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作品名:マイキル or ユーキル 作者:父親は紳士

第1回   序章
「オイデ…オイデ…」

何かが僕を呼んでいた。

真っ暗な部屋に、窓ひとつだけある部屋。
その窓はかすかな光が差していた。

…僕が生まれた場所。

僕はかすかな光が差す窓を覗いたりしたが、光しか見えず。
その先には真っ白の光だけだった。

この部屋には何もない。

あるのはかすかな光差す窓と。
どこからか現れる食事だけだった。

部屋は暗く、窓の光でやっと食事が見えた。
食事の数を数えて、何回かわからなくなった時。

ぼくはあの食事の虜になっていた。
 
その食事は味はしない。
香りも無い。

だが、体中の力が抜けるようなしたんだ。
でも、体の中が違う生き物になるような気がしたんだ。

僕は毎回どこからか出てくる食事を食べ続けた。

なぜなら、お母さんお父さんの恋しい気持ちが忘れられるから。
寂しい気持ちをおなか一杯で紛らわした。

それが僕の唯一の手段だった。


ある日、僕は食事を待っていた。
指折り食事が出てくるのを待っていた。

しかし、もう食事はプッツリとこなくなった。

あの味が忘れられない。
おなかがすいた。
何も考えられない。
寂しいし怖い。
お母さんお父さんに会いたい。

僕はおかしくなった。

僕は食事が無くなるとダメになってしまう。
僕は食事が無くなるとイヤになってしまう。

僕は泣きながら、部屋の窓を見た。

相変わらず、窓はかすかな光を差していた。


「オイデ…オイデ…」


窓は僕を呼んでいた。
いつもより窓の光が大きくなってるように見えた。

「オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オ イデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ… オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイ デ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オ イデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ… オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…オイ デ…オイデ…オイデ…オイデ…オイデ…」

僕は気がつくと。



窓をこぶしで叩き割り、手は血まみれになっていた。
手は真っ赤に染まって、生々しい傷がいっぱいあった。


痛かった。でもそんなのどうでもよかった。


なぜなら…。



窓の外はキレイな光で満ち溢れていたのだからー。 



























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