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作品名:拳銃 作者:三日月

第16回   16
 中村は、すぐに車でジムの前に到着した。
 車を降りると、中村は太田のいる場所まで走る。
「北川信也が、犯人だという確信が?」
 中村は言う。
「北川信也が、拳銃を所有しているらしいことがわかった。これから、ジムに踏み込む。身柄の確保だ」
「しかし、逮捕令状がありません」
「構わない。拳銃の発見が先だ」
 太田と中村は、ボクシングジムの中に入る。
 北川信也が、サンドバックを叩いている場所に歩く。
「北川信也くん。井川一美殺人容疑で、署まで同行願おうか」
 太田は言った。
 北川は、サンドバックを叩く手を止める。
「なぜです」
 北川は、冷静に言った。
「拳銃を隠し持っているな。どこにある?」
「拳銃? 何のことだか、わかりませんが」
「とぼけるな。嘘をついていると、罪が重くなるだけだぞ」
 太田は、北川の腕を取ろうとする。
 しかし、北川は、それを振り払った。
 北川は、太田と中村を押しのけて、更衣室に走った。
 太田と中村は、北川の後を追いかける。
 北川は、更衣室の窓から、外に逃走した。太田と中村も、同じ窓から追いかける。
 北川の足は速い。太田と中村は、見る間に、引き離された。
 数度、角を曲がったところで、北川の姿を見失う。
「しまった。すぐに署に連絡を取って、非常線を張らないと」
 太田の指示で、中村はすぐに署に連絡を取った。
 太田は、北川が逃げたであろう方角に向かって、走った。


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