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作品名:いつか きっと 作者:Shima

第42回   第42話
  良は白山邸を出るとまず、駐在所へ向かった。大島に聞けば何かわかるかもしれないと考えたからだ。
ところが・・・あろうことか、既に大島は後方から袈裟懸けに切られ、口から血を泡のように吹き出し白目を剥いて事切れていた。正吉はピストルを所持していたが、刀は持っていなかったので直接手を下したのは白山だろうと判断した。なんてことだ・・・サイアクな事になってしまった・・・その無残な死体を見ているうちに良は腹の底からぐっと突き上げてくるものを押さえきれずその場で吐いてしまった。昨日から何も口にしていなかったせいで、出るものといっても黄色い水だけだったが、それでも何度も吐いた。
  フラフラになりながら今度は村長宅に向かった。独身の大島とは異なり、村長宅で事を起こすのは大変だろうと想像したが、行ってみると何事もないようにすんなり中へ通された。書生の話では、校長と神主さんは40分ほど前に来て、今も村長と土蔵の中で話しているとのことだった。2人に用事があるからどうしても会わせてくれとしつこく頼むと、その書生はブツブツ文句を言いながらも良を土蔵に通した。非常用の鈴を鳴らすと中に聞こえる仕組みになっているらしかったが、何度鳴らしても応答がない。なにかあったのかと書生は取って返し、しばらくして合鍵を持ってきた。イライラしながら鍵を開け重い扉を押し開いて中を見た途端、彼はギャッと一声上げるとそのまま腰を抜かした。


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