全く何がなんだかわからない。 途方にくれて立ち尽くす。
「ね、とりあえず進まない?話は歩きながらでも出来るからさ」
自称天使の少女はそう言って歩き出す。仕方なく僕も歩き出した。
改めて周囲を見渡すと、どこまでも続く金色の雲に覆われている。 雲の隙間からは明るい光がこぼれて、綺麗な眺めだ。 僕が歩いている道は白っぽくなだらかで、いくら歩いても疲れなさそうだ。
「さてと。あなたに起こった事、説明しないとね。まぁ、結論から言うと、あなた、死んじゃったのよ。」
そんな事いきなり言われても何がなんだかわからないのは同様だ。
「ね、何も覚えてない?」
確か、同僚と飲んでたはずだ。 給料日と金曜日が重なって、久しぶりに残業もナシで、上司は直帰で、 同僚とだけで完全割り勘の単なる飲み会。 合コンでも接待でもない、単なる飲み会。
「そうそう、あなた、飲みすぎたんじゃない?駅の階段物凄い勢いで転げ落ちてたわよ」
そうだ、最寄り駅の階段で足をもつれさせた気がする!
「で、そのまま、その・・・」 「オダブツ」
真剣そのものの表情で断言されてしまった。
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