ケインの胸で精一杯泣いて少し落ち着いたのか、スージーはポツリポツリ話し出した。ケインは近くにあった椅子にスージーを導くと一緒に腰を掛け、勇気付けるように背中をポンポンと優しく叩きながら話を促した。まるで泣き止まない赤ん坊をあやすように。 「・・・カシミールに言われ、先生と私は先輩のいる場所へ行ったわ。するとテリーさんと先輩が2人の将来について話していたの。これから清の国へ行き、ここの花をどんどん売って今以上に金儲けをするという内容だったわ。しばらくするとテリーさんがどうなったか見に行くと言ってどこかへ行ってしまった。驚いた私達は慌てて先輩の前に姿を見せたわ。先輩も驚いた様子だったけれど、先生の今ならまだ引き返せるという言葉にいたたまれなくなったのか突然逃げたの。私はすぐ後を追った・・・ようやく追いついたのがエローラの丘。そこでテリーさんの向かった所がジャスミン達を殺そうとしている場所だと聞かされたの。私、止めようとしたのよ!それなのに先輩はもう遅いと言って・・・・断崖からあのジャングルに・・そのあと私、わけがわからなくなって・・・きっと歩いていたんだと思うの。そしたら何かが足に当たって・・・見てみると先生だった。寝てるのかと思って触ったら冷たくって・・・・・」 一気にそこまで喋るとまたその光景を思い出したのか、ケインの胸に顔を埋め、声を上げて泣き出した。安心させるためにケインはその身体をギュッと抱き締めた。 「わかった。もういい。あとは僕達が何とかするから君は安心して休むんだ。いいね。・・・彼女を部屋へ連れて行ってくれ。」 側にいた侍女にスージーを頼むと、ケインはその足で王の部屋へ向かった。
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