメリン村で使った同じ技を見て思い出すシオン。

「あの技がある限りアイツには近づけいわね・・・・。やっぱり契約魔法とかで遠距離から攻撃するしかないわね」

離れた所から考えるシオンを見てサヤカは床から手を離しゆっくりと立ち上がってシオンを見た。

「ナメてくれたわねぇ?もう接近戦も通じないみたいだし、そろそろ大技をぶつける事にするわ・・・・」

呪符も使えず、M10も失ったサヤカに残された攻撃方法は1つだけだった。

「見せたあげるわ、私の最強の契約魔法を!」
「魔法・・・・レベル・5は使わないの?」
「こんな狭い所でレベル・5を使ったらとんでもない事になるわ。それに、アンタ相手に寿命を1年削るなんて嫌だしね・・・・」
「へぇ、怒っていても少しは冷静に考えるみたいね」

サヤカは両手を目の前で合わせて目を閉じた。

「炎獄の番人よ、魔の暴風となり消し飛ばせ!ファイアストーム!!」

演唱を終えたサヤカは両手を上げた。すると、サヤカの頭上に大きな炎の塊が現れた。

「そっちが最強の契約魔法ならこっちも最強の魔法で行くわ!」

シオンもサヤカの契約魔法に対抗する為に自分の使える最強の契約魔法を使うために演唱を始めた。

「いでよ、闇を消し去る聖なる爆炎!エクスプロージョン!!」

演唱を終えたシオンが左手を上げた、するとサヤカと同じように頭上に炎が集まりだし大きな白い火球が生まれた。

「それがアンタの最強の契約魔法?」
「ええ、これで最後よ!サヤカ!」
「いいわよ、今度こそ勝負よ、シオン・・・・」

お互いに睨み合い何時でも攻撃できる態勢でいた。

「お別れよ、シオン」
「ええ・・・・・・さよなら、サヤカ」

別れを告げたシオンとサヤカ、そして・・・・・・。

「ハァーーーーー!!」
「ヤァーーーーー!!」

サヤカは両手を一気に振り下ろし、炎の塊がまるで巨大な蛇の様にシオンに向かって伸びていく。そしてシオンもサヤカのファイアストームに向かって白い火球を投げつける。そして、二つの炎がぶつかり、格納庫で大爆発が起きた。


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