現実というものはとても残酷なもので、俺の妹はまだ7歳だというのに、小学校にも上がったばかりだというのに、あんなにみんなから愛されていたというのに、妹は死んでしまった。 いや、正確には殺されたんだ。 そんなかわいそうな俺の妹の葬式には、いいネタができたと記事を書き立てるマスコミやテレビに映ろうと必死な近所のおばさんやクラスメイトで、それはもう、大盛況なものだった。 なんとも見苦しい、妹に申し訳ない葬式だった−・・・
申し訳なくて、申し訳なくて、悲しくて、情けなくて・・・そんな色んな感情がごちゃまぜになっていくうちに、全ての感情が統合されて、今はもう、一体、誰がそんなに憎いのかもわからないくらい、ただただ憎いという感情しか湧いてこなかった。
・・・こんな俺を見たら、きっと妹は悲しむだろう。もしかしたら、「お兄ちゃんの顔、怖い」と泣くかもしれない。
けれど、それでも俺は憎まずにはいれなかった。
なぜなら、それ以外に生きる糧が見つからなかったからだ−・・・
だから俺は今日も憎み続ける。
妹を殺したあの男を−・・・
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