20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:epicurean virgin 作者:水無瀬那月

第3回   #1-3
乱暴に机に参考書を置いた

「珍しく機嫌悪いじゃん。克彦」

友人の雄也(ゆうや)が声を掛けた

「悪くもなるよ。いきなり名前も知らない奴に“バカ”呼ばわりされたらね」

「何それ?知り合いじゃないの?」

後ろの席にやってきた雄也の幼馴染みの聖也(せいや)が訊ねた

「全然。見たことも話したこともないよ」

「気をつけたほうがいいよ。最近変な奴多いし」

「そうそう。聖也みたいに襲われちまうぜ」

イタズラっぽく笑う雄也の頭に聖也の鉄拳が落ちた

「っ痛〜」

「本気で怖かったんだからな!」

涙目の聖也に雄也は苦笑いした

「悪かったよ。ごめんって。でもあの時はちゃんと助けただろ?」

「そうだけど…」

語尾を小さくし顔を背ける聖也の頬はほのかに赤い

「惚れ直しちゃったんだよな?」

嬉しそうに聖也の頭を撫でる雄也にもう1つ鉄拳が落ちた

顔は可愛いのにあの鉄拳はやはり男のものだと克彦は思った

講師が入ってきてざわつきが納まる

前に向き直り克彦はもう1度考えてみた

(セシル?一体誰のことなんだろう?)



大学の近くの喫茶店に先程の青年は居た

テーブルに頼んだメニューが並ぶ

おいしそうな香りを漂わす料理に青年は満足げに微笑みフォークを取った

「あいつらが見つける前にどうにかしないとだな」


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 344