「え?」 ジャックに呼ばれ中途半端な気持ちのままケインは彼に近寄った。 「見ろよ、これ。」 その指差す方向を見ると、今まで何故こんな大きいものに気付かなかったのか?と思えるよう石の建造物があった。 「これは?」 「テンプル!お寺だよ!たぶん教授が言っていた新しい石窟寺院だ!もしかしたらこれだけじゃなくてこの奥にもあるかもしれない。わからない?んー!何て説明したらいいんだ?つまりだ、もっとたくさんの寺院があるかもしれないってことなんだ!ケイン、これが本当なら俺達はとうとうやったってことなんだ!大発見をしたってことさ!」 狂喜乱舞するジャック。 「本当か!ジャック。君の、いや君達の説は正しかったってことがこれで証明されたんだろ?すごいじゃないか!やったな!」 ケインも友人の大発見に一緒になって喜んだ。 「い・いや。まだはっきりそうだとわかったわけじゃないんだ。そうだと仮定すればすごい事なんだ!」 謙遜するジャックだったが、その言葉には自信に溢れている。しかしムファド王、プレーナム、ミンミンの3人だけがこんなもので何をこんなに喜んでいるのか、と訝(いぶか)しげな表情で2人を見ていた。それに気付いたケインは事のあらましを今までのジャック達の苦労話などを交えながら説明した。 「あ!教授にこの事を知らせなければいけない!そうだ!ボヤボヤしてなんかいられない!ケイン、皆さん!申し訳ないが私は一足先に失礼します!」 言うが早いかジャックは外に飛び出した。開いた扉から朝日が差し込み、4人の足元を照らした。
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