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作品名:スノーキャンプ 作者:結城 健三

第55回   ラブ・トライアル
荷物を降ろすと祐二と多恵に聞こえるようにオーナー夫婦の所に戻り
「今日は済みませんでした、今からの見に来ませんか良い物が有るんだけど」と言う
「いやいや、本当は俺の方から言わなくちゃいけなかったことを言ってくれてありがとう、これで彼奴達が変わってくれれば良いと思うけど難しいかな、何だ、買い物行ってきて何か言いものあったか」
「いいえ、特別には何も無かったですよじゃあ、神河の二人も連れてきて下さい。お願いします応接室で待ってますから」と、大きめの声で話し戻っていった。
俺がいない間に、由衣は10名分くらいのコップとつまみの用意を済ませていた。
俺は、薫製を作っていたドラム缶に、バットを持って行き薫製を取り出し戻ると、スライスをしていた時オーナー達4名が来て、応接室で今夜の呑み会が始まった。
「竹さん、これって今日、釣った奴ですか」と、れい子が聞く
「そうだけど何ですか」
「いえ、凄いですね本当に何でも作っちゃうんですね」
「それほどでも、と言うかこの場合この魚がなければ出来ないし、良い原材料があったから出来たものだから」
「そうよ、釣った人が一番なんだから」と、由衣が言う
「そうだよな、みんなが一番だよ」と、俺が言うと
「なーんだ、私じゃないのね」
「何で由衣なんだよ」
「だって、私も頑張ったし」
「みんなも頑張ったよ」と真由美が言う
「そうか、大きい小さいじゃないのね」
「そうだよ、腕がいい、コーチが良い、道具が良いは後回し、どれだけ頑張ったかだよ」と、俺が言うと
「そっか、判っているんだけど、」
「よく頑張ったよ由衣ちゃん」と、オーナーが気にして褒めてやると
「今日初めてだったんでしょう。あんなに大きいの釣ったしね」と、神河も褒める
「でしょうでしょう」と、喜んでいる
それから少しすると話しは、いつの間にか神河達の話しになっていた
「神河さん、本当の所どうなのお二人は付き合ってるんですか」と、由衣が聞くと
「正確には、まだ付き合うとか聞いてないのよどっかの誰かと同じ押し掛け何とかとね」と、れい子が笑っている。
「神河さんこんな良い子なのに何か問題でもあるの」と由衣が聞く
「それは、この子の問題じゃあなくて俺の方の問題さ」
「何が、問題なんですが、俺達とお宅じゃあ、仕事上、解り合えない部分もあるかも知れないけど、事恋愛は余り変わらないと思うが」とオーナーが聞くと
「そんな事無いですよ、この話はそんなに、ややこしい話しじゃあないんです、聞いてくれますか」
「構わないよ何でも聞いてやるよ」と言うことになった。
それからまた2時間ほどくだらない話しをしながらいつもよりゆっくりと呑んでいた
そこに、祐二が多恵を連れてやって来た。
それと入れ替わるように神河達が帰っていった。
祐二は入ってくるなり、
「オーナーそれから竹内さん、済みませんでした、」
「いつまで居る気だ」と、俺が言うとオーナーが、
「真一少し聞いてやれよ」と、言うので黙り込む
「済みません、オーナーと竹内さんが言った事良く考えたんですが、自分に足り無い物は何なのかなかなか判らなかったんですよ、」
「どれもこれも、考えただけで解決するならわざわざ機会を見つけて話さないよ、馬鹿じゃねえの」と、言うと
「真一黙ってて」と、真由美に怒られた、何だか腹が立ってきて俺は、立ち上がり外に出た。
キャンプファイアーの残り火が燃える所に椅子を持ち出しズボンのヒップポケットからベルンハルトのスキットルの375mlを取り出し直接飲み始めた、
『掛けだったのに、それが見えてこないんだ、奴なら判るはずなのに』と、独り言いながら、
暫くしたら後ろから足音が聞こえてきた。
「真、此処にいたの、」
「ああ、何となく独りになりたくて」
「真」と、言うと由衣は、俺の膝の上に座ってきた
「何」
「何呑んでるの」
「ブランデー」
「私にも頂戴」と言うのでフラスコを渡そうとすると
「違うよここから」と、キスをしてきた俺は黙ったまま、唇を離すとフラスコからブランデーを口に含むと由衣に口移しで飲ませた。
すると由衣は俺に
「此処寒いから、戻って呑もうよみんなで、」
「どうして」
「さっき、祐二くんと多恵は報告に来たのよ、祐二くんあんなしゃべり方するから、いけないんだけどちゃんと聞かない真も良くないよ、」
「だからなんだよ何の報告なんだよ」
「あのね、あの二人付き合うようにしたんだって、そこが見えたら他の者も見えてきたって言ってたわよ」
「なに、マジで本当かよ」と由衣を抱きしめた。
「真、苦しい」
「そうか、変な取引無しだろ、」
「そうよ、もちろん」
「そうかそれは、よかった」
「判った、戻ろう椅子なんか扱きっぱなしで良いよ」と、途中転びながら戻りドアを開けると
「馬鹿野郎、先に結論を言え勘違いしたんじゃあないか」
「すみません」と、言いながら頭をかいている
「良し良くやった」手を出すと祐二も伸ばしてきて握手をした
「多恵ちゃん良く踏み越えた。良くやった」同じく握手をし、由衣に
「例のもの出して」と、言って由衣に合図を送った
「これ私のかと思ってた」
「お前には、この間買っただろ多分持って来てないだろうし、スキーウエアーだと歩きにくいし、多恵これプレゼント」
「えっ、何ですか」
「とにかく着てみな男共は外で待つ」と言ってオーナーと祐二を外に出し俺が居ると
「何してるの真一」
「俺がプレゼントしたんだから良いだろ」
「真、いい加減にしろ」と由衣が、アイスペールの中から氷を取り投げてきた
「そうか駄目か」
「当たり前でしょう」と言われ仕方無しに外に出て待った
「竹内さんありがとうございます」
「これで、明日いけるだろう」
「そうですね」
「後は、明日にでも安物でも良いからお揃いのリングでも買って来いよ」と、オーナーが言うと
「済みません、そんなに持って来てないので」
「俺が貸してやるから行ってこい」とオーナーが言うから
「オーナーからのプレゼントですか」と、俺が聞くと
「しっかり、給料から引いて置くから」と言いながら笑った
ポケットから出したスキットルからまた、酒を飲んだ。


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