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作品名:天使の仕事 作者:桜木 照子

第3回   3
全く何がなんだかわからない。
途方にくれて立ち尽くす。

「ね、とりあえず進まない?話は歩きながらでも出来るからさ」

自称天使の少女はそう言って歩き出す。仕方なく僕も歩き出した。

改めて周囲を見渡すと、どこまでも続く金色の雲に覆われている。
雲の隙間からは明るい光がこぼれて、綺麗な眺めだ。
僕が歩いている道は白っぽくなだらかで、いくら歩いても疲れなさそうだ。

「さてと。あなたに起こった事、説明しないとね。まぁ、結論から言うと、あなた、死んじゃったのよ。」

そんな事いきなり言われても何がなんだかわからないのは同様だ。

「ね、何も覚えてない?」

確か、同僚と飲んでたはずだ。
給料日と金曜日が重なって、久しぶりに残業もナシで、上司は直帰で、
同僚とだけで完全割り勘の単なる飲み会。
合コンでも接待でもない、単なる飲み会。

「そうそう、あなた、飲みすぎたんじゃない?駅の階段物凄い勢いで転げ落ちてたわよ」

そうだ、最寄り駅の階段で足をもつれさせた気がする!

「で、そのまま、その・・・」
「オダブツ」

真剣そのものの表情で断言されてしまった。


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