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作品名:銀河を渡る船 第六部・ロボット帝国 作者:佐藤 神

第4回   4

<<キャプテン、レッドヴィーナスは危険な女です。関わらない方がいいです>>
「切れやすい女なのか?」
<<強い男を見ると敵味方に関わらず戦いを挑んでいきます>>
「デスラカン帝国の猛将ワグナーと同じか?」
<<いや違います、ワグナーは畳の上で死にたくないのでしょう。戦いの中で死ねば昔
の仲間のもとにいけると信じ込んでいます>>
「そうか、仲間か」
<<レッドヴィーナスは強い男を甚振ることにより性的喜びを感じる女です。今頃は舌
なめずりをしているでしょう>>
 ベンは不快そうに言う。
<<キャプテン、レッドヴィーナスは子供の時に性的虐待を受けています。その影響だ
と思います>>
 ドクターロボのマザーは悲しみの表情で言う。

「マザーは何でも分かるんだな」
<<あの時、レッドヴィーナスの脳指紋を見ていました。P300の脳波は嘘をつきま
せん。わたしたちロボットにはありませんが>>
「そうかな、ベンの頭のランプはP300の働きをしているような気がするが?」
<<キャプテン、わたしの意志とは関係なくランプが点灯するんですよ>>
 当惑顔でベンが言う。
<<それは接触不良よ、絶縁体が剥がれたのでしょう。修理をすれば治ります>>
 マザーが凛とした表情で言う。

「うん、折角サザンクロスを出て来たんだ。デスラカン帝国に寄って行くか」
<<えッ、デスラカン国王に会いに行くんですか?>>
 合点がいかない表情でベンが言う。
「いや、以前出来なかった最終兵器を撃ち込みに行くんだ」
 ベンの頭の端のランプが点灯した。
<<キャプテン、やりましょう。世界平和のため>>
「うん、ワープ後直ぐにベンが最終兵器を撃ち込め、バリヤーを張られたらベンが最終
兵器発射を中止させろ。わたしが命令を出すと、ワープの衝撃から目を覚ますまで時間
がかかりすぎる」
<<キャプテン、了解しました>>
 またベンの頭の端のランプが点灯した。
「マザーは、ワープ後わたしを起こし続けてくれ」
<<はい、了解しました>>

「ベン、デスラカン星の宮廷上空まで、ワープせよ。最終兵器をぶち込んでやる」
<<キャプテン、了解しました。ワープ30秒前>>
<<ワァンー、ワァンー、ワァンー>>
 宇宙船内にワープ走行の警告音が鳴り響く。
<<ワープ20秒前、キャプテン、椅子に座って手すりを掴んでいてください>>
 ロボットのベンの声が宇宙船に響く。
<<ワープ10秒前>>
 宇宙船が微かに震えてきた。
<<ワープ5秒前、3、2、1。ワープ開始>>
 ロボットのベンの甲高い声が宇宙船に響いた。その瞬間、キャプテンは気を失った。

 暫くして。
「う、うーん....」
 キャプテンは焦点が定まらない目で、目の前のマザーの掌を見詰る。
<<キャプテン、気がつきましたか?>>
「ああ、ここは?」
<<キャプテン、デスラカン星の宮廷の上空です>>
「そうか、ベン、最終兵器はどうなった?」
<<キャプテン、失敗しました。防御は完璧です>>
 残念そうにベンが言う。
「いや、失敗しても抑制にはなる。それより出向かいは誰かな?」
 吐き気を我慢してキャプテンはスクリーンを見る。無数の戦闘機が向かって来た。暫
くすると、その後ろから一際大きい大型戦闘艇が浮上して来た。

「ベン、あの大型戦闘艇は誰だ?」
<<猛将ワグナーです>>
「やはりワグナーか、番犬みたいに尻尾を振って喜んで出て来たな。ベン、ワグナーと
回線を繋げ」
<<キャプテン繋がりました>>
「ワグナー、戦場で会おう」
「ベン、サザンクロス星上空まで、ワープせよ」
<<キャプテン、了解しました。ワープ30秒前>>
<<ワァンー、ワァンー、ワァンー>>
 宇宙船内にワープ走行の警告音が鳴り響く。
<<ワープ20秒前、キャプテン、椅子に座って手すりを掴んでいてください>>
 ロボットのベンの声が宇宙船に響く。
<<ワープ10秒前>>
 宇宙船が微かに震えてきた。
<<ワープ5秒前、3、2、1。ワープ開始>>
 ロボットのベンの甲高い声が宇宙船に響いた。その瞬間、キャプテンは気を失った。

 暫くして。
「う、うーん....」
 キャプテンは焦点が定まらない目で、目の前のマザーの掌を見詰る。
<<キャプテン、気がつきましたか?>>
「ああ、ここは?」
<<キャプテン、サザンクロス星の上空です>>
「そうか、追跡されていないことを確認してくれ?」
<<はい、レーダにその徴候は現れていません>>
「よかった、無事に帰ったことを、宮廷のオスカーに連絡してくれ。そして宇宙港に着
陸させてくれ」
<<キャプテン、了解しました>>
「うーん、3回の連続ワープはきつい。早く帰りたい」
<<キャプテン、久しぶりの3回の連続ワープはきついと思います。このままお休みに
なった方がいいかと>>
 ドクターロボのマザーが凛とした表情で言う。
「うん、ナオと会ってから寝る。ベン、反デスラカン連合の巨大円柱型宇宙船で会議を
やったが何で、地上でやらないんだ?」
 思い出したようにキャプテンが言う。


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