一旦イギリス本国へ戻ったジャック達は、アーサーの弔いを済ませると、再び発掘に取り掛かるべく人数を募った。人数はすぐに集まったものの資金がなかなか集まらず、ジャックが船上の人になったのは帰国してから既に3年の月日が経っていた。 芥子の谷に足を踏み入れるとジャックの脳裏にはケインと別れた日の事がくっきりと蘇った。目の前に広がるジャングルはあの日と全く変わらずジャックを迎えてくれた。知らずに涙がこぼれていた。 二度と会えないと思っていたケインは、ジャックの再来に喜び、村を上げて歓待した。ただスージーだけは考古学への興味がなくなったとみえて一緒に来るとは言わなかったようだ。 ジャック達が来てから1週間後。突然ケインとジャスミンはジャックから思いもよらないことを聞かされた。なんとプレーナムと結婚したいというのだ。既にプレーナムも了承済みだという。その時になって初めてケイン達はプレーナムがカシミールとの話に乗ってこなかった理由を知った。きっかけはあの誘拐事件の救出劇らしい。気を失っていたプレーナムを必死に介抱し続けたジャックに、鉄の意思を持っていたプレーナムの心に思わぬ恋心が芽生えたのだった。ジャックも石窟寺院発掘に生涯を捧げるべくこの地に骨を埋める覚悟をしてきていた。 慌しく結婚式が執り行われ、彼もまたケインと同様芥子の谷の住人となった。 (これでいい。安泰だ。) ケインとジャスミンはそれぞれの想いを胸に、これからのちも2人で力を合わせ谷を守っていこうと誓い合った
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