「オイデ…オイデ…」
何かが僕を呼んでいた。
真っ暗な部屋に、窓ひとつだけある部屋。 その窓はかすかな光が差していた。
…僕が生まれた場所。
僕はかすかな光が差す窓を覗いたりしたが、光しか見えず。 その先には真っ白の光だけだった。
この部屋には何もない。
あるのはかすかな光差す窓と。 どこからか現れる食事だけだった。
部屋は暗く、窓の光でやっと食事が見えた。 食事の数を数えて、何回かわからなくなった時。
ぼくはあの食事の虜になっていた。 その食事は味はしない。 香りも無い。
だが、体中の力が抜けるようなしたんだ。 でも、体の中が違う生き物になるような気がしたんだ。
僕は毎回どこからか出てくる食事を食べ続けた。
なぜなら、お母さんお父さんの恋しい気持ちが忘れられるから。 寂しい気持ちをおなか一杯で紛らわした。
それが僕の唯一の手段だった。
ある日、僕は食事を待っていた。 指折り食事が出てくるのを待っていた。
しかし、もう食事はプッツリとこなくなった。
あの味が忘れられない。 おなかがすいた。 何も考えられない。 寂しいし怖い。 お母さんお父さんに会いたい。
僕はおかしくなった。
僕は食事が無くなるとダメになってしまう。 僕は食事が無くなるとイヤになってしまう。
僕は泣きながら、部屋の窓を見た。
相変わらず、窓はかすかな光を差していた。
「オイデ…オイデ…」
窓は僕を呼んでいた。 いつもより窓の光が大きくなってるように見えた。
「オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オ イデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ… オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイ デ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オ イデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ… オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイ デ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…」
僕は気がつくと。
窓をこぶしで叩き割り、手は血まみれになっていた。 手は真っ赤に染まって、生々しい傷がいっぱいあった。
痛かった。でもそんなのどうでもよかった。
なぜなら…。
窓の外はキレイな光で満ち溢れていたのだからー。
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