俺は、真由美さんをエスコートして駅前を歩きながら 「真由美さん、今日はイタめしで良いですか」 「真一が連れて行ってくれるなら何処でも良いわ」 「そうですか、こうして歩くのは何年ぶりですかね」 「なに他人行儀に、言ってるのよ。 もう10年になるかな」 「そうか、もう10年になるか、良くオーナーと続いたね、俺とは2年くらいしか続かなかったのに」 「あの人本当に良い人なのよ、真面目だし、優しいし」 「なんだそれ、おれが悪党で、どうしようもなくて、冷たい人みたいじゃないか」 「あれ、違ったっけ、真一って結構冷たいのよね」 「そんな事無いよ。俺は相手の事ばかり考えてるよ、いつも」 「それで、オーナーには、言ってないの」 「大分前に、言ったわ。そしたら、昔の事は聞きたく無いからもう話すな。終わった事だろ、だって」 「そうか、それならなおの事君には手出し出来ないな」 「なに、手を出さない気なの」 「馬鹿、ふざけるなよ」 「はははははそんな事私が言っても本気にしない癖に」と、話しをしているうちに店に付いた。 この店は、俺は、ここのオーナーシェフが気に入って通い詰めていた店だ。 椅子に着くと、シェフが来て 「こんばんは、今日はまた綺麗な女性を連れていらしてうらやまし」 「また、口が上手いんだから、俺が女の子を連れて来るたびに同じ事を言うんだから」 「そうなの、気分良かったのに」 「そんな事無いです、竹さんが連れて来る子はみんな綺麗な人ばかり、だから今度聞こうと思っていたね」 「そうか、今度教えてやるよ」 「それでは、今日は良い魚はいったからいつも通りで良いですか。」 「ああ、まかせるよ。後ワインも良いのを出してくれ」 「わかりました」と下がった 「どうしてなのかな、イタリア人って女性にあんなに口が上手いのは」 「あれがイタリア人気質って奴なのね」 「さっきの言葉を、耳元でイタリア語で囁かれたらいちころだね」 「そうね、そこが日本人とイタリア人の違いね徹底的に褒め上げるもの」 「胸焼けするほど甘い言葉で、口説くから」などと話しながら食事が始まった。 1時間半後、食事を済ませ店を出た 「ねえ、何処に連れて行ってくれるの」 「酒でも飲むか」 「何処か良いところがあるの」 「いくらでも知ってるよ」とJAZZバーに連れて行くと 「こんな洒落たところ知ってるなんて」と感動した様子で 中に入るとライブでJAZZの演奏を聴かせている。 テーブルに付くと直ぐに飲み物とつまみを頼み暫く音楽を聴いていたが真由美さんが 「ところで、敬子さんから連絡有ったの」 「それは、無いですね。多分もうしてこないですよ」 「どうして」 「あいつの、性格からすると一度公言したことは実行する子だから」 「そうなのそれで良いのね」 「それは、あいつが決めたことだから」 「あなたがよ」 「そうしたいと言う気持ちを邪魔することは出来ないよ」 「そこなのよ、真一のいけない所は引き止めて貰いたい時もあるのよ、真一は言葉の上だけを聞いたり見たりしてその裏を考えてないのよ」 「そんな事を言われても、心の中まで見える訳じゃないから」 「もう少し考えないと駄目ね。それから由衣ちゃんは」 「由衣は良い子だよ。誰が見ても」 「あの子は、貴方が見向きもしてないときから一途に思い続けてきたのよ 「判りました真由美さんが言うまでもなく感じています」と言うやりとりで夜が更けていった。
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