屋敷に帰った俺は奥の自分の部屋で手紙を書いてた。そうしてたら、ノックを誰かがしたんだ。 「誰??」 俺の声を無視して扉が開いた。 入ってきたのは、俺の専属軍師ジョンだ。こいつはかなり自分勝手。だけど、頭の回転と知識は確かだった。だから、俺は最後までこいつを信じてた。 「お前な、ちゃんと返事しろよ!」 俺があきらめ気味に言ったら、 「いいじゃん」 って、言い放った。目上の人に対する態度としてはありえない。まあ、許したけど・・・ 「国王はなんていってた??」 俺が城であってたことを一通り話した。 「まあ、普通だな。おもろくない・・・・・」 ジョンは不満気だったけど、ほっといた。無視して手紙をまた書き出したら、話題を変えてきた。 「そういえば、頼まれてたの、やっといたよ。しかし、本当に元老院にケンカ売る気かよ?潰されるぜ?」 元老院とはこの国での政治を担当している12人で構成された議会だ。しかし、現状は12人のじじい共が自分の立場を守るためのものになってる。俺はこれが気に食わなかった。 「いいよ。まだ、手は出さないから。まだ、その時期じゃあない」 俺はいくつか許せないものがあった。ひとつは元老院。後は、四大将軍のやつら。この二つはぶっちぎりで嫌いだった。正直、俺が潰してやろうと思ってた。 四大将軍っていうのは、常備軍の最高位『将軍』として、君臨する四人のことだ。サクラート国は常時、四人の将軍を置いていた。だから、四大将軍なんて名前が付いたんだ。まあ、実際この四人が国内で一番強かったんだ。だから、政治にも首を突っ込んできた。あいつらは戦争大好きで、いつも戦争をするよう父上に進言していた。 「じゃあ、四大将軍のから潰すのか??いくつかネタは用意したぜ」 ジョンに頼んだこと。それは、元老院の12人の兵力など、元老院のやつらの情報を調べること。もうひとつは、四大将軍が裏でやってきた、市民殺害事件を調べることだ。 俺は少し考えた。しかし、結果は見えてこない。仕方が無いから、レナを呼んだ。
「失礼します」 レナが入ってきたら、事情を説明した。 レナは少し顔を曇らした。 「私は反対です。この戦争下で、あえて、自国の戦力をそぐ必要はないと思います」 確かにレナの言うことはもっともだった。しかし、俺には急ぐ理由もあった。 『国王暗殺計画』。何年か前から噂が絶えなかった。しかし、四大将軍が絡んでると確定はできなかったんだ。けど、俺は確信に近いものがあった。なんとなくだったけど、あいつらが絡んでる・・・・そんな気がした。 俺は悩んだ。二人の意見を慎重に吟味した。そして、俺は決めたんだ。 「わかった。決めたよ。今は戦争に集中しよう。まあ、俺たちの戦力拡大もしなくちゃいけないし。国内に敵を作るのは得策じゃない。それに、あいつらも、今は動かないだろう。よし、それで決めた」 二人は、静かに俺を見つめてた。 最初の過ちを犯した、俺を・・・・・・・
|
|